スーパーフォーミュラ・ライツの今季最終大会となる第6大会(第16,17,18戦)がモビリティリゾートもてぎで行われ、TGR-DC育成ドライバーの平良響(TOM'S)が最終戦までチャンピオンを争い、第18戦で3位表彰台を獲得したものの、最終ランキングは2位に終わりました。

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第6大会(第16戦、第17戦、第18戦)が11月18日(土)と19日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。
今季のスーパーフォーミュラ・ライツは全イベントが1大会3レース制で、全6大会、18戦で争われています。9月に開催された前大会から2か月以上のインターバルをおいての開催となる今大会は、2023年シーズンの最終大会。スーパーフォーミュラとの併催ではなく、単独での開催となりました。
今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして、 3年目を迎える平良と野中誠太(TOM'S)が参戦しています。ここまでの5大会では、平良が15戦中3勝を含む10回の表彰台でドライバーズランキング首位の座を守っており、2位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)とは10ポイント差、3位の小出峻(TODA RACING)とは16ポイント差で最終大会でのタイトル争いに挑むこととなりました。
予選
18日(土)は朝から好天に恵まれました。前日の雨は未明まで降り続いたため、路面には僅かに濡れた部分が残ったもののほぼドライ。気温12度、路面温度16度と寒いコンディションの中、朝9時25分から第16戦の予選が10分間で行われました。
16日(木)こそドライでの専有走行を行ったものの、前日17日(金)は強い雨に見舞われたことで、平良、野中共に洗い流された路面コンディションでのセッティングに苦戦。ライバル勢がセッション終盤にタイムを伸ばしていく中、野中が5番手、平良は7番手でこの予選を終え、厳しいポジションで第16戦のスタートを切ることとなりました。
10分間のインターバルを経て行われた第17戦の予選は、コンマ2秒ほどの中に2番手から6番手まで5台が入る僅差の争いとなりました。平良はセッティングの変更が効を奏し、第16戦の予選よりも0.9秒ほどタイムアップを果たして2列目3番手グリッドを獲得。野中も0.4秒ほどのタイム向上を見せましたが6番手となりました。
第16戦決勝
予選の後、予定よりも5分遅れの午後1時45分より、第16戦の決勝レースが14周で行われました。
4列目7番手からのスタートを切った平良は、1周目に野中を含む2台をかわして5位へ。2周目には小出もかわし4位へと浮上しました。しかし、その後はトップ3からはじりじりと離される展開となり、4位でチェッカー。タイトルを争う木村がこのレースを制し、ファステストラップも獲得したことにより、翌日第17戦のポールポジションポイントを加え、木村と平良は全くの同ポイントで、残りの2レースを争うこととなりました。
野中は5番手スタートから、1周目に接触もあり平良にかわされ6位に落ちるも、その後1台かわし、平良に続く5位でチェッカーを受けました。
第17戦決勝
19日(日)は好天ながら気温11度、路面温度13度と冷え込む中で、午前8時55分より第17戦の決勝が20周で行われました。
2列目3番手グリッドの平良はスタートでやや出遅れ、5位へと後退。3コーナーで1台をかわし、4位で1周目を終えると、3位の車両を1秒強の差で追い続けましたが、逆転はならず、そのまま4位でチェッカーを受けました。しかし、1周目の追い越しで走路外走行の判定が下され、レース結果に対して5秒加算のペナルティを科されたため、5位でフィニッシュとなりました。
野中は6番手スタートから1周目に1台かわして5位へと上がると、その後は平良と2秒以内の差でついて行く形で周回を重ね、平良に続いて5位でチェッカーを受けましたが、平良のペナルティにより4位フィニッシュとなりました。
平良とチャンピオンを争う木村は優勝、そしてファステストラップも獲得したため、平良は9ポイント差の2位で最終戦を迎えることとなりました。
第18戦決勝
第17戦決勝の後も好天が続いて気温は17度まで上がり、午後1時より今季最終レースとなる第18戦の決勝が14周で行われました。
前日の第16戦決勝結果によりグリッドが決定され、平良は4番手、野中は5番手からスタート。
2列目4番手グリッドの平良は2列目同士のサイド・バイ・サイドのバトルを制し3位へと浮上。一方野中はスタートで出遅れ7位へと順位を落としました。
平良は2位を走行する木村を1秒ほどのタイムでピタリとつけたまま最後までチャンスを伺い続けましたが、逆転には至らず、3位でフィニッシュ。最終戦を表彰台で締めくくりました。平良はこれで今季18戦中3勝を含む11回の表彰台で、ドライバーズランキングは2位で終えることとなりました。
野中は最後まで前を行くエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)を追い、入賞を争いましたがこちらも逆転は叶わず、7位でチェッカー。ドライバーズランキングは7位となりました。


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第16戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 24'43.242 | 1 | 1'43.285 | SPIESS A41 |
2 | 53 | 菅波 冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 2.754 | 3 | 1'43.916 | SPIESS A41 |
3 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 14 | 3.536 | 4 | 1'43.917 | SPIESS A41 |
4 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 14 | 6.762 | 7 | 1'44.325 | TOM'S TAZ31 |
5 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 14 | 11.398 | 5 | 1'44.000 | TOM'S TAZ31 |
6 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 14 | 14.473 | 6 | 1'44.266 | TOM'S TAZ31 |
