2024年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第6大会(第16,17,18戦)鈴鹿TGR-DCドライバーの野中が第16戦、第18戦で優勝
小林が第17戦で今季2勝目。中村も2回の表彰台

2024.11.10(日)- 22:20配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの第6大会(第16、17、18戦)が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの野中誠太(TOM'S)が第16戦と第18戦でポール・トゥ・ウィン。ドライバーズタイトル争いでの首位との差を9点差まで詰めることとなりました。同じくTGR-DC育成ドライバーの小林利徠斗(TOM'S)は第16戦で3位、第17戦では今季2勝目。中村仁(TOM'S)は2度の表彰台を獲得。TGR-DC育成ドライバーの3人は今大会3レース全てで4位以内の好成績を残しました。

TGR-DCドライバーの野中が第16戦、第18戦で優勝 小林が第17戦で今季2勝目。中村も2回の表彰台

 11月9日(土)と10日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第6大会(第16戦、第17戦、第18戦)が三重県の鈴鹿サーキットで行われました。
 今季の同シリーズには、野中、小林、中村の3名がTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとしてフル参戦し、チャンピオンを目指します。
 今季は全6大会、18レースで争われていますが、開幕戦が12月に延期になったことで、今大会は実質的な第5大会となり、残るは2大会6レース。
 TGR-DC育成ドライバー勢は、野中が5月のオートポリス大会の第4戦と第6戦、6月のSUGO大会の第9戦を制し、今季3勝を挙げ、ランキング2位につけているものの、富士と岡山大会で苦戦し、首位を29ポイント差で追っています。また、中村と小林は共にデビューイヤーながら、中村が第8戦、小林が第11戦で初勝利を飾り、僅差のランキング3位、4位。やや首位とは差が開いているものの、まだ残り6戦、最大で64ポイント獲得可能なため、逆転でのタイトル獲得を目指し今大会に臨みました。

予選

 9日(土)午前8時15分から好天の下で第16戦の予選(10分間)が行われました。各車3,4周にわたってタイヤを暖めてアタック。野中が最初にマークした1分51秒305を他の車両は上回ることができず、野中にとって同シリーズ初となるポールポジションを獲得。3番手から5番手の3台は0.029秒差の争いとなり、中村が3番手、小林は5番手グリッドとなりました。
 続いて行われた第17戦の予選では、中村だけややタイミングをずらしてコースイン。第16戦とはセッティングを変えて臨み、他の車両よりも1周早めにアタックに入った中村は、1分51秒009という好タイムをマーク。中村が第10戦富士以来今季2度目となるポールポジションを獲得しました。
 野中も第16戦でのタイムを上回りましたが3番手タイム。小林が4番手で2列目に並んでスタートすることとなりました。

第16戦決勝

 予選の後、4時間弱のインターバルを経て、午後12時35分より、17周で争われる第16戦の決勝レースが行われました。
 ポールポジションの野中は抜群のスタート。2列目3番手グリッドの中村がやや遅れ、その後方5番手グリッドの小林は好スタートを切って中村もかわし3位へとジャンプアップ。
 首位の野中は後続との差を広げていき、4周目には2位との差は3秒以上に。3位の小林と4位の中村は激しい表彰台争いを展開。中村は何度も小林に仕掛けますが、小林も巧みな防戦でクリーンなバトルが続けられました。
 レースが後半になってくると、各車タイヤが厳しくなり、摩耗をマネージメントしながらの戦いに。首位を行く野中もペースが落ち、2位の車両からの猛追を受けて終盤にはその差を1秒以内まで詰められますが、逃げ切ってトップでチェッカー。ポール・トゥ・ウィンで今季4勝目を飾りました。小林は3位で今季7度目の表彰台。中村は4位でフィニッシュしました。

第17戦決勝

 10日(日)は曇り空の下、気温も10度ほどと肌寒い中で午前8時20分より12周で争われる第17戦の決勝レースが開始されました。
 ポールポジションの中村はスタートでやや出遅れ、2列目3番手グリッドから好ダッシュを決めた野中が首位に浮上。4番手グリッドの小林も中村をかわし2位へ。序盤からTGR-DC育成ドライバーがトップ3を占めることとなりました。
 首位の野中が逃げる後方で、小林と中村は前日に続きこのレースでも激しいバトルを展開。
 首位の野中は6周目には2位の小林との差を3秒まで広げていましたが、スタート時、レッドランプ点灯中に僅かに動いてしまったとしてジャンプスタートの裁定が出され、レース結果に10秒加算のペナルティを受けることとなってしまいました。
 これにより、野中の後方での小林と中村のバトルが事実上の首位争いに。中盤まで激しい接近戦を繰り広げてきた2台でしたが、後半戦になると、中村はこのレースに新品タイヤを投入し追い上げてきた古谷悠河(TOM'S)からの追撃を受けることとなりました。
 野中は少しでも上位でフィニッシュすべくプッシュを続け、最後はライバルの小出との差を10秒以上に広げてチェッカー。
 レースは小林が今季2勝目。中村は猛追を凌ぎきって2位フィニッシュとなりました。野中は10秒を加えながらも4位となり、小出とのポイント差を僅かながら詰めることに。また、小林と中村もチャンピオン争いに生き残ることとなりました。

