スーパーフォーミュラ・ライツの第6大会(第16、17、18戦)が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの野中誠太(TOM'S)が第16戦と第18戦でポール・トゥ・ウィン。ドライバーズタイトル争いでの首位との差を9点差まで詰めることとなりました。同じくTGR-DC育成ドライバーの小林利徠斗(TOM'S)は第16戦で3位、第17戦では今季2勝目。中村仁(TOM'S)は2度の表彰台を獲得。TGR-DC育成ドライバーの3人は今大会3レース全てで4位以内の好成績を残しました。
11月9日(土)と10日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第6大会(第16戦、第17戦、第18戦)が三重県の鈴鹿サーキットで行われました。
今季の同シリーズには、野中、小林、中村の3名がTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとしてフル参戦し、チャンピオンを目指します。
今季は全6大会、18レースで争われていますが、開幕戦が12月に延期になったことで、今大会は実質的な第5大会となり、残るは2大会6レース。
TGR-DC育成ドライバー勢は、野中が5月のオートポリス大会の第4戦と第6戦、6月のSUGO大会の第9戦を制し、今季3勝を挙げ、ランキング2位につけているものの、富士と岡山大会で苦戦し、首位を29ポイント差で追っています。また、中村と小林は共にデビューイヤーながら、中村が第8戦、小林が第11戦で初勝利を飾り、僅差のランキング3位、4位。やや首位とは差が開いているものの、まだ残り6戦、最大で64ポイント獲得可能なため、逆転でのタイトル獲得を目指し今大会に臨みました。
予選
9日(土)午前8時15分から好天の下で第16戦の予選(10分間)が行われました。各車3,4周にわたってタイヤを暖めてアタック。野中が最初にマークした1分51秒305を他の車両は上回ることができず、野中にとって同シリーズ初となるポールポジションを獲得。3番手から5番手の3台は0.029秒差の争いとなり、中村が3番手、小林は5番手グリッドとなりました。
続いて行われた第17戦の予選では、中村だけややタイミングをずらしてコースイン。第16戦とはセッティングを変えて臨み、他の車両よりも1周早めにアタックに入った中村は、1分51秒009という好タイムをマーク。中村が第10戦富士以来今季2度目となるポールポジションを獲得しました。
野中も第16戦でのタイムを上回りましたが3番手タイム。小林が4番手で2列目に並んでスタートすることとなりました。
第16戦決勝
予選の後、4時間弱のインターバルを経て、午後12時35分より、17周で争われる第16戦の決勝レースが行われました。
ポールポジションの野中は抜群のスタート。2列目3番手グリッドの中村がやや遅れ、その後方5番手グリッドの小林は好スタートを切って中村もかわし3位へとジャンプアップ。
首位の野中は後続との差を広げていき、4周目には2位との差は3秒以上に。3位の小林と4位の中村は激しい表彰台争いを展開。中村は何度も小林に仕掛けますが、小林も巧みな防戦でクリーンなバトルが続けられました。
レースが後半になってくると、各車タイヤが厳しくなり、摩耗をマネージメントしながらの戦いに。首位を行く野中もペースが落ち、2位の車両からの猛追を受けて終盤にはその差を1秒以内まで詰められますが、逃げ切ってトップでチェッカー。ポール・トゥ・ウィンで今季4勝目を飾りました。小林は3位で今季7度目の表彰台。中村は4位でフィニッシュしました。
第17戦決勝
10日(日)は曇り空の下、気温も10度ほどと肌寒い中で午前8時20分より12周で争われる第17戦の決勝レースが開始されました。
ポールポジションの中村はスタートでやや出遅れ、2列目3番手グリッドから好ダッシュを決めた野中が首位に浮上。4番手グリッドの小林も中村をかわし2位へ。序盤からTGR-DC育成ドライバーがトップ3を占めることとなりました。
首位の野中が逃げる後方で、小林と中村は前日に続きこのレースでも激しいバトルを展開。
首位の野中は6周目には2位の小林との差を3秒まで広げていましたが、スタート時、レッドランプ点灯中に僅かに動いてしまったとしてジャンプスタートの裁定が出され、レース結果に10秒加算のペナルティを受けることとなってしまいました。
これにより、野中の後方での小林と中村のバトルが事実上の首位争いに。中盤まで激しい接近戦を繰り広げてきた2台でしたが、後半戦になると、中村はこのレースに新品タイヤを投入し追い上げてきた古谷悠河(TOM'S)からの追撃を受けることとなりました。
野中は少しでも上位でフィニッシュすべくプッシュを続け、最後はライバルの小出との差を10秒以上に広げてチェッカー。
レースは小林が今季2勝目。中村は猛追を凌ぎきって2位フィニッシュとなりました。野中は10秒を加えながらも4位となり、小出とのポイント差を僅かながら詰めることに。また、小林と中村もチャンピオン争いに生き残ることとなりました。
第18戦決勝
第17戦を終えて3時間半ほどのインターバルの後、変わらぬ曇り空の下で午後12時25分より12周で争われる第18戦の決勝レースが行われました。
前日の第16戦決勝結果でスターティンググリッドが決定され、野中がポールポジション。小林が3番手、中村が4番手のスタート。全車順当にスタートはしましたが、中村が小林をかわし3位へ。小林は新品タイヤでダッシュを決めたケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)にもかわされ5位に後退。
首位の野中には荒尾創大(TODA RACING)が迫り、1秒以内の差を保ったまま周回が重ねられていきました。
3位の中村も、タイヤで優位なフレデリックの追撃を受けますが、巧みな走りでポジションをキープ。大きく差が広がることのないまま、順位変動なくレースは進んでいきました。
終盤は首位の野中と2位荒尾の差もやや開き、最後は3秒差で野中がトップチェッカー。今季5勝目を上げ、チャンピオン争いでは大会前の29点差から9点差まで詰め、来月の最終大会での逆転タイトルへ挑むこととなりました。
