FIA-F2の第6戦がカタルニア・サーキットで行われ、TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)から同シリーズ2年目に参戦中の宮田莉朋は、スプリントレース(レース1)では不運なセーフティカーに泣くも、フィーチャーレース(レース2)では着実なレースペースで、14番手スタートから9位でフィニッシュしました。これにより、今季2度目のポイントを獲得しました。

5月30日(金)から6月1日(日)にかけて、スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで2025年FIA-F2の第6戦が開催されました。F1直下のカテゴリーとして世界中を転戦するFIA-F2には、TGR-DCドライバーの宮田莉朋が今季も参戦しています。昨年同シリーズで1年間戦った宮田は、今季からARTグランプリへ移籍し、2年目のシーズンに挑んでいます。
序盤のオーストラリア、中東での3戦を終えた後、欧州へと舞台を移した同シリーズは3週連続で戦い、今大会はその3連戦を締めくくるレースとなります。その舞台となるカタルニア・サーキットは、宮田にとってシーズン前のテストなどで走行した経験があり、昨年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズで優勝、FIA-F2でも昨年スプリントレースで7位入賞を果たしています。
【予選】
30日(金)快晴の下、気温31度、路面温度50度という暑さの中で、午後3時55分より30分間の予選が行われました。午前中のフリー走行で3番手の好タイムを記録した宮田は、予選では序盤待機し、9分ほど経過したところでコースイン。最初のアタックでセクター1のベストタイムをマークする速さを見せ、この1回目のアタックを終えた時点で3番手につけました。
一旦ピットへ戻り、残り8分を切って全車ラストアタックへ。宮田は再度セクター1でのベストタイムを更新しましたが、その後タイムが伸びず、最初のアタックタイムに0.02秒及ばずタイムを更新することはできませんでした。終盤に向上した路面コンディションでタイムを更新していくライバルたちに上回られ、中団グループは0.2秒の中に10台がひしめくほどの僅差となり、宮田は14番手で予選を終えました。
【スプリントレース】
31日(土)午後2時15分、気温29度、路面温度49度と変わらぬ暑さの中、26周で争われるスプリントレースが行われました。今大会ではソフトタイヤとハードタイヤが使用可能で、タイヤ交換義務のないこのスプリントレースは全車ハードタイヤでスタートしました。
降格車両により13番手グリッドとなった宮田は好スタートを切り、一気に9位までジャンプアップ。さらにもう2台をパスし、7位で1周目を終えると、続く2周目の1コーナー進入でも1台をかわし2周目にして6位へと、7つポジションアップを果たしました。このコースはタイヤ摩耗が厳しいため、その後は各車がタイヤを温存しながらの走行となり、ほとんどの車両が1秒以内の差で連なり、順位に変動なく周回を重ねていきました。
13周目、1台のペースが落ちた車両をかわし、宮田は5位へ上がりました。各車の間隔も開いていきましたが、18周目に接触によりコース上に停まった車両が出たことでセーフティカーが導入。このタイミングで、順位が中団以降の車両がピットインし、新品のソフトタイヤへと交換する作戦に出ました。
21周目に再スタートが切られると、タイヤを交換した車両が圧倒的なタイム差で追い上げ、タイヤ交換を行わなかった宮田ら上位グループだった車両は順位を落としていくこととなり、最終的に13位でレースを終えました。
【フィーチャーレース】
6月1日(日)も好天に恵まれましたが、フィーチャーレースは午前中の開催で、暑かった前日までとは異なり気温25度、路面温度30度と過ごしやすいコンディションの中、タイヤ交換義務有り、37周で争われるフィーチャーレースが午前10時にスタートしました。
14番手グリッドの宮田は、この日も好スタートで2つ順位を上げ、さらにスタート直後の混乱をくぐり抜けて11位で1周目を終えました。さらに2周目から4周目にかけて、1台ずつかわしていき、8位にポジションアップしました。
このレースでは、スタート時のタイヤ戦略が大きく分かれましたが、宮田はソフトタイヤを選択。宮田より前を走る予選上位のソフトタイヤ選択車両が6周目からタイヤ交換のためのピットインを開始する中、宮田は最後までピットインを引っ張り、16周目に首位でピットイン。ハードタイヤへ交換して16位でコースに復帰しました。
タイヤ交換後も宮田は着実なペースで走行を続け、ハードタイヤスタート組がピットインしていくことでポジションをアップ。しかし、22周目に前車をアウトからかわそうとした際に接触されコースオフ。その後すぐにコースへ復帰したものの、2つポジションを落としてしまいました。
その後、ハードタイヤでスタートした車両勢がソフトタイヤに交換し猛追してきましたが、宮田はペースを落とさずバトルを続けてポジションを上げていきました。34周目に9位に上がった宮田は、さらに上位を目指し、前を行くチームメイトにサイド・バイ・サイドまで迫りましたが、35周目にコース上にストップした車両が出てセーフティカーが導入されたことで追い上げもここまで。そのままセーフティカー先導でチェッカーとなり、宮田は9位でフィニッシュ。今季2度目のポイントを獲得しました。
宮田莉朋:
週末を通して運がなく、予選から作戦面でも少しミスが響いてしまいトップ10にも入れませんでした。スプリントレースではスタートから大きく順位を上げられましたが、同様に作戦面のミスもあり、ポイント圏内で終わることはできませんでした。フィーチャーレースでは良いペースで走れていたのですが、残念ながら、最後のセーフティカーで順位を上げられず、ポイント圏内で終わることはできましたが、良い位置で終われなかったのが残念です。次のレッドブルリンクまで少し時間が空くので、しっかり切り替えて、チームと共に良いレースウィークになるように頑張ります。たくさんの応援ありがとうございました。
FIA-F2第6戦 予選結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | ベストタイム |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 1:25.180 |
