7月25日(金)から27日(日)にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでFIA-F2第9戦が開催されました。TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)から参戦中の宮田莉朋は、予選で自己最高位となる最前列2番グリッドを獲得。リバースグリッドのスプリントレース(レース1)では8位入賞を果たし、ポイントを獲得。最前列からスタートしたフィーチャーレース(レース2)では、自己最高位の2位フィニッシュを達成し、自身初の表彰台を獲得しました。

F1直下のカテゴリーであるFIA-F2に参戦している宮田莉朋は、今季よりARTグランプリへ移籍し、2年目のシーズンに挑んでいます。
第7戦、第8戦と2週連戦のあと、3週間のインターバルを経て今大会が開催されました。舞台となったスパ・フランコルシャン・サーキットは、1周7kmとシリーズ中最も長く、多くのドライバーに愛される伝統のコースです。宮田は昨年、フィーチャーレースで7位フィニッシュを果たし、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズでも戦った経験のあるコースです。
【予選】
25日(金)午後3時、予定よりも5分遅れて予選が行われました。午前中のフリー走行で6番手と好調さを見せた宮田は、最初のアタックで9番手に。ピットイン後、タイヤを交換して行なったラストアタックでは素晴らしい走りを見せ、自己最高位の2番グリッドを獲得しました。
【スプリントレース】
26日(土)、曇り空の下、気温21度、路面温度38度のコンディションで、午後1時45分より18周で争われるスプリントレースが開始されました。予選トップ10がリバースグリッドとなるため、9番手グリッドからスタートした宮田は好スタートを決め、ひとつポジションをアップ。しかし、1コーナーとオー・ルージュでのクラッシュにより、1周目からセーフティカーが導入されました。
4周目に再スタートが切られると、宮田は序盤のペースが上がらず、ライバルの先行を許して10位に後退。しかし、離されることはなく、後半の逆転のチャンスを待ちました。
12周目、接触によりグラベル上に止まった車両が出たため、この日2度目のセーフティカーが導入され、宮田を含む中団勢が一斉にソフトタイヤへと交換すべくピットイン。宮田はこのピットインで順位を上げ、9位でコースに復帰しました。
14周目の再スタート後、タイヤを交換したドライバーたちが前を行く未交換の車両に対して激しいバトルを展開。宮田も1台かわして8位に上がりましたが、17周目にケメルストレート上で1台がストップし、3度目のセーフティカーが導入。結局、レースはセーフティカー先導のままチェッカーを迎え、宮田は8位でフィニッシュ。今季4度目の入賞を果たしました。
【フィーチャーレース】
27日(日)は天候が一転し、雨模様となりました。直前に予定されていたFIA-F3のレースは悪天候のため不成立に。しかし、FIA-F2フィーチャーレースのスタートを迎える頃には雨は止み、午前10時、気温16度、路面温度20度で、ケメルストレートなどでは激しく水煙が立つ状況ながら、セーフティカーの先導による3周のフォーメーションラップを経て、ローリングスタートでレースがスタートしました。2番手の宮田は、1コーナー進入で後続に抜かれるも、ケメルストレートエンドで抜き返し、再び2位に復帰しました。
スタート直後は首位の車両にやや離されたものの、タイヤが温まった3周目以降に差を詰めていき、7周目にはテール・トゥ・ノーズの接近戦に。8周目以降、中団勢がピットインし、摩耗したタイヤを交換。宮田は12周目を終えたところでピットへ向かい、タイヤを交換して6位でコースに復帰。その後残りの車両もピットインしたことで、13周目には3位に上がりました。
13周目の最終シケインでは、ピット戦略で先行されたライバルを見事にかわし、宮田は2位へと復帰しました。しかし、16周目のハイスピードコーナー、プーオン(ターン11)でスピンを喫し、4位に後退。
諦めずに表彰台を目指し追い上げを開始した宮田でしたが、18周目にスピン車両が発生し、セーフティカーが導入されました。雨が強まる中、前車とのマージンも帳消しとなったことで、宮田は再スタートでの逆転を目指しましたが、セーフティカー先導中に1台がエンジンブローを起こし、レースは赤旗中断。この時点での順位でレースが終了し、宮田は暫定で4位フィニッシュしましたが、レース後に1位と2位の車両がペナルティを受けて降格。最終的に宮田は2位フィニッシュとなり、FIA-F2参戦2年目で初の表彰台を獲得しました。
宮田莉朋:
予選から良い走りができ、レースペースも改善できた結果、なんとか表彰台に上がることができました。ペナルティの繰り上がりで2位と、自分のミスもありましたが、それ以前に、今回はトラブルも起きずセッションに臨むことができました。まだトップスピードに悩まされている部分はありますが コーナー中のパフォーマンスは悪くなかったと思います。また、ドライとウェットの両方で良いスピードを保てたかなと感じています。今週末にはハンガロリンクがあるので、しっかり気持ちを切り替えて臨みたいと思います。今回得た手応えを自信につなげて、次戦も頑張ります。応援ありがとうございました。
FIA-F2第9戦 予選結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | ベストタイム |
---|---|---|---|---|
1 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 1:57.151 |
2 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 1:57.570 |
3 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 1:57.576 |
4 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 1:57.588 |
5 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 1:57.674 |
6 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 1:57.699 |
7 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 1:57.712 |
8 | 10 | Gabriele Minì | PREMA Racing | 1:57.785 |
9 | 16 | Amaury Cordeel | Rodin Motorsport | 1:57.867 |
10 | 5 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 1:57.893 |
FIA-F2第9戦 スプリントレース結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 18 | 41:49.222 | 3 |
2 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 18 | 0.601 | 6 |
3 | 10 | Gabriele Minì | PREMA Racing | 18 | 1.271 | 8 |
4 | 5 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 18 | 2.408 | 1 |
5 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 18 | 2.804 | 4 |
6 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 18 | 4.405 | 7 |
7 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 18 | 4.883 | 10 |
8 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 18 | 5.647 | 9 |
9 | 24 | John Bennett | Van Amersfoort Racing | 18 | 6.734 | 15 |
10 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 18 | 7.663 | 14 |
FIA-F2第9戦 フィーチャーレース結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 19 | 46:15.274 | 3 |
2 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 19 | 1.79 | 2 |
3 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 19 | 2.413 | 12 |
4 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 19 | 3.058 | 6 |
5 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 19 | 3.651 | 7 |
6 | 10 | Gabriele Minì | PREMA Racing | 19 | 4.352 | 8 |
7 | 8 | Dino Beganovic | Hitech TGR | 19 | 5.198 | 13 |
8 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 19 | 7.717 | 4 |
9 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 19 | 8.547 | 1 |
10 | 16 | Amaury Cordeel | Rodin Motorsport | 19 | 8.717 | 9 |
FIA-F2第9戦終了時ランキング
順位 | No. | ドライバー | チーム | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 125 |
2 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 122 |
3 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 116 |
4 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 114 |
5 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 113 |
6 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 85 |
7 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 84 |
8 | 9 | Sebastián Montoya | PREMA Racing | 72 |
9 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 64 |
10 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 57 |
14 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 25 |

