スーパーフォーミュラ・ライツの第5大会(第13、14、15戦)が岡山国際サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの小林利徠斗(TOM'S)が第13戦、第15戦で3位表彰台を獲得。同じくTGR-DC育成ドライバーの野中誠太(TOM'S)は第13戦、第15戦で4位、中村仁(TOM'S)は第14戦で4位に入りました。
9月14日(土)と15日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第5大会(第13戦、第14戦、第15戦)が岡山県の岡山国際サーキットで行われました。
トップドライバーを目指す若手の登竜門である今季の同シリーズには、参戦4年目となる野中と、昨年のFIA-F4チャンピオンである小林、同ランキング2位の中村の3名がTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとしてフル参戦し、チャンピオンを目指します。
今季の同シリーズは全6大会、18レースで争われていますが、4月に開催する予定だった開幕戦が12月に延期になったことで、今大会が実質的な第4大会となり、後半戦へと入ります。前大会富士から約2ヶ月のインターバルを経ての開催となりました。
TGR-DC育成ドライバー勢は、野中が5月のオートポリス大会の第4戦と第6戦、6月のSUGO大会の第9戦を制し、今季ここまで3勝を挙げています。
中村は第5戦で2位表彰台、第8戦でキャリア初優勝。小林は同シリーズ初めてのレースとなった第4戦でいきなりポールポジションを獲得し、前大会富士の第11戦で初優勝を飾りました。
前半の3大会を終えた時点で、ランキングでは野中がトップと6ポイント差の2位、中村も12ポイント差の3位、小林が18ポイント差の5位に着けており、TGR-DC育成ドライバー3人の更なる活躍に期待がかかりました。
予選
14日(土)午前10時10分より、空は薄曇りがかかっているもののまだまだ暑さを感じる中で第13戦と第14戦の予選がそれぞれ10分間で行われました。
第13戦は最後のアタックでタイムを伸ばした小林が3番手、野中が4番手。中村は最後タイムを伸ばせず、野中にかわされる形で5番手となりました。
第14戦は残り8分を切って各車コースイン。ここでも小林がTGR-DC勢最上位の3番手グリッド。野中は5番手、中村は7番手となりました。
第13戦決勝
予選の後、4時間のインターバルを経て午後2時半より第13戦の決勝レースが行われました。この週末最長の25周で争われる第13戦は、気温は33度まで上昇。路面温度も場所によっては50度を超える酷暑の中でのレースとなりました。
スタートでは3番手の小林、4番手野中、5番手中村を含む上位勢の順位は変わらず。今大会の舞台となる岡山国際サーキットは、FIA-F4が行われていないため、小林や中村にとってはフォーミュラでは初走行のコースですが、共に好走を見せました。
小林は野中をじりじりと離していき、野中は中村からプレッシャーをかけられる展開。
11周目、コースアウトし停まった車両が出たため、セーフティカーが導入。各車のマージンが無くなり、16周目に再スタートが切られると、TGR-DCの3台が3位を争うバトルとなりましたが、順位の変動は無いままチェッカー。小林が3位で今季5度目の表彰台獲得となりました。野中は4位、中村は5位で共にポイントを獲得しました。
第14戦決勝
15日(日)は前日までの好天からうってかわって朝から雨模様。午前9時からの第14戦決勝スタート時には雨はやんでいたものの、路面はまだ若干湿っている状況。それでも全車スリックタイヤを装着し、気温27度、路面温度31度のコンディションで18周もしくは30分で争われる第14戦の決勝がスタートしました。
3番手グリッドの小林はポジションをキープ。その後方では5番手グリッドの野中と7番手グリッドの中村がひとつずつ順位を上げました。
スタート直後に後方集団で接触があり、いきなりセーフティカーが導入。5周目に再スタートが切られると、アトウッドコーナーで4位の野中が3位の小林をパスしようとインをついたところで2台が接触。共にコースアウトしグラベルで停まってしまいました。
このアクシデントで再びセーフティカー導入。小林と野中は早々にレースを終えることとなりました。
9周目に再スタートが切られると、小林と野中のリタイアにより4位へポジションを上げていた中村は、後続勢からの追撃を受けるもポジションをキープ。
レースは2度のセーフティカー導入により30分のタイムレースとなり、17周でチェッカー。中村が4位フィニッシュとなりました。
第15戦決勝
第14戦のあと、午後1時55分より第15戦の決勝レースが18周で行われました。気温は31度まで上昇するも、やや雲も多く、路面温度は40度程度と、今大会の3レースは全て異なるコンディションでのレースとなりました。
スターティンググリッドは前日行われた第13戦の決勝結果で決定され、小林が3番手、野中4番手、中村が5番手からスタート。レースは順当にスタートしてグリッド順のまま変動はありませんでしたが、1周目のヘアピンで野中に並びしばらくバトルを続けた中村は、その後ホッブスコーナーで後続に抜かれて、6位へとポジションを落としました。
3位の小林は前を行くケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)に迫りますが追い越すまでには到らず。スタート直後の後続からの追撃を凌いだものの小林から2秒ほど離された4位の野中は、4周目を過ぎたあたりからペースが良くなり、じりじりと小林との差を詰めていきました。中盤からは2位から5位が連なる展開となりますが、追い抜きの難しい岡山ではその後の順変動は無く、小林が3位、野中が4位、中村は6位でチェッカー。小林は今大会2回の3位表彰台を獲得しました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 小出 峻 | B-MAX RACING TEAM | 25 | 37'35.403 | 1 | 1'21.671 |