7 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 14 | 14.735 | 2 | 1'43.805 | SPIESS A41 |
8 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 14 | 16.642 | 8 | 1'44.471 | TOM'S TAZ31 |
9 | 10 | 小川 颯太 | Rn-sports | 14 | 26.71 | 9 | 1'45.110 | SPIESS A41 |
10 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 35.161 | 10 | 1'46.017 | SPIESS A41 |
11 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 14 | 44.533 | 11 | 1'46.476 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | DNS | DNS | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第17戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 20 | 35'08.325 | 1 | 1'43.277 | SPIESS A41 |
2 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 20 | 6.572 | 2 | 1'43.457 | SPIESS A41 |
3 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 20 | 7.284 | 5 | 1'43.617 | SPIESS A41 |
4 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 20 | 13.103 | 6 | 1'43.650 | TOM'S TAZ31 |
5 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 20 | 16.311 | 3 | 1'43.472 | TOM'S TAZ31 |
6 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 20 | 17.009 | 8 | 1'44.386 | TOM'S TAZ31 |
7 | 10 | 小川 颯太 | Rn-sports | 20 | 31.321 | 9 | 1'44.705 | SPIESS A41 |
8 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 20 | 32.157 | 7 | 1'43.833 | TOM'S TAZ31 |
9 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 20 | 51.361 | 10 | 1'45.356 | SPIESS A41 |
10 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 20 | 1'03.020 | 11 | 1'46.300 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
11 | 53 | 菅波 冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 1Lap | 4 | 1'43.568 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第18戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 53 | 菅波 冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 24'49.067 | 2 | SPIESS A41 |
2 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 2.365 | 1 | SPIESS A41 |
3 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 14 | 5.939 | 4 | TOM'S TAZ31 |
4 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 14 | 9.164 | 3 | SPIESS A41 |
5 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 14 | 10.226 | 6 | TOM'S TAZ31 |
6 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 14 | 14.359 | 8 | TOM'S TAZ31 |
7 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 14 | 15.214 | 5 | TOM'S TAZ31 |
8 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 14 | 16.628 | 7 | SPIESS A41 |
9 | 10 | 小川 颯太 | Rn-sports | 14 | 24.05 | 9 | SPIESS A41 |
10 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 38.51 | 10 | SPIESS A41 |
11 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 14 | 40.605 | 11 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
ドライバーズポイント
(シーズン最終結果)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 木村 偉織 | SPIESS A41 | 113 |
2 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 102 |
3 | 小出 峻 | SPIESS A41 | 81 |
7 | 野中 誠太 | TOM'S TAZ31 | 36 |