2024年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1大会(第1,2,3戦)もてぎTGR-DCドライバーの小林が第2戦で今季3勝目
野中はトラブルで逆転タイトルならず

2024.12.01(日)- 18:35配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの今季最終大会(第1、2、3戦)がモビリティリゾートもてぎで行われ、TGR-DC育成ドライバーの小林利徠斗(TOM'S)が第2戦で優勝。今季3勝目を挙げました。小林は第1戦と第3戦でも2位表彰台を獲得し、初挑戦の今季をシリーズランキング2位で終えることとなりました。同じくTGR-DC育成ドライバーの中村仁(TOM'S)は第2戦で3位表彰台を獲得。逆転チャンピオンを目指して今大会に臨んだ野中誠太(TOM'S)は、予選でトラブルに見舞われ、タイトル獲得はなりませんでした。

TGR-DCドライバーの小林が第2戦で今季3勝目、野中はトラブルで逆転タイトルならず

 11月30日(土)と12月1日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第1大会(第1戦、第2戦、第3戦)が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われました。
 今季の同シリーズには、野中、小林、中村の3名がTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとしてフル参戦しています。
 全6大会、18レースで争われている2024年シーズン、4月に開催が予定されていた第1大会が延期となり、今季の最終大会として行われました。
 今季、TGR-DC育成ドライバー勢は、野中が5月のオートポリス大会の第4戦と第6戦、6月のSUGO大会の第9戦、前大会鈴鹿の第16戦、第18戦で勝利を挙げ、通算5勝で首位と9ポイント差まで詰めよって逆転タイトルを目指して今大会に臨みます。
 また、中村と小林は共にデビューイヤーながら、中村が第8戦で初勝利。小林も第11戦で初勝利、第17戦で2勝目を挙げるなど1年目から速さを見せており、小林がランキング3位、中村が4位で、逆転タイトルの可能性を残して今大会に挑むこととなりました。

予選

 11月から12月にかけての開催となったこともあり、30日(土)朝9時55分から行われた予選時は好天ながら気温一桁台の寒さに。第1戦の予選、第2戦の予選がそれぞれ10分間ずつで行われました。
 第1戦の予選が開始されると、コースに出ていった野中が電気系のトラブルに見舞われ1周で戻って来ましたが、そのままピットロードを通過して再アタックへ向かいました。
 このセッションでは小林がトップタイムを争いましたが、惜しくも0.076秒及ばず2番手タイム。中村は7番手。野中はトラブルの影響で満足にアタック出来ず、11番手に終わりました。
 10分間のインターバルを経て行われた第2戦の予選でも、野中の車両の調子は戻らず。こちらも11番手と不本意な結果で予選を終えることとなってしまいました。
 小林はこの第2戦も最前列2番手グリッド、中村は2列目4番手グリッドを獲得しました。

第1戦決勝

 予選の後、3時間ほどのインターバルを経て、好天の下、肌寒いコンディションの中、午後1時25分より20周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
 予選でトラブルに見舞われた野中は、このインターバルの間もメカニックが懸命な修復作業を続けましたが、決勝スタートまでには作業は終わらず、野中はスターティンググリッドにつくことなく、レースがスタートしてからもピット内で作業を続けることとなりました。
 レースでは、上位勢は順当なスタートを切り、小林は2番手をキープ。7番手スタートの中村は5位へと2つポジションを上げました。
 2位の小林は、首位の小出峻(B-MAX RACING TEAM)から離されることなく、逆転のチャンスを伺いながら周回を重ねていきました。中村は、一時は前車との差がやや広がったものの、終盤は3台による表彰台争いを繰り広げました。
 しかし、最後まで順位の変動は無く、小林は2位、中村は5位でチェッカーを受けました。
 野中は他の車両が15周目を走っているときに修復を終えてコースインしましたが、1周でピットに戻り、リタイアとなりました。
 このレースで、ランキング首位の小出が優勝し、野中がノーポイントに終わったことで、今季のドライバーズチャンピオンは小出に決定。野中の逆転タイトルの夢はここで潰えることとなりました。

第2戦決勝

 12月1日(日)午前9時20分より、好天ながら気温は9度ほどと寒い中で、14周で争われる第2戦の決勝レースがスタートしました。
 スタートでは、最前列2番手の小林が好ダッシュでポールポジションの小出に並びかけると、サイド・バイ・サイドのままバトルを続け、S字コーナーで見事にパス。1周目で首位に浮上しました。その後方では、2列目4番手スタートの中村が3位へとポジションアップ。
 前日トラブルに見舞われた野中の車両は修復され、無事にグリッドに並び、11番手からスタートを決めて9位へと順位を上げました。
 首位に立った小林はじりじりと後続を引き離し、5周目には1.4秒ほど差を広げました。小林は中盤以降2位からの追撃を受け、差を詰められましたが、逃げ切ってトップチェッカー。今季3勝目を挙げました。
 中村は2位の小出を攻めましたが逆転には至らず、3位でチェッカー。今季8度目の表彰台獲得となりました。野中は8位でフィニッシュしました。

