第9戦の舞台はドイツ・ハイデルベルグ近郊に位置する全長4,574mのホッケンハイム・リンク。コース前半の長い全開区間が続き、後半は観客席が囲うように位置された低速セクションが特徴のヨーロッパを代表するサーキットの一つです。今大会はドイツのツーリングカー選手権との併催となるため、週末の走行スケジュールは変則的なものに。オフシーズン中にテストが行われていないサーキットにもかかわらず、木曜日のテスト走行は設定されず、金曜日はコレクティブテストを2回走行した後に、日曜日のレース2のグリッド順を決