2023年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第2大会(第4,5,6戦)SUGOTGR-DC育成ドライバーの平良響が
第4戦、第5戦で2戦連続ポール・トゥ・ウィン

2023.06.18(日)- 23:35配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの第2大会(第4,5,6戦)がスポーツランドSUGOで行われ、TGR-DC育成ドライバーの平良響(TOM'S)が第4戦で初めてのポールポジション獲得からの今季初勝利。第5戦もポール・トゥ・ウィンで2連勝を飾りました。

TGR-DC育成ドライバーの平良響が第4戦、第5戦で2戦連続ポール・トゥ・ウィン

 6月17日(土)と18日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第2大会(第4戦、第5戦、第6戦)が宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。今季のスーパーフォーミュラ・ライツは全イベントが1大会3レース制で、全6大会、18戦で争われています。今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして、 参戦3年目を迎える平良と野中誠太(TOM'S)が参戦し、チャンピオンを目指します。
 1か月前に行われたオートポリス大会では、平良が第1戦、第3戦で2位表彰台を獲得し、ランキングも2位につけています。

予選

 17日(土)午前11時より10分間ずつ、第4戦と第5戦のスターティンググリッドを決定する予選が行われました。予選日のこの日は朝から好天に恵まれましたが、15日(木)と16日(金)にも先だって行われた専有走行は両日共に雨に見舞われたため、ほとんどドライでの走行ができないまま、予選に臨むこととなりました。
 第4戦の予選はセッション開始と共に各車コースインし、徐々にタイムを上げていきました。3周目から1分15秒台に入れる車両が出てくる中、残り3分を切って、平良が1分14秒680をマークしトップ浮上。ライバル勢はこのタイムの届かず、平良は参戦3年目にして初めてのポールポジションを獲得しました。平良とは違うセッティングでぶっつけ本番の予選に挑んだ野中はタイムが伸びず、8番手に終わりました。
 10分間のインターバルを経て行われた第5戦の予選は、各車第4戦予選のタイムを更新する中、平良も5周目にライバルを上回る1分14秒418というタイムを叩き出し、2戦連続のポールポジションを決めました。野中はここでもセッティングに苦しみ、9番手となりました。

第4戦決勝

 予選の後、併催レースの走行を挟んで行われた第4戦の決勝は、直前のスーパーフォーミュラ予選が遅延したことにより、予定よりも20分遅れの午後3時55分に開始されました。この時間になってもまだ気温が30度以上ある暑さの中で、今大会最長の26周でのレースとなりました。
 ポールポジションの平良は好スタートを決めてトップをキープ。中団を争う車両がスタート直後の4コーナーで接触してクラッシュしたことにより、1周目からセーフティカーが導入されました。8番手スタートの野中は、このアクシデントをかわし6位へとポジションを上げました。
 セーフティカーは8周にわたり走行し、9周目に再スタートが切られました。平良はこの再スタートも上手く決め、後続が2位争いを繰り広げている間にその差を広げていきました。終盤には落ち着いてペースをコントロールし、ファステストラップもマーク。長い26周のレースを独走のポール・トゥ・ウィンで制し、今季初勝利を飾りました。
 野中は再スタート後、前を行く車両を懸命に攻めましたが逆転には至らず、6位でポイント獲得を果たしました。

第5戦決勝

 18日(日)は朝から快晴で暑さを感じるほどとなりました。気温は28度、路面温度36度のコンディションで午前9時より第5戦の決勝レース(19周)がスタートしました。ポールポションの平良は好スタートで首位をキープ、1周目には2位に1.3秒の差をつけましたが、その後、コンマ5秒ほどの差で追われながらの首位攻防となりました。
 3位以下を大きく引き離しながらの首位争いを繰り広げ、周回を重ねていきましたが、コースオフにより破損した車両がコース上に落とした部品を排除するために11周目にセーフティカーが導入。14周目、残り6周で再スタートが切られました。
 平良はここでも好スタートを決め、2位との差を保ったまま逃げ切り、2戦連続でのポール・トゥ・ウィンを飾りました。
 野中は他のほとんどの車両とは違う作戦をとり、3レース目に状態の良いタイヤを温存し、第4戦で使用したタイヤでレースに臨みました。エンジン交換でグリッド降格になった車両があったため、8番手グリッドからスタートした野中は、強いオーバーステア症状に悩まされ、苦しいペースでの戦いを強いられることとなりました。順位をキープしていましたが、セーフティカー解除後の再スタート時、ヘアピンで行き場を失い他車と接触、9位へポジションを落とし、そのままフィニッシュしました。

