今年から海外での活動を開始した中村にとって、第2戦の舞台となった全長7,004mのスパ・フランコルシャンは今回が初走行。FRECAとしても開幕前のテストが行なわれていないため、通常のレーススケジュールが始まる前日5月15日（木）をテスト日に設定し、3回のテスト走行を行いました。1回目のテストセッションで中村は総合ベストタイムをマークし、順調なスタートを切ると、その後2回目のセッションは6番手、3回目のセッションは16番手で終了しました。

　5月16日（金）からは通常のレーススケジュールに入り、この日は午前と午後に50分のコレクティブテストが2回行われました。午前9時49分からのテストでは新品タイヤのパフォーマンスランを行い3番手のタイムを記録。午後14時29分からのテスト走行では、レースシミュレーションを行い、11番手のタイムを出しました。

　FRECAは土曜日と日曜日それぞれに予選と決勝が行われます。予選はドライバーの選手権ランキング順に、奇数順位が「グループA」、偶数順位が「グループB」に分けられます。5月17日（土）の予選では、現在選手権13位の中村はグループAに出走しました。午前10時20分から始まったこのセッションで、中村は最初のアタックでトップタイムを記録。しかし、その後コース上でスピンしガードレールにぶつかったクルマが出たため、セッションは赤旗中断となり、20分以上ガードレールの修復が続きましたが、予選はそのままキャンセルとなり、中村のトップタイムは無効になりました。
　その後、主催者がレース1のスターティンググリッドは金曜午前中に行われた1回目のコレクティブテストのタイム順にすることを決定。中村は3番グリッドからスタートすることになりました。

　レース1は当初のスケジュールより遅れて午後2時15分にスタート。しかし中村はグリッド上でストールしてしまいポジションを大きく落とし、さらに1コーナーの立ち上がりでも他車とのバトルでコース外に避けることになり最後尾まで下がることになりました。そこから14周の間に挽回を図るも、最終的に16位でレースを終えました。

　5月18日（日）、午前9時30分からの予選は、霧雨が降る難しいコンディション。土曜日とグループの出走順を入れ替え、中村のいるグループAは後半に出走しました。中村はここでもまずトップタイムを出しましたが、その後3台のクルマがコースオフを喫し、赤旗でピットに一度戻ることになりました。13分間の中断を挟んでセッションが再開されると、中村は最後のアタックラップの1コーナーでタイヤをロックさせてしまうも、自己ベストのタイムを更新し、グループ3番手となりました。このグループAのトップタイムが予選総合の最速タイムとなったため、中村はレース2の5番グリッドを手に入れました。

　レース2は午後4時15分にスタート。スタートを決めた中村は1コーナーで1台を抜いて4番手、さらに5コーナーでもう1台を抜き、1周目に3番手までポジションをアップしました。その後セーフティーカーが入り、レースは4周目に再開。しかし、予選で履いたタイヤの影響でバイブレーションに苦しみ、なかなかペースを上げられずポジションを落とました。その後、このレース2度目のセーフティーカーが入り、リスタートの9周目に、中村を含む3台がオー・ルージュの先でトップに一気に追いつき、ターン5で中村は3番手に浮上しますが、その際に他車と接触し、フロントウイングにダメージを負うことになりました。その後、最終ラップにポジションをひとつ落とし、レース2は4位でチェッカーを受けました。しかし、レース終了後、9周目の接触について審議が行われ、中村に対して5秒加算のペナルティが科され最終順位は7位となりました。上位入賞のペースがあっただけに中村にとっては満足できない結果となりましたが、前戦のミサノに続き、入賞を重ねました。次戦FRECA第3戦は6月6日（金）から8日（日）にかけて、オランダのザンドフールトで開催されます。

　「スパは今週初めて走りましたが、ヨーロッパに好きなサーキットができました。とても楽しいサーキットで、2レースとも勝てるペースもあったと思います。ただ、自分のミスやり至らなさでチャンスを潰してしまい、悔しさがたくさん残る大会になりました。ペースはありますし、チームとのコミュニケーションもどんどん良くなっているので、次のザンドフールトも初めてのサーキットですが、良い結果を手に入れられるようにチームと準備していきます。引き続き応援よろしくお願いいたします」