スーパーフォーミュラ・ライツの第3大会(第7,8,9戦)が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの平良響(TOM'S)が第7戦、8戦で2位、第9戦で今季3勝目を挙げ、ドライバーズランキングで首位に浮上しました。同じくTGR-DC育成ドライバーの野中誠太(TOM'S)は第7,8,9戦の3戦連続で3位表彰台を獲得しました。

7月1日(土)と2日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第3大会(第7戦、第8戦、第9戦)が三重県の鈴鹿サーキットで行われました。
今季のスーパーフォーミュラ・ライツは全イベントが1大会3レース制で、全6大会、18戦で争われています。スーパーフォーミュラとの併催が多い同シリーズですが、今季は全6大会中3大会が単独開催として予定されており、今大会は今季初めてスーパーフォーミュラ・ライツ単独で行われました。
今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして、 参戦3年目を迎える平良と野中が参戦し、チャンピオンを目指します。今季ここまでの2大会では、平良が2勝を含む表彰台4回でランキング2位につけています。
予選
1日(土)午後12時45分より10分間ずつ、第7戦と第8戦の予選が行われました。この日は雨が予想されていましたが、セッション開始直前に軽く雨粒が見られた程度で、ドライコンディションでの戦いとなりました。
第7戦の予選では、平良が3周目に1分53秒854といきなり53秒台に入れてトップタイムをマークすると、ライバル勢よりも1周早くピットへ戻る余裕を見せました。ライバル勢は53秒台に入れることはできず、平良が2番手に0.3秒の差をつけて今季3度目のポールポジションを獲得しました。
一方、ここまでの2大会で苦戦が続いている野中は、最終ラップで1分54秒201をマークし、今季最上位グリッドとなる4番手を獲得。復調の兆しを見せました。
10分間のインターバルをおいて行われた第8戦予選では、セッティングを調整して臨んだ野中がタイムを更新し、3周目に1分53秒895で2番手に。4周目も更にタイムを更新したと思われましたが、このラップはトラックリミット違反で抹消となり、タイム更新はならなかったものの今季最上位グリッドとなる2番手を獲得。最前列から決勝レースに臨むこととなりました。
平良はアタック中に僅かにミスがあり、他の車両が第7戦の予選よりもタイムを上げてくる中、タイムを上げることができず3番手グリッドとなりました。
第7戦決勝
予選の後、併催レースを挟んで、予定よりも20分遅れの午後4時40分より、今大会最長となる17周で競われる第7戦決勝が行われました。スターティンググリッドに各車が並んだ時点で小雨が降っており、タイヤの選択が非常に難しい状況。グリッドの後方車両数台がレインタイヤを選択しましたが、平良、野中を含む上位勢はスリックタイヤのままレースをスタートすることとなりました。
スタートでは平良がトップをキープ、4番手グリッドの野中は好ダッシュで3位へと浮上すると、デグナーコーナーでもさらに1台かわし、平良に続く2位へとポジションを上げました。
その後方で、4位争いを繰り広げていた2台が接触し、コースアウト。1周目を終える前にセーフティカーが導入されました。このセーフティカー導入の間に後方の数台がピットインしてレインタイヤへと交換。
4周目に再スタートが切られると、レインタイヤに交換した車両が猛烈なペースで追い上げ、スリックのままの平良、野中もかわして6周目にはレインタイヤ勢が1-2-3体制となりました。
しかし、それほどまでには雨量は多くならず、レースが後半に入るとレインタイヤ勢の数台がペースダウン。平良、野中はこれを攻略し、9周目には2位、3位へとポジションを取り戻しました。
平良、野中共にスリックタイヤのまま濡れた路面での難しい走行を続けながら首位を追いましたが、逆転には至らず。平良が2位、最後まで平らと僅差の2位争いを繰り広げた野中が3位でチェッカーを受けました。ランキングトップの木村 偉織(B-MAX RACING TEAM)が接触でランク外に終わったこともあり、平良は首位との差を2ポイントまで詰めることとなりました。
第8戦決勝
2日(日)は前日とは一転、朝から快晴となり、気温も高い中で午前9時15分より第8戦の決勝(12周)が行われました。
野中が最前列2番手、平良が3番手からスタート。上位勢は大きな順位変動のないスタートとなりましたが、野中はオーバーステア症状に苦しみペースが上がらず、首位からじりじりと引き離されていく中、3位の平良が1秒以内の差で野中を攻める展開となりました。
後半はテール・トゥ・ノーズで野中を攻め続けた平良は、チェッカーを目前としたシケインコーナーで野中をパス。平良は前日の第7戦に続き2位、野中も連続3位という結果となりました。
第9戦決勝
今大会3レース目となる第9戦の決勝(12周)は、前日に行われた第7戦の決勝結果でスターティンググリッドを決定。平良が2番手、野中が3番手からのスタートとなりました。
午後1時55分、気温は30度を超え、路面温度も50度を超える暑さの中で、ドライバーにも、タイヤやクルマにも厳しい戦いのスタートが切られました。
最前列2番手グリッドの平良は得意のスタートダッシュを決めてポールポジションの菅波 冬悟(B-MAX RACING TEAM)をかわして首位に浮上。野中は3番手をキープしました。
トップに立った平良は、1周目から後続との差を広げていき、3周目にはその差は2.6秒に。3位の野中は2位の菅波とコンマ数秒差で逆転のチャンスを伺いながら周回を重ねました。
野中は再三にわたり、シケイン進入で仕掛けようとしますが、逆転には至らず。
首位を行く平良は、2位との差を2秒ほどに保ってペースをコントロールしながら周回を重ねていき、トップチェッカー。今季3勝目を挙げました。平良はこのレースでファステストラップもマークし、貴重な1点を追加。ドライバーズランキングでは2ポイント差で木村を逆転しトップに立ちました。野中は3位でチェッカー。今季は前大会まで表彰台のなかった野中でしたが、今大会は3戦連続で3位表彰台を獲得しました。




全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第7戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 菅波 冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 41'46.862 | 8 | 1'54.563 | SPIESS A41 |
2 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 17 | 5.888 | 1 | 1'53.854 | TOM'S TAZ31 |
3 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 17 | 6.709 | 4 | 1'54.201 | TOM'S TAZ31 |
4 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 17 | 10.315 | 2 | 1'54.152 | SPIESS A41 |