第18戦決勝

 第17戦を終えて3時間半ほどのインターバルの後、変わらぬ曇り空の下で午後12時25分より12周で争われる第18戦の決勝レースが行われました。
 前日の第16戦決勝結果でスターティンググリッドが決定され、野中がポールポジション。小林が3番手、中村が4番手のスタート。全車順当にスタートはしましたが、中村が小林をかわし3位へ。小林は新品タイヤでダッシュを決めたケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)にもかわされ5位に後退。
 首位の野中には荒尾創大(TODA RACING)が迫り、1秒以内の差を保ったまま周回が重ねられていきました。
 3位の中村も、タイヤで優位なフレデリックの追撃を受けますが、巧みな走りでポジションをキープ。大きく差が広がることのないまま、順位変動なくレースは進んでいきました。
 終盤は首位の野中と2位荒尾の差もやや開き、最後は3秒差で野中がトップチェッカー。今季5勝目を上げ、チャンピオン争いでは大会前の29点差から9点差まで詰め、来月の最終大会での逆転タイトルへ挑むこととなりました。
 中村は3位で今大会2度目の表彰台。小林は、フレデリックがスタート違反でタイム加算ペナルティを受けたことで4位フィニッシュ。中村と小林は同ポイントで並ぶこととなり、数字の上では逆転可能な首位と23ポイント差で最終大会を迎えることとなりました。

第17戦で今季2勝目を挙げた小林利徠斗(TOM'S:中央)と2位に入った中村仁(TOM'S:左)
第17戦で今季2勝目を挙げた小林利徠斗(TOM'S:中央)と2位に入った中村仁(TOM'S:左)
第16戦、第18戦で勝利を挙げた野中誠太(TOM'S #36)
第16戦、第18戦で勝利を挙げた野中誠太(TOM'S #36)
第17戦で2位、第18戦で3位と連続表彰台を獲得した中村仁(TOM'S #35)
第17戦で2位、第18戦で3位と連続表彰台を獲得した中村仁(TOM'S #35)
第17戦で今季2勝目を挙げた小林利徠斗(TOM'S #38)
第17戦で今季2勝目を挙げた小林利徠斗(TOM'S #38)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第16戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 36 野中 誠太 TOM'S 17 32'23.702 1 1'51.305
2 2 荒尾 創大 TODA RACING 17 0.411 2 1'51.367
3 38 小林 利徠斗 TOM'S 17 11.987 5 1'51.642
4 35 中村 仁 TOM'S 17 17.011 3 1'51.613
5 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 17 24.585 6 1'52.112
6 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 17 25.867 4 1'51.641
7 37 古谷 悠河 TOM'S 17 28.145 12 1'58.552
8 5 入山 翔 ALBIREX RACING TEAM 17 50.351 7 1'53.840
9 8 清水 康弘 GNSY RACING 17 1'08.214 8 1'54.011
10 30 DRAGON TEAM DRAGON 17 1'19.457 9 1'55.824
11 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 17 1'21.749 11 1'56.722
12 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 17 1'24.662 10 1'56.202

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第17戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 38 小林 利徠斗 TOM'S 12 22'55.517 4 1'51.094
2 35 中村 仁 TOM'S 12 1.385 1 1'51.009
3 37 古谷 悠河 TOM'S 12 1.528 6 1'51.164
4 36 野中 誠太 TOM'S 12 4.621 3 1'51.054
5 2 荒尾 創大 TODA RACING 12 5.204 5 1'51.129
6 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 12 6.129 2 1'51.029
7 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 12 11.838 7 1'51.554
8 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 12 53.047 11 1'55.271
9 30 DRAGON TEAM DRAGON 12 53.204 12 1'55.552
10 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 12 54.462 10 1'55.070
11 8 清水 康弘 GNSY RACING 12 1'00.468 9 1'53.663
5 入山 翔 ALBIREX RACING TEAM 9 3Laps 8 1'52.955

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第18戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 36 野中 誠太 TOM'S 12 22'49.810 1
2 2 荒尾 創大 TODA RACING 12 3.051 2
3 35 中村 仁 TOM'S 12 7.266 4
4 38 小林 利徠斗 TOM'S 12 8.802 3
5 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 12 10.445 6
6 37 古谷 悠河 TOM'S 12 12.24 7
7 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 12 13.306 5
8 5 入山 翔 ALBIREX RACING TEAM 12 42.921 8
9 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 12 55.879 11
10 8 清水 康弘 GNSY RACING 12 56.663 9
11 30 DRAGON TEAM DRAGON 12 57.182 10
12 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 12 57.516 12

ドライバーズポイント
(全18戦中15戦終了時)

順位ドライバー名ポイント
1 小出 峻 85
2 野中 誠太 76
3 ⼩林 利徠⽃ 62
4 中村 仁 62