中村は3位で今大会2度目の表彰台。小林は、フレデリックがスタート違反でタイム加算ペナルティを受けたことで4位フィニッシュ。中村と小林は同ポイントで並ぶこととなり、数字の上では逆転可能な首位と23ポイント差で最終大会を迎えることとなりました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第16戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | 野中 誠太 | TOM'S | 17 | 32'23.702 | 1 | 1'51.305 |
2 | 2 | 荒尾 創大 | TODA RACING | 17 | 0.411 | 2 | 1'51.367 |
3 | 38 | 小林 利徠斗 | TOM'S | 17 | 11.987 | 5 | 1'51.642 |
4 | 35 | 中村 仁 | TOM'S | 17 | 17.011 | 3 | 1'51.613 |
5 | 1 | ケイレン・フレデリック | B-MAX RACING TEAM | 17 | 24.585 | 6 | 1'52.112 |
6 | 50 | 小出 峻 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 25.867 | 4 | 1'51.641 |
7 | 37 | 古谷 悠河 | TOM'S | 17 | 28.145 | 12 | 1'58.552 |
8 | 5 | 入山 翔 | ALBIREX RACING TEAM | 17 | 50.351 | 7 | 1'53.840 |
9 | 8 | 清水 康弘 | GNSY RACING | 17 | 1'08.214 | 8 | 1'54.011 |
10 | 30 | DRAGON | TEAM DRAGON | 17 | 1'19.457 | 9 | 1'55.824 |
11 | 4 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM | 17 | 1'21.749 | 11 | 1'56.722 |
12 | 13 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON | 17 | 1'24.662 | 10 | 1'56.202 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第17戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | 小林 利徠斗 | TOM'S | 12 | 22'55.517 | 4 | 1'51.094 |
2 | 35 | 中村 仁 | TOM'S | 12 | 1.385 | 1 | 1'51.009 |
3 | 37 | 古谷 悠河 | TOM'S | 12 | 1.528 | 6 | 1'51.164 |
4 | 36 | 野中 誠太 | TOM'S | 12 | 4.621 | 3 | 1'51.054 |
5 | 2 | 荒尾 創大 | TODA RACING | 12 | 5.204 | 5 | 1'51.129 |
6 | 50 | 小出 峻 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 6.129 | 2 | 1'51.029 |
7 | 1 | ケイレン・フレデリック | B-MAX RACING TEAM | 12 | 11.838 | 7 | 1'51.554 |
8 | 4 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM | 12 | 53.047 | 11 | 1'55.271 |
9 | 30 | DRAGON | TEAM DRAGON | 12 | 53.204 | 12 | 1'55.552 |
10 | 13 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON | 12 | 54.462 | 10 | 1'55.070 |
11 | 8 | 清水 康弘 | GNSY RACING | 12 | 1'00.468 | 9 | 1'53.663 |
5 | 入山 翔 | ALBIREX RACING TEAM | 9 | 3Laps | 8 | 1'52.955 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第18戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | 野中 誠太 | TOM'S | 12 | 22'49.810 | 1 |
2 | 2 | 荒尾 創大 | TODA RACING | 12 | 3.051 | 2 |
3 | 35 | 中村 仁 | TOM'S | 12 | 7.266 | 4 |
4 | 38 | 小林 利徠斗 | TOM'S | 12 | 8.802 | 3 |
5 | 50 | 小出 峻 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 10.445 | 6 |
6 | 37 | 古谷 悠河 | TOM'S | 12 | 12.24 | 7 |
7 | 1 | ケイレン・フレデリック | B-MAX RACING TEAM | 12 | 13.306 | 5 |
8 | 5 | 入山 翔 | ALBIREX RACING TEAM | 12 | 42.921 | 8 |
9 | 4 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM | 12 | 55.879 | 11 |
10 | 8 | 清水 康弘 | GNSY RACING | 12 | 56.663 | 9 |
11 | 30 | DRAGON | TEAM DRAGON | 12 | 57.182 | 10 |
12 | 13 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON | 12 | 57.516 | 12 |
ドライバーズポイント
(全18戦中15戦終了時)
順位 | ドライバー名 | ポイント |
---|---|---|
1 | 小出 峻 | 85 |
2 | 野中 誠太 | 76 |
3 | ⼩林 利徠⽃ | 62 |
4 | 中村 仁 | 62 |