2 | 9 | Sebastián Montoya | PREMA Racing | 1:25.425 |
3 | 12 | Kush Maini | DAMS Lucas Oil | 1:25.510 |
4 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 1:25.519 |
5 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 1:25.612 |
6 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 1:25.658 |
7 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 1:25.728 |
8 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 1:25.742 |
9 | 20 | Joshua Dürksen | AIX Racing | 1:25.750 |
10 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 1:25.755 |
14 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 1:25.816 |
FIA-F2第6戦 スプリントレース結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 26 | 42:00.288 | 5 |
2 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 26 | 0.380 | 19 |
3 | 25 | Rafael Villagómez | Van Amersfoort Racing | 26 | 8.334 | 22 |
4 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 26 | 11.473 | 4 |
5 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 26 | 12.504 | 14 |
6 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 26 | 13.365 | 3 |
7 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 26 | 14.071 | 1 |
8 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 26 | 14.325 | 9 |
9 | 22 | Sami Meguetounif | TRIDENT | 26 | 16.494 | 18 |
10 | 16 | Amaury Cordeel | Rodin Motorsport | 26 | 16.610 | 16 |
13 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 26 | 20.245 | 13 |
FIA-F2第6戦 フィーチャーレース結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 37 | 58:49.191 | 1 |
2 | 9 | Sebastián Montoya | PREMA Racing | 37 | 0.301 | 2 |
3 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 37 | 0.602 | 5 |
4 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 37 | 0.927 | 6 |
5 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 37 | 1.155 | 8 |
6 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 37 | 1.573 | 11 |
7 | 12 | Kush Maini | DAMS Lucas Oil | 37 | 2.344 | 3 |
8 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 37 | 2.605 | 15 |
9 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 37 | 2.884 | 14 |
10 | 10 | Gabriele Minì | PREMA Racing | 37 | 2.988 | 18 |
FIA-F2第6戦終了時ランキング
順位 | No. | ドライバー | チーム | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 87 |
2 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 84 |
3 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 79 |
4 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 73 |
5 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 73 |
6 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 66 |
7 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 49 |
8 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 41 |
9 | 9 | Sebastián Montoya | PREMA Racing | 36 |
10 | 8 | Dino Beganovic | Hitech TGR | 29 |
17 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 5 |



