第4戦の舞台となったハンガロリンクは、ハンガリーの首都ブタペスト近郊に位置し、1986年に東欧初の国際格式のサーキットとして開業しました。狭いコース幅や、タイトな複合コーナーが続くレイアウトが特徴で、追い抜きが難しいため、予選順位が重要となるテクニカルなコースです。中村はいつも通りフランスにあるR-ace GPチームのファクトリーでシミュレーターセッションを行なった後、現地入りしました。

　朝から強い日差しが照りつけ、午前のテストでは路面温度が54度、午後には60度を超える厳しいコンディションとなりました。中村は、午前中は中古タイヤだけを履いて7番手、午後はニュータイヤで初のタイムアタックを行い、4番手タイムをマーク。週末に向けて好調な形でテストを終えました。

　午前と午後にそれぞれ50分間のコレクティブテスト（CT）が実施されました。午前のCT1は、予選がキャンセルされた場合のスターティンググリッドを決める重要なセッションです。中村は他のドライバーと同様に、まず中古タイヤでバランスを確認した後、ニュータイヤでタイムアタックを行い、トップタイムを記録。午後は中古タイヤでレースシミュレーションを行い、8番手で終了。予選と決勝に向けて着実に準備を進めました。

　快晴のコンディションの中、予選1回目とレース1が行なわれました。中村は予選グループAに出走しましたが、前を走るチームメイトと後続から迫ってきた他車に挟まれ、思うようなアタックができずグループ8番手。決勝レース1は16番グリッドからスタートとなりました。

　迎えたレース1では、スタートを決めたものの、1コーナーで後続車に右リヤをヒットされてコースオフ。幸いクルマに大きなダメージはなく、レースを続行。途中、前方車両のコースオフによりひとつポジションを上げ、前のクルマを自力でオーバーテイクすることはできなかったものの、粘り強く走り切って14位でチェッカーを受けました。その後失格車が出たため、正式結果は13位となりました。

　予選2回目では、中村は最終アタックでセクター1を全体ベストとほぼ同じタイムで通過しましたが、ターン11でトラックリミットを取られ、グループAの7番手となり、決勝レース2は13番グリッドからのスタートとなりました。

　決勝レース2でも、しっかりスタートを決めた中村でしたが、1コーナーから2コーナーでひとつポジションダウン。しかしその後のターン6で13番手を取り戻しました。その後、前を行くクルマとバトルを続けていた7周目の1コーナーで、インに飛び込んできたクルマがスピンし、中村はアウト側に間一髪で回避するも15番手まで後退。このスピン車両の処理のためセーフティーカーが導入され、9周目のリスタートでは、ターン1からターン2にかけて1台、ターン11でもう1台を抜いて13番手に復帰。しかし11周目のターン1広報車両に追突され、最後尾までポジションを落とすこととなりました。この追突の影響でクルマはダメージを抱えながらも走行を続け26位でチェッカー。その後失格車が出たため、正式結果は25位となりました。

　次戦FRECA第5戦は7月18日（金）から19日（日）に、フランスのポール・リカール・サーキットで開催されます。

　「FRECA第4戦ハンガリー大会が終了しました。結果は思うようにはいきませんでしたが、自分の走りやマインドセットにおいて得られるものがあり、次につながるレースになったと思います。さまざまなことを考えるきっかけにもなりました。ペースにはしっかり手応えを感じているので、気持ちはポジティブです。ただ、改善すべき点をしっかりと見つめなおし、2週間後のポール・リカールに照準を合わせて準備していきたいと思います。今週末もありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いいたします」