5 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 17 | 11.166 | 7 | 1'54.450 | TOM'S TAZ31 |
6 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 17 | 19.888 | 6 | 1'54.261 | SPIESS A41 |
7 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 17 | 31.502 | 9 | 1'54.570 | TOM'S TAZ31 |
8 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 32.456 | 12 | 1'58.721 | SPIESS A41 |
9 | 10 | 堤 優威 | Rn-sports | 17 | 40.341 | 10 | 1'54.916 | SPIESS A41 |
10 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 17 | 58.995 | 11 | 1'57.834 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
11 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 16 | 1Lap | 5 | 1'54.207 | SPIESS A41 |
52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 6 | 11Laps | 3 | 1'54.184 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第8戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 23'09.365 | 1 | 1'53.773 | SPIESS A41 |
2 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 12 | 7.31 | 3 | 1'53.951 | TOM'S TAZ31 |
3 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 12 | 7.495 | 2 | 1'53.895 | TOM'S TAZ31 |
4 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 12 | 13.81 | 6 | 1'54.496 | TOM'S TAZ31 |
5 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 12 | 14.672 | 5 | 1'54.378 | SPIESS A41 |
6 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 12 | 16.709 | 7 | 1'54.605 | SPIESS A41 |
7 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 12 | 17.075 | 4 | 1'54.016 | TOM'S TAZ31 |
8 | 4 | 菅波 冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 18.531 | 8 | 1'54.636 | SPIESS A41 |
9 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 12 | 19.485 | SPIESS A41 | ||
10 | 10 | 堤 優威 | Rn-sports | 12 | 20.926 | 9 | 1'55.776 | SPIESS A41 |
11 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 47.671 | 10 | 1'58.024 | SPIESS A41 |
12 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 12 | 53.5 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第9戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 12 | 23'28.856 | 2 | TOM'S TAZ31 |
2 | 4 | 菅波 冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 1.245 | 1 | SPIESS A41 |
3 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 12 | 2.237 | 3 | TOM'S TAZ31 |
4 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 12 | 4.291 | 5 | TOM'S TAZ31 |
5 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 5.783 | 11 | SPIESS A41 |
6 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 12 | 6.224 | 4 | SPIESS A41 |
7 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 12 | 7.95 | R | SPIESS A41 |
8 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 12 | 11.405 | 7 | TOM'S TAZ31 |
9 | 10 | 堤 優威 | Rn-sports | 12 | 12.251 | 9 | SPIESS A41 |
10 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 12 | 16.674 | 6 | SPIESS A41 |
11 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 31.68 | 8 | SPIESS A41 |
12 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 12 | 32.282 | 10 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
ドライバーズポイント
(第9戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 64 |
2 | 木村 偉織 | SPIESS A41 | 62 |
3 | 小出 峻 | SPIESS A41 | 30 |
4 | 野中 誠太 | TOM'S TAZ31 | 23 |