第6戦決勝

 今大会3レース目となる第6戦は午後12時20分から、気温32度、路面温度42度と暑いコンディションの下、19周で決勝レースが行われました。第6戦決勝のスターティンググリッドは、第4戦の決勝結果で決定。第4戦で優勝した平良はポールポジションからここでも好スタートを切り、首位をキープ。6番手グリッドの野中は、他の車両よりも状態の良いタイヤを活かし、スタートでひとつポジションを上げると、2周目の1コーナーでアウトから前車をオーバーテイク。4位へ浮上しました。
 平良が首位を逃げる後方で、野中がファステストタイムを更新しながらの追い上げを見せ、2位争いの集団に加わりました。
 2位争いが激しさを増す中で、首位の平良は2位との差を広げて行き、15周目には2秒以上となりましたが、17周目、突然首位走行中の平良がトランスミッショントラブルに見舞われスローダウンし、最後尾まで後退。
 これで野中は3位へ浮上。さらに上位を狙う野中は、ストレートで前を行くエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)に並びかけ、サイド・バイ・サイドのまま1コーナーに進入して行きましたが、立ち上がりで痛恨のスピン。野中はポジションダウンを余儀なくされ、4位でチェッカーを受けました。

第4戦、第5戦で連続ポール・トゥ・ウィンを果たした平良響(TOM'S #1)
第4戦、第5戦で連続ポール・トゥ・ウィンを果たした平良響(TOM'S #1)
第6戦で4位フィニッシュを果たした野中誠太(TOM'S #35)
第6戦で4位フィニッシュを果たした野中誠太(TOM'S #35)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第4戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
11平良 響TOM'S2638'12.54211'14.680TOM'S TAZ31
252イゴール・オオムラ・フラガB-MAX RACING TEAM263.36721'14.797SPIESS A41
350木村 偉織B-MAX RACING TEAM264.06531'14.840SPIESS A41
42小出 峻TODA RACING265.67541'15.058SPIESS A41
537エンツォ・トゥルーリTOM'S266.50171'15.591TOM'S TAZ31
635野中 誠太TOM'S268.22281'15.632TOM'S TAZ31
710堤 優威Rn-sports2611.74851'15.170SPIESS A41
84今田 信宏B-MAX RACING TEAM2647.436101'17.638SPIESS A41
930DRAGONB-MAX RACING TEAM2648.996121'18.121ThreeBond TOMEI TB14F3
1053畑 享志B-MAX RACING TEAM2651.956111'17.693SPIESS A41
1151デビッド・ビダーレスB-MAX RACING TEAM261'10.89561'15.285SPIESS A41
36古谷 悠河TOM'S091'15.845TOM'S TAZ31

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第5戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
11平良 響TOM'S1926'00.65911'14.418TOM'S TAZ31
250木村 偉織B-MAX RACING TEAM190.76421'14.488SPIESS A41
32小出 峻TODA RACING192.39331'14.769SPIESS A41
437エンツォ・トゥルーリTOM'S197.30161'14.943TOM'S TAZ31
551デビッド・ビダーレスB-MAX RACING TEAM198.12771'15.142SPIESS A41
652イゴール・オオムラ・フラガB-MAX RACING TEAM1910.07641'14.807SPIESS A41
710堤 優威Rn-sports1910.89551'14.876SPIESS A41
836古谷 悠河TOM'S1911.38981'15.381TOM'S TAZ31
935野中 誠太TOM'S1913.77491'15.495TOM'S TAZ31
104今田 信宏B-MAX RACING TEAM1917.882101'16.515SPIESS A41
1130DRAGONB-MAX RACING TEAM1921.913121'17.363ThreeBond TOMEI TB14F3
1153畑 享志B-MAX RACING TEAM910Laps111'16.675SPIESS A41

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第6戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッドエンジン
152イゴール・オオムラ・フラガB-MAX RACING TEAM1924'34.7712SPIESS A41
237エンツォ・トゥルーリTOM'S191.2655TOM'S TAZ31
32小出 峻TODA RACING195.5974SPIESS A41
435野中 誠太TOM'S196.7656TOM'S TAZ31
510堤 優威Rn-sports1910.8787SPIESS A41
651デビッド・ビダーレスB-MAX RACING TEAM1911.98311SPIESS A41
736古谷 悠河TOM'S1912.59312TOM'S TAZ31
850木村 偉織B-MAX RACING TEAM1930.393SPIESS A41
930DRAGONB-MAX RACING TEAM1933.749ThreeBond TOMEI TB14F3
1053畑 享志B-MAX RACING TEAM1951.03510SPIESS A41
114今田 信宏B-MAX RACING TEAM1951.4358SPIESS A41
121平良 響TOM'S1959.8031TOM'S TAZ31

ドライバーズポイント
(第6戦終了時)

順位ドライバー名エンジンポイント
1木村 偉織SPIESS A4148
2平良 響TOM'S TAZ3138
3小出 峻SPIESS A4124
8野中 誠太TOM'S TAZ318