第6戦の舞台であるイモラサーキットは、イタリア北部エミリア=ロマーニャ州に位置する全長4,909mのコースです。イタリア有数の自動車産業エリアにあることから、モータースポーツとの結びつきも深い場所としても知られています。高速セクションとテクニカルなシケインが組み合わされた半時計回りのレイアウトが特徴です。
　このサーキットではオフシーズンテストが実施されていないため、木曜日に事前テスト走行が2セッション行われ、金曜日には2回のコレクティブテストを経て、土曜日から予選と決勝が行われました。

　7月31日(木)、午前と午後にそれぞれ1時間50分のテストセッションが行われました。朝から強い日差しが照りつけ、午前中には路面温度が45度を超える厳しいコンディションとなりました。中村は午前に29周を走り4番手、午後も29周を走行して5番手となり、コースの習熟を進めながら安定した走りを披露。初日から上位に食い込むペースを示し、順調なスタートを切りました。

　8月1日(金)、この日も木曜日と同様に朝から快晴のコンディション。午前と午後にそれぞれ50分間のセッションが行われました。午前は予選シミュレーションで5番手のタイムを記録。午後はレースシミュレーションを実施し、安定したラップを刻みました。暑さの中でも走り込みを継続し、土曜日からの予選と決勝に向けて準備を進めました。

　8月2日（土）、中村は午前10時35分から予選グループBに出走しました。今週末のピット位置の関係で、予選中のアタックラップが他のドライバーより1周少なくなる可能性があり、アウトラップ中に前のクルマを抜くか、ギャップを築いてウォームアップに専念するかは、状況を見てチームが判断する方針としていました。アウトラップ中にチームは「ウォームアップに専念する」と判断。その結果、中村は8周目にベストタイムを更新し、その時点で2番手につけましたが、ウォームアップ9周目に入っていた数人のドライバーにベストタイムを更新され、最終的に予選グループBを4番手で終えました。
　午後の決勝レースでは7番グリッドからスタート。好スタートを決めて2コーナーで前車をパスし、6番手に浮上。赤旗中断やセーフティカー導入がありましたが、ファステストラップも記録するなど力強い走りを見せました。しかし、ゴール直前に右リヤタイヤが外れるアクシデントが発生しコースオフ。そこでマシンを止め、リザルトは完走扱いの25位となりました。入賞目前でのリタイアという悔しい結果でしたが、それまでのパフォーマンスはポジティブで、確かな手応えを得られたレースとなりました。

　8月3日（日）の予選2回目では、昨日アタックできなかったプッシュラップ4周目を確保するため、アウトラップから積極的に前のクルマを抜いていきましたが、その影響でタイヤのウォームアップが不十分となり、6番手にとどまりました。決勝レースは他車に対するペナルティによりグリッドが繰り上がり10番グリッドからのスタートとなりました。
　午後の決勝レースで中村はスタートを決め、1周目に7番手に浮上しましたが、後続のクラッシュにより導入されたセーフティカーランが明けた直後の3周目に他車と接触してコースオフし、そのままリタイアとなりました。レース後の審議で接触の責任は中村にあると判断され、次戦第7戦レース1のスターティンググリッドが4グリッド降格のペナルティを科されることになりました。
　悔しさの残る週末となりましたが、この経験を活かし、さらなる準備を重ねて次戦に臨みます。次戦FRECA第7戦は9月5日（金）から7日（日）にかけてオーストリアのレッドブルリンクで開催されます。

　「イモラでのFRECA第6戦が終了しました。第1レースは最終ラップの最終コーナーでのトラブルにより完走扱いのリタイアとなり、第2レースも接触によるリタイアで、非常に悔しい週末となってしまいました。両レースとも、チームとしても自分自身としても十分なペースがありましたが、不運な部分と自分のミスが重なってしまったことが要因だと感じています。
　9月以降の後半戦では、しっかりと成長した姿を見せて、良いパフォーマンスでトロフィーを持ち帰れるように戦っていきたいと思います。応援ありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いいたします」