2 | 1 | ケイレン・フレデリック | B-MAX RACING TEAM | 25 | 5.034 | 2 | 1'22.351 |
3 | 38 | 小林 利徠斗 | TOM'S | 25 | 5.792 | 3 | 1'22.435 |
4 | 36 | 野中 誠太 | TOM'S | 25 | 8.669 | 4 | 1'22.746 |
5 | 35 | 中村 仁 | TOM'S | 25 | 9.539 | 5 | 1'22.757 |
6 | 2 | 荒尾 創大 | TODA RACING | 25 | 10.657 | 6 | 1'22.833 |
7 | 37 | 古谷 悠河 | TOM'S | 25 | 12.353 | 8 | 1'22.860 |
8 | 60 | 伊東 黎明 | LM corsa | 25 | 14.354 | 9 | 1'23.254 |
9 | 30 | DRAGON | TEAM DRAGON | 25 | 42.645 | 10 | 1'24.975 |
10 | 13 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON | 25 | 49.346 | 13 | 1'25.716 |
11 | 8 | 清水 康弘 | GNSY RACING | 25 | 52.484 | 11 | 1'25.169 |
4 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM | 20 | 5 Laps | 12 | 1'25.705 | |
51 | 荒川 麟 | B-MAX RACING TEAM | 10 | 15 Laps | 7 | 1'22.847 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第14戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ケイレン・フレデリック | B-MAX RACING TEAM | 17 | 30'05.835 | 2 | 1'22.383 |
2 | 50 | 小出 峻 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 1.19 | 1 | 1'22.122 |
3 | 37 | 古谷 悠河 | TOM'S | 17 | 5.044 | 4 | 1'22.711 |
4 | 35 | 中村 仁 | TOM'S | 17 | 7.282 | 7 | 1'22.904 |
5 | 2 | 荒尾 創大 | TODA RACING | 17 | 8.303 | 8 | 1'23.113 |
6 | 60 | 伊東 黎明 | LM corsa | 17 | 10.838 | 9 | 1'24.273 |
7 | 51 | 荒川 麟 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 12.401 | 6 | 1'22.769 |
8 | 30 | DRAGON | TEAM DRAGON | 17 | 46.797 | 11 | 1'24.925 |
9 | 13 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON | 17 | 1'07.410 | 12 | 1'25.095 |
38 | 小林 利徠斗 | TOM'S | 4 | 13 Laps | 3 | 1'22.518 | |
36 | 野中 誠太 | TOM'S | 4 | 13 Laps | 5 | 1'22.736 | |
4 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM | 0 | 17 Laps | 13 | 1'25.230 | |
8 | 清水 康弘 | GNSY RACING | 0 | 17 Laps | 10 | 1'24.905 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第15戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 小出 峻 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 25'39.671 | 1 |
2 | 1 | ケイレン・フレデリック | B-MAX RACING TEAM | 18 | 5.27 | 2 |
3 | 38 | 小林 利徠斗 | TOM'S | 18 | 5.963 | 3 |
4 | 36 | 野中 誠太 | TOM'S | 18 | 7.362 | 4 |
5 | 2 | 荒尾 創大 | TODA RACING | 18 | 7.988 | 6 |
6 | 35 | 中村 仁 | TOM'S | 18 | 10.636 | 5 |
7 | 60 | 伊東 黎明 | LM corsa | 18 | 11.743 | 8 |
8 | 51 | 荒川 麟 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 15.308 | r2 |
9 | 37 | 古谷 悠河 | TOM'S | 18 | 28.684 | 7 |
10 | 30 | DRAGON | TEAM DRAGON | 18 | 51.351 | 9 |
11 | 13 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON | 18 | 54.496 | 10 |
12 | 8 | 清水 康弘 | GNSY RACING | 18 | 54.826 | 11 |
ドライバーズポイント
(全18戦中12戦終了時)
順位 | ドライバー名 | ポイント |
---|---|---|
1 | 小出 峻 | 81 |
2 | 野中 誠太 | 52 |
3 | 中村 仁 | 46 |
4 | ⼩林 利徠⽃ | 44 |