8月1日(金)から3日(日)にかけて、ハンガリー・ブダペスト郊外に位置するハンガロリンクでFIA-F2第10戦が開催されました。TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)の宮田莉朋は、練習走行でトラブルに見舞われるなど苦戦し、予選17番手からレース1は15位、レース2では2番目に速いラップタイムを記録したものの18位に終わりました。

F1直下のカテゴリーであるFIA-F2に参戦している宮田莉朋は、今季よりARTグランプリへ移籍し、2年目のシーズンに挑んでいます。前戦スパ・フランコルシャンでは、予選で自己最高の最前列2番手グリッドを獲得し、レース2(フィーチャーレース)で自己最高位となる2位表彰台を獲得しました。
全14戦で争われる今季の同シリーズは、このブダペスト大会後に約1か月の夏休み期間に入ります。宮田は昨年のブダペスト大会のレース2で後方から追い上げて入賞を果たしており、インターバル前の最後のレースに期待を込めて挑みました。
【予選】
8月1日(金)午前11時5分から30分間の予選が行われました。好天に恵まれ、気温27度、路面温度44度のコンディション。予選前のフリー走行で宮田は序盤に車両トラブルに見舞われ、十分に走行できず、ぶっつけ本番で予選に臨むこととなりました。
1回目のアタックで18番手につけた宮田は、一旦ピットに戻りタイヤを交換して、終盤の再アタックで自己のベストタイムを更新しましたが、終盤に他のドライバーがタイムを上げたため、17番手グリッドとなりました。
【スプリントレース】
8月2日(土)晴天の下、気温28度、路面温度48度のコンディションで、午後2時15分から28周のタイヤ交換なしのスプリントレースが行われました。17番手スタートの宮田は、スタート直後からポジション争いを展開しましたが、前方を走る中団グループでの接触により1台がスピン。宮田は不運にもこれを避けるためにコースオフを余儀なくされ、21位まで順位を落としました。
2周目には、一旦は最後尾の22位まで落ちましたが、そこから追い上げを開始。3周目に1台を抜き、6周目、8周目、10周目と着実に順位を上げました。
宮田は17位、18位あたりでバトルを繰り広げていましたが、22周目にストップした車両によりセーフティカーが出され、残り3周でレースが再開されるとファイナルラップで追い上げを見せ、このレースは15位でチェッカーを受けました。
【フィーチャーレース】
8月3日(日)は一転、前夜から続いた雨が朝方まで残り、直前に行われたFIA-F3では雨は止んでいたものの全車ウェットタイヤのままレースを終えました。予定より2分遅れの午前10時2分より開始されたFIA-F2の走行が開始される時きには、走行ライン上は乾き始めており、ラインを外すと湿っているという難しいコンディション。気温も18度、路面温度22度と低い中、全車スリックタイヤを装着し、タイヤ交換義務がある37周で争われるフィーチャーレースは、通常の静止状態からのスタンディングスタートではなく、フォーメーションラップからそのまま始まる、ローリングスタートで開始されました。
路面温度が低いため、多くの車両がソフト側のオプションタイヤを選択する中、17番手スタートの宮田はミディアムのプライムタイヤでスタート。序盤は他のプライムタイヤ勢もコースオフするなど苦戦し、宮田も2つポジションダウン。タイヤが暖まった5周目に前車をパスしようと1コーナーでインに飛び込みましたが、濡れた路面に足を取られスピンし、最後尾の22位に後退しました。
6周目、エンジンブロー車両の影響でバーチャルセーフティカー(VSC)が導入され、前車とのマージンはなくなりましたが、宮田は変わらず最後尾の20位を走行。12~13周目を過ぎたあたりから、オプションタイヤ装着車がタイヤ交換のためにピットインを始め、その後、レースが折り返しを過ぎると、宮田と同じプライムタイヤでスタートした車両もピットインを開始しました。一方、宮田は好ラップペースで周回を重ねて、最後までピットインを遅らせる作戦を取りました。
35周を終えたところで宮田もピットインし、18位でコースに復帰した宮田は、交換したソフトタイヤが暖まったファイナルラップには、このレース中2番目に速いラップタイムを記録しましたが、残り周回数が少なくポジションアップには至らず、18位でチェッカーを受けました。
宮田莉朋:
フリー走行のエンジントラブルで全ての流れが崩れ、かなり残念なレースウィークになってしまいました。今シーズンももう10大会が終わりましたが、半分以上でエンジントラブルに見舞われており、正直フルパフォーマンスで走れたのは先週末のスパくらいなのではと感じるくらい、不完全燃焼なシーズンとなっています。もちろん、僕のミスもレース中にありましたが、予選でもっと前で終われれば、もっといいレースになったと思いますし、そのためにもフリー走行で走れれば、もっといいレースウィークになったと思うので、このハンガロリンクはやるせない気持ちで終わってしまいました。
これから夏休みに入って、次はモンツァラウンドです。このトラブルは自分たちで解決できることなのかどうかさえ分からない状況ですが、今一度見直して、チームへ、信頼を取り戻せるようにしたいと思っています。今回もたくさんの応援ありがとうございました。また頑張ります。
FIA-F2第10戦 予選結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | ベストタイム |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 1:28.779 |
2 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 1:28.925 |
3 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 1:28.952 |
4 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 1:29.029 |
5 | 20 | Joshua Dürksen | AIX Racing | 1:29.092 |
6 | 5 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 1:29.137 |
7 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 1:29.153 |
8 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 1:29.213 |
9 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 1:29.246 |
10 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 1:29.301 |
17 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 1:29.695 |
FIA-F2第10戦 スプリントレース結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 28 | 46:29.807 | 1 |
2 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 28 | 0.225 | 2 |
3 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 28 | 1.964 | 8 |
4 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 28 | 4.503 | 4 |
5 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 28 | 5.116 | 9 |
6 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 28 | 5.271 | 11 |
7 | 5 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 28 | 5.565 | 5 |
8 | 8 | Dino Beganovic | Hitech TGR | 28 | 5.969 | 14 |
9 | 12 | Kush Maini | DAMS Lucas Oil | 28 | 7.039 | 20 |
10 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 28 | 8.193 | 3 |
15 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 28 | 11.465 | 17 |
FIA-F2第10戦 フィーチャーレース結果
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 37 | 1:00:14 | 2 |
2 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 37 | 2.152 | 1 |
3 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 37 | 4.716 | 3 |
4 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 37 | 6.052 | 4 |
5 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 37 | 11.505 | 11 |
6 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 37 | 22.099 | 8 |
7 | 8 | Dino Beganovic | Hitech TGR | 37 | 22.572 | 14 |
8 | 5 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 37 | 23.08 | 6 |
9 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 37 | 23.627 | 9 |
10 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 37 | 24.279 | 10 |
18 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 37 | 42.525 | 17 |
FIA-F2第10戦終了時ランキング
順位 | No. | ドライバー | チーム | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | Leonardo Fornaroli | Invicta Racing | 154 |
2 | 11 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 137 |
3 | 6 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 135 |
4 | 7 | Luke Browning | Hitech TGR | 125 |
5 | 17 | Alexander Dunne | Rodin Motorsport | 124 |
6 | 3 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 97 |
7 | 4 | Arvid Lindblad | Campos Racing | 92 |
8 | 2 | Roman Stanek | Invicta Racing | 77 |
9 | 9 | Sebastián Montoya | PREMA Racing | 72 |
10 | 14 | Victor Martins | ART Grand Prix | 69 |
14 | 15 | Ritomo Miyata | ART Grand Prix | 25 |