第3戦決勝

 今季の最終戦となる第3戦は、気温も18度まで上昇し、過ごしやすい気候となる中で、午後1時25分より14周で行われました。第3戦のスターティンググリッドは第1戦の決勝結果で決定。小林が最前列2番手、中村が5番手、野中は最後尾13番手からスタートすることとなりました。
 2番手グリッドの小林はポジションをキープ。中村はスタート直後の複数台による激しい攻防戦の末に5位を守りました。最後尾スタートの野中は好スタートを決めて8位までジャンプアップ。そして1周目の90度コーナー進入で一気に2台をパスし、6位で1周目を終えました。
 4周目を終えるところで1台がストレート脇でストップし、セーフティカーが導入。9周目に残り5周で再スタートが切られました。
 2位の小林は首位からやや離されたもののポジションをキープ。5位、6位の中村と野中は前車のすぐ後につけて4位争いを展開。しかし、最後まで順位変動は無く、小林が2位、中村が5位、野中が6位でフィニッシュ。最終戦は3台揃ってのポイント獲得となりました。
 今季の同シリーズでのTGR-DC育成ドライバーは、デビューイヤーの小林が3勝を含む11回の表彰台でランキング2位。野中は5勝を含む7回の表彰台でランキング3位。中村も1勝を含む8回の表彰台でランキング4位となり、この3人が所属するTOM'Sは今季のチームチャンピオンを獲得しました。

第2戦で今季3勝目を挙げた小林利徠斗(TOM'S #38)
第2戦で今季3勝目を挙げた小林利徠斗(TOM'S #38)
第2戦で3位表彰台を獲得した中村仁(TOM'S #35)
第2戦で3位表彰台を獲得した中村仁(TOM'S #35)
トラブルに見舞われ第3戦6位に終わった野中誠太(TOM'S #36)
トラブルに見舞われ第3戦6位に終わった野中誠太(TOM'S #36)
TOM'Sがチームチャンピオンを獲得
TOM'Sがチームチャンピオンを獲得

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 20 35'11.029 1 1'42.779
2 38 小林 利徠斗 TOM'S 20 1.146 2 1'42.855
3 13 荒川 麟 TEAM DRAGON 20 10.548 3 1'43.346
4 2 荒尾 創大 TODA RACING 20 10.988 4 1'43.452
5 35 中村 仁 TOM'S 20 11.661 7 1'43.841
6 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 20 19.036 6 1'43.590
7 37 古谷 悠河 TOM'S 20 20.515 9 1'44.257
8 60 伊東 黎明 LM corsa 20 26.852 8 1'44.229
9 4 菅波 冬悟 JMS RACING TEAM 20 27.535 5 1'43.561
10 5 入山 翔 ALBIREX RACING TEAM 20 35.815 10 1'44.608
11 30 DRAGON TEAM DRAGON 20 1'18.005 13 1'46.481
12 8 清水 康弘 GNSY RACING 20 1'18.432 12 1'46.167
36 野中 誠太 TOM'S 0 11 1'44.848

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第2戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 38 小林 利徠斗 TOM'S 14 24'35.437 2 1'43.245
2 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 14 1.553 1 1'42.613
3 35 中村 仁 TOM'S 14 2.85 4 1'43.273
4 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 14 9.543 5 1'43.454
5 2 荒尾 創大 TODA RACING 14 10.114 7 1'43.480
6 13 荒川 麟 TEAM DRAGON 14 13.247 3 1'43.263
7 37 古谷 悠河 TOM'S 14 14.163 8 1'43.795
8 36 野中 誠太 TOM'S 14 14.986 11 1'44.551
9 4 菅波 冬悟 JMS RACING TEAM 14 17.868 6 1'43.464
10 60 伊東 黎明 LM corsa 14 21.58 10 1'44.510
11 5 入山 翔 ALBIREX RACING TEAM 14 26.038 9 1'44.354
12 30 DRAGON TEAM DRAGON 14 53.503 - -
13 8 清水 康弘 GNSY RACING 14 53.921 12 1'45.513

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第3戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 14 29'15.302 1
2 38 小林 利徠斗 TOM'S 14 2.02 2
3 37 古谷 悠河 TOM'S 14 3.114 7
4 13 荒川 麟 TEAM DRAGON 14 6.53 3
5 35 中村 仁 TOM'S 14 7.164 5
6 36 野中 誠太 TOM'S 14 7.783 13
7 2 荒尾 創大 TODA RACING 14 8.35 4
8 4 菅波 冬悟 JMS RACING TEAM 14 10.411 9
9 60 伊東 黎明 LM corsa 14 13.28 8
10 5 入山 翔 ALBIREX RACING TEAM 14 15.007 10
11 30 DRAGON TEAM DRAGON 14 28.981 11
12 8 清水 康弘 GNSY RACING 14 29.213 12
1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 3 11Laps 6

ドライバーズポイント
(シーズン終了時)

順位ドライバー名ポイント
1 小出 峻 114
2 ⼩林 利徠⽃ 86
3 野中 誠太 77
4 中村 仁 71