2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第6大会(第16,17,18戦)岡山TGR-DCドライバー 小高一斗がシリーズチャンピオン獲得!

2022.09.25(日)- 21:45配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの今季最終大会となる第6大会(第16,17,18戦)が岡山国際サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの小高一斗(TOM'S)が第17戦で今季8勝目を挙げ、見事今季のシリーズチャンピオンを獲得しました。

TGR-DCドライバー 小高一斗がシリーズチャンピオン獲得!

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第6大会(第16戦、第17戦、第18戦)が9月24日(土)と25日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
 全6大会18戦で戦われている2022年シーズンの同シリーズも今季最終大会を迎えました。今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racingドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして小高と平良響(TOM'S)、野中誠太(TOM'S)の3名がフル参戦しています。ここまでの15戦中7勝を挙げてランキング首位につける小高が、この3レースで13ポイント差を守り切り、悲願のタイトル獲得なるか、注目の大会となりました。

予選

 24日(土)は好天に恵まれ、午前8時5分より30分間の予選が行われました。このセッションでのベストタイムで第16戦、セカンドベストタイムで第17戦のスターティンググリッドが決定されます。
 各車一旦アタックに出てピットへ戻り、タイヤを交換して再アタック。1セット目のアタックでは5番手に留まっていた小高は、2セット目のアタックで一気に0.7秒ほどタイムを縮めましたが、ライバル勢もタイムを詰めてくる中での僅差の争いとなり、ポールタイムに僅か0.019秒及ばず3番手。セカンドベストタイムでは2番手につけました。
 野中はベスト、セカンドベスト共に6番手。平良も両レース7番手からのスタートとなりました。

第16戦決勝

 予選の後、午後1時20分から第16戦の決勝レースが行われました。今大会の3レースで最も長い25周での争いとなりました。
 予選4番手の古谷悠河(TOM'S)がエンジン交換により5グリッド降格となったため、野中は5番手、平良は6番手とひとつずつ繰り上がったグリッドからスタート。
 3番手グリッドからスタートした小高は、最前列の2台がトップを争う隙を突いて第1コーナーで並びかけましたが抜くまでには到らず、3位をキープ。その後方、5番手スタートの野中は1周目のヘアピンコーナーで前を行く菅波冬悟(B-MAX RACING TEAM)をかわして4位へと浮上。平良は6番手のまま周回を重ねることとなりました。
 その後は各車の間隔が徐々に開き、順位変動は無いままレースが推移し、小高は3位でフィニッシュ。タイトルを争う太田格之進(TODA RACING)が優勝したことで、2人のポイント差は6ポイントまで詰まることとなりました。
 野中は4位。平良は6位でチェッカーを受け、共にポイント獲得を果たしました。

第17戦決勝

 25日(日)も秋晴れの好天となり、午前9時20分より第17戦の決勝レース(18周)が行われました。
 タイトル争いがかかるレースということで、かなり緊張感を漂わせての出走となった最前列2番手グリッドの小高は上手くスタートを決め、逆にスタートで出遅れたポールポジションの木村伊織(B-MAX RACING TEAM)をかわして1コーナーでトップに浮上しました。
 後方グループの2台が1周目のヘアピンコーナーで接触するアクシデントが発生し、1周目からセーフティカーが導入。車両排除を終えた5周目に再スタートが切られました。
 首位の小高はこの再スタートも決め、2位の木村、3位の太田と3台でファステストラップを塗り替え合いながらの争いを続けました。
 前半は2位の木村に1秒差以内でプレッシャーをかけ続けられた小高でしたが、落ち着いて周回を重ね、トップを守り切ってチェッカー。タイトルを争う太田が3位でフィニッシュしたことで、最終戦の第18戦を待たずに、小高が今季のシリーズチャンピオンを確定しました。これでトヨタの育成ドライバーとしては、全日本F3時代からの通算で8人目のシリーズチャンピオンとなりました。
 6番手スタートの野中は、次の第18戦が2列目4番手の好グリッドということもあり、この第17戦ではタイヤを温存して、ただ一人第16戦で使用したタイヤで出走。このためペースが上がらず、スタートで7番手スタートの平良らにかわされ8位に順位を落とした後、前車のペナルティにより7位でチェッカー。平良は野中をかわして6位でフィニッシュしました。

第18戦決勝

 第17戦の後、併催レースを経て午後2時5分より、今季最終戦となる第18戦の決勝レース(18周)がスタートしました。
 第16戦の結果によりスターティンググリッドが決定され、小高が3番手、野中が4番手、平良が6番手からのスタート。
 スタート直後はグリッド順のまま隊列が連なっていきましたが、1周目のアトウッドコーナーで野中が小高をパスし、3位へと浮上。6番手スタートの平良も1台かわして5位へと順位を上げました。
 その後は各車じりじりと差が広がっていく中、3位の野中は2位の木村との差を1秒ほどで保ったまま周回を続け、逆転のチャンスを伺いました。
 レースを折り返し、10周目には野中は木村との差を0.8秒弱まで詰めましたが、追い上げもそこまで。それでも野中は3位でフィニッシュし、今季9度目の表彰台を獲得しました。
 小高は4位、平良が5位でフィニッシュ。
 今季のスーパーフォーミュラ・ライツでのTGR-DC育成ドライバーは、小高が8勝、表彰台11回でチャンピオン。野中が1勝、表彰台9回でランキング4位、平良は2勝、表彰台6回でランキング5位という結果になりました。
 また、チーム部門、エンジンチューナー部門でもTOM'Sと株式会社トムスがチャンピオンを獲得しました。

