第8戦の舞台となるカタルニア・サーキットは、スペイン・バルセロナ郊外に位置する全長4,657mの国際格式のサーキットです。全14コーナーの多くが中高速のコーナーで構成されており、FRECAカレンダーのなかでもタイヤへの負荷が非常に高いコースになります。FRECAは開幕前の4月上旬にもこの地でプレシーズンテストを実施しています。

　9月19日（金）、今週は木曜日のプレイベントテスト走行は実施されず、金曜日の午前、午後それぞれ50分の走行だけで予選と決勝に向けた準備を行いました。限られた走行時間のなか、午前のセッションで中村は車体側のトラブルを抱えて走行することになり最下位で走行を終えることとなりました。しかしインターバルの間にトラブルは解決され、午後のセッションでは新品タイヤを投入して予選シミュレーションを実施。9番手のタイムを記録し、初日をしっかりと締めくくりました。

　9月20日（土）、午前11時25分から行なわれた予選1回目で、中村はグループAに出走。クールダウンラップを挟みながら3度のアタックを実施しました。各アタックでタイムを更新していき、最終的にはグループ3番手のタイムを記録してグループBの結果を待ちます。その後グループBのトップタイムがグループAを上回ることはなく、中村は決勝レース1で5番グリッドのスタート位置を手に入れます。
　午後5時45分から行われた決勝レース1。5番グリッドの中村は好スタートを決めて1台をパス。メインストレートを下りながら1コーナーへの進入ではトップのクルマのインを伺いますが、ここはブロックされます。それでも1コーナーから2コーナーにかけてさらにポジションをひとつ上げて、一時3番手に浮上します。レース序盤はタイヤを労りながらの走行を続けます。4周目にひとつポジションを落として4番手になりますが、その後はミスなく堅実な走りを最後まで続けて4位でフィニッシュしました。

　9月21日（日）の予選2回目、セッション直前まで雨が降り、路面はウェットから乾いていく難しいコンディションとなりました。中村は途中トラフィックに阻まれ、他のドライバーとは異なるアタックシークエンスを強いられ、最後に2周連続のプッシュラップを行い、まずグループベストのタイムを記録、しかし最後のプッシュラップでは遅い車両に詰まりタイム更新ができず、グループ5番手で予選を終え、決勝レース2は9番グリッドからのスタートとなります。
　決勝レース2は全車ドライタイヤを装着してのスタートとなりましたが、コースの一部にウェット箇所が残っていたため、セーフティーカー先導によるスタートが採用されました。2周のセーフティーカーランを経て、3周目から実質的なレースがスタートします。中村は序盤からリヤタイヤのグリップ不足に苦しみ、思うようにペースを上げられず、途中でポジションをひとつ落としてしまいます。それでも最後まで粘りの走りを見せ、チェッカーまでなんとかポジションを守り切り10位でフィニッシュ。前日のレースに続いて入賞を果たしました。決勝レース後、他車にペナルティが科され中村の順位は9位に繰り上がりました。
　次戦FRECA第9戦は10月3日（金）から5日（日）にかけて、ドイツのホッケンハイムリンク・リンクで開催されます。

　「バルセロナラウンドが終了しました。結果としては2レースともにポイントを獲得できましたが、内容としては思うようにいかない週末でした。土曜日のレースは表彰台を狙える位置にいながらもペース不足で届かず、日曜日は予選から難しいコンディションの中で、思うようにアタックができず、レースも守りの展開になってしまいました。今回見えた課題はチームとともに改善していきます。一方ポジティブなこともあり、前戦レッドブルリンクでの結果を受け、ライジングカーアワードを頂きました。残り2ラウンドも全力でプッシュして、より良い結果を皆様にお届けできるように頑張ります。引き続き応援をよろしくお願いいたします」