2023年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第4大会(第10,11,12戦)富士TGR-DC育成ドライバーの平良響が6戦連続表彰台でランキング首位を死守

2023.07.16(日)- 22:46配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの第4大会(第10,11,12戦)が富士スピードウェイで行われ、TGR-DC支援ドライバーの平良響(TOM'S)が第10戦、第11戦で3位、第12戦で2位と前大会から6戦連続表彰台を獲得。ランキング首位の差を守りました。

TGR-DC育成ドライバーの平良響が6戦連続表彰台でランキング首位を死守

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第4大会(第10戦、第11戦、第12戦)が7月15日(土)と16日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 今季のスーパーフォーミュラ・ライツは全イベントが1大会3レース制で、全6大会、18戦で争われています。スーパーフォーミュラと併催される今大会は、前大会鈴鹿から中1週間というスケジュールで開催され、シリーズは後半戦に入りました。
 今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして、 参戦3年目を迎える平良と野中誠太(TOM'S)が参戦しています。
 シーズン前半の3大会では、平良が9戦中3勝を含む7表彰台とここまで安定した速さを見せ、ドライバーズランキング首位につけています。

予選

 15日(土)午前8時20分より第10戦の予選(10分間)が開始されました。曇り空ながら路面はドライ。気温25度、路面温度27度と朝方としてはやや高めのコンディションで各車アタックに向かいました。
 セッション開始と同時に先頭でコースインした平良は、序盤から上位争いを繰り広げますが、強風の影響などもあったか、終盤にタイムを上げてきたライバル勢には及ばず、予想外の5番手に終わりました。
 前大会3戦連続の表彰台を獲得した野中はセッティングに苦しみ、8番手となりました。
 10分間のインターバルを経て行われた第11戦の予選では、第10戦予選からのセッティング変更が効を奏した平良が今季4度目となるポールポジションを獲得。野中もセッティングを変更して臨みましたがタイムが伸びず10番手となり、今季ワーストグリッドからのスタートとなってしまいました。

第10戦決勝

 予選の後、併催レースやピットウォークを挟んで午後1時5分から、今大会最長の21周で行われる第10戦の決勝レースがスタートしました。
 スタートで4番手グリッドの古谷悠河(TOM'S)がエンジンストールしかけて大きく順位を落とすと、これをかわした5番手グリッドの平良は4位へ、8番手グリッドの野中は7位へとひとつずつ順位を上げました。
 平良は3周目のTGRコーナー(1コーナー)進入で1台をかわして3位へと浮上。更に前を行く車両を追いました。
 平良は10周目にその時点でのファステストラップをマークするなど速さを見せ、1秒以内の差で追撃を続けましたが、逆転はならず、3位でチェッカー。今季8度目の表彰台獲得となりました。
 野中は7位に上がった後、じりじりと前後の差が開き単独走に。そのまま7位でチェッカーを受けました。
 この第10戦では、初のポールポジションからスタートしたエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)が初優勝を飾りました。

第11戦決勝

 16日(日)この日も朝から曇り空で、気温25度、路面温度28度とやや涼しいコンディション。午前8時20分より15周で第11戦の決勝レースが行われました。
 このレースは、現在ランキングトップ2でチャンピオンを争う平良と木村偉織(B-MAX RACING TEAM)が最前列グリッドに並んでのスタート。ポールポジションの平良は、スタート直後こそ木村に攻められるシーンが何度かあったものの、その後は1秒以内の差を保ったまま周回が重ねられていきました。
 しかし、10周目のストレートでスリップストリームから並ばれると、2台はサイド・バイ・サイドのまま半周以上も息を飲むようなバトルを展開。このバトルで平良は木村の先行を許すこととなってしまいました。
 平良は翌周もストレートでスリップストリームを使ってTGRコーナー進入で一旦は前に出たものの立ち上がりで抜き返され、首位奪還はならず。若き2人の激しい首位争いは観客を沸かせました。
 結局、最後まで諦めずに追った平良でしたが逆転はならず、木村に次ぐ2位でチェッカーを受けました。しかし、レース後、平良には走路外走行複数回の違反で競技結果に5秒加算のペナルティ。木村もペナルティを科され、共に順位を落とすこととなりました。平良は3位という結果となったもののファステストラップとポールポジションを獲得。2位フィニッシュの木村とポイント差は変わらず、首位キープとなりました。
 野中は10番手からスタートを切り、1周目に1台をかわし9位。その後、1台リタイアしたことにより8位でチェッカー。レース後に1台が失格、1台がペナルティを受けたことで2つ順位が繰り上がり、6位という結果となりました。