TGR-DCドライバー育成ドライバー 小高一斗:

 今朝はチャンピオンがかかったレースということもあって、朝ご飯ものどを通らない状況で体調も良くありませんでした。しかし今季スタートはいつも上手く行っていたので、2番手グリッドスタートの第17戦では自信を持って臨みました。あそこで緊張せずにしっかりスタートを決めて1周目をトップで戻ってこられた、そこが全てだったと思います。昨日から木村選手はレースペースも良く、その後もずっと気の抜けないレースでしたが、こちらもコンスタントに良いペースで走ることができ、勝ってチャンピオンを決められました。かなり長くかかってしまったというか、3年目にしてやっとチャンピオンを獲得することができました。フォーミュラカーに乗ってからチャンピオンを取ったことがなく、初めてのチャンピオンですが、朝のレースで決めることができてすっきりして、最後のレースも楽しむことができました。本当にチームの皆さんに感謝しています。今後も、ステップアップしたものに対してしっかりと結果を残してチャンピオンを取っていくという気持ちで挑戦していきたいです。

2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツチャンピオンを獲得した小高一斗(TOM'S)
2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツチャンピオンを獲得した小高一斗(TOM'S)
第17戦で勝利を挙げ、2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツチャンピオンを獲得した小高一斗(TOM'S #37)
第17戦で勝利を挙げ、2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツチャンピオンを獲得した小高一斗(TOM'S #37)
第18戦で3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S #35)
第18戦で3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S #35)
第18戦で3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S)
第18戦で3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第16戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
12太田格之進TODA RACING2535'04.45911'21.137SPIESS A41
21木村偉織B-MAX RACING TEAM251.03621'21.138SPIESS A41
337小高一斗TOM'S255.91631'21.156TOM'S TAZ31
435野中誠太TOM'S257.55161'21.477TOM'S TAZ31
550菅波冬悟B-MAX RACING TEAM2511.98051'21.401SPIESS A41
638平良 響TOM'S2515.21571'21.739TOM'S TAZ31
736古谷悠河TOM'S2517.41241'21.379TOM'S TAZ31
810元嶋成弥ルーニースポーツ2525.57291'22.145SPIESS A41
998ロベルト・メルヒ・ムンタンB-MAX RACING TEAM2526.20881'22.079SPIESS A41
104今田信宏B-MAX RACING TEAM2552.255101'23.430SPIESS A41
1130DRAGONB-MAX RACING TEAM2553.125111'23.468SPIESS A41

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第17戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
137小高一斗TOM'S1828'28.24921'21.243TOM'S TAZ31
21木村偉織B-MAX RACING TEAM180.96111'21.229SPIESS A41
32太田格之進TODA RACING187.35231'21.305SPIESS A41
450菅波冬悟B-MAX RACING TEAM188.99041'21.517SPIESS A41
536古谷悠河TOM'S1811.76151'21.553TOM'S TAZ31
638平良 響TOM'S1813.41071'21.761TOM'S TAZ31
735野中誠太TOM'S1819.74761'21.615TOM'S TAZ31
810元嶋成弥ルーニースポーツ1820.30081'22.254SPIESS A41
98ロベルト・メルヒ・ムンタンB-MAX RACING TEAM126 Laps91'22.321SPIESS A41
30DRAGONB-MAX RACING TEAM18 Laps101'23.581SPIESS A41
4今田信宏B-MAX RACING TEAM18 Laps111'23.764SPIESS A41

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第18戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッドエンジン
12太田格之進TODA RACING1825'14.4931SPIESS A41
21木村偉織B-MAX RACING TEAM181.0992SPIESS A41
335野中誠太TOM'S182.6594TOM'S TAZ31
437小高一斗TOM'S185.0003TOM'S TAZ31
538平良 響TOM'S1811.4926TOM'S TAZ31
636古谷悠河TOM'S1812.6317TOM'S TAZ31
710元嶋成弥ルーニースポーツ1818.1888SPIESS A41
850菅波冬悟B-MAX RACING TEAM1819.1155SPIESS A41
998ロベルト・メルヒ・ムンタンB-MAX RACING TEAM1819.6139SPIESS A41
1030DRAGONB-MAX RACING TEAM1833.33911SPIESS A41
114今田信宏B-MAX RACING TEAM1834.76810SPIESS A41

ドライバーズポイント
(シーズン終了時:有効ポイント)

順位ドライバー名エンジンポイント
1小高一斗TOM'S TAZ31114
2太田格之進SPIESS A41108
3木村偉織SPIESS A4185
4野中誠太TOM'S TAZ3163
5平良 響TOM'S TAZ3162