第12戦決勝

 第11戦決勝の後、スーパーフォーミュラの決勝などを挟み、この大会最後のレースとして午後4時35分より第12戦の決勝レース(15周)が行われました。
 第12戦のスターティンググリッドは前日第10戦の決勝結果で決定され、平良は3番手、野中は7番手グリッドからスタート。
 2列目3番手グリッドの平良はスタートダッシュを決め、2位へとポジションアップを果たしましたが、首位のトゥルーリからはじりじりと離され、レース後半には、追い上げてきた木村からの追撃を受ける形となりました。
 平良と木村の差は残り3周で1秒を切るまでになりましたが、平良は猛追を凌ぎ切り、2位でチェッカー。今大会勝利こそ無かったものの前大会から6戦連続での表彰台を獲得し、ドライバーズランキング争いでも、大会前よりも5点差を広げて首位の座を堅守することとなりました。
 野中は7番手スタートから抜きつ抜かれつの激しい順位争いを展開。ファイナルラップまでバトルを続け、9位でチェッカーを受けました。
 この第12戦ではトゥルーリが2勝目を挙げました。

第12戦で2勝目を挙げたエンツォ・トゥルーリ(TOM'S : 右)と2位に入った平良響(TOM'S : 左)
第12戦で2勝目を挙げたエンツォ・トゥルーリ(TOM'S : 右)と2位に入った平良響(TOM'S : 左)
6戦連続表彰台でランキング首位を守った平良響(TOM'S #1)
6戦連続表彰台でランキング首位を守った平良響(TOM'S #1)
第10戦で初勝利、第12戦で2勝目を挙げたエンツォ・トゥルーリ(TOM'S #37)
第10戦で初勝利、第12戦で2勝目を挙げたエンツォ・トゥルーリ(TOM'S #37)
第11戦で6位入賞を果たした野中誠太(TOM'S #35)
第11戦で6位入賞を果たした野中誠太(TOM'S #35)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第10戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
137エンツォ・トゥルーリTOM'S2133'26.07811'34.153TOM'S TAZ31
210堤 優威Rn-sports212.96921'34.166SPIESS A41
31平良 響TOM'S213.70651'34.425TOM'S TAZ31
42小出 峻TODA RACING216.06631'34.281SPIESS A41
553菅波 冬悟B-MAX RACING TEAM218.41361'34.513SPIESS A41
650木村 偉織B-MAX RACING TEAM219.12671'34.534SPIESS A41
735野中 誠太TOM'S2112.06481'34.735TOM'S TAZ31
836古谷 悠河TOM'S2114.75841'34.368TOM'S TAZ31
952イゴール・オオムラ・フラガB-MAX RACING TEAM2115.96691'34.804SPIESS A41
104今田 信宏B-MAX RACING TEAM2143.447101'36.229SPIESS A41
1130DRAGONB-MAX RACING TEAM2147.655111'36.285ThreeBond TOMEI TB14F3
51デビッド・ビダーレスB-MAX RACING TEAM1011Laps121'39.211SPIESS A41

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第11戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
12小出 峻TODA RACING1523'55.10131'34.188SPIESS A41
250木村 偉織B-MAX RACING TEAM151.27621'34.159SPIESS A41
31平良 響TOM'S151.69111'34.103TOM'S TAZ31
452イゴール・オオムラ・フラガB-MAX RACING TEAM156.4591'34.624SPIESS A41
510堤 優威Rn-sports159.09941'34.318SPIESS A41
635野中 誠太TOM'S159.441101'34.716TOM'S TAZ31
753菅波 冬悟B-MAX RACING TEAM1512.03561'34.409SPIESS A41
84今田 信宏B-MAX RACING TEAM1525.486111'35.727SPIESS A41
930DRAGONB-MAX RACING TEAM1525.767121'36.186ThreeBond TOMEI TB14F3
1051デビッド・ビダーレスB-MAX RACING TEAM1533.54181'34.612SPIESS A41
36古谷 悠河TOM'S69Laps71'34.570TOM'S TAZ31
37エンツォ・トゥルーリTOM'S51'34.335TOM'S TAZ31

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第12戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッドエンジン
137エンツォ・トゥルーリTOM'S1523'56.8401TOM'S TAZ31
21平良 響TOM'S152.873TOM'S TAZ31
350木村 偉織B-MAX RACING TEAM153.4856SPIESS A41
410堤 優威Rn-sports156.7222SPIESS A41
553菅波 冬悟B-MAX RACING TEAM1510.0515SPIESS A41
636古谷 悠河TOM'S1511.3958TOM'S TAZ31
72小出 峻TODA RACING1513.3174SPIESS A41
852イゴール・オオムラ・フラガB-MAX RACING TEAM1514.6189SPIESS A41
935野中 誠太TOM'S1515.0997TOM'S TAZ31
1051デビッド・ビダーレスB-MAX RACING TEAM1516.31512SPIESS A41
114今田 信宏B-MAX RACING TEAM1540.62610SPIESS A41
1230DRAGONB-MAX RACING TEAM1545.94711ThreeBond TOMEI TB14F3

ドライバーズポイント
(第12戦終了時)

順位ドライバー名エンジンポイント
1平良 響TOM'S TAZ3183
2木村 偉織SPIESS A4176
3小出 峻SPIESS A4143
4エンツォ・トゥルーリTOM'S TAZ3140
6野中 誠太TOM'S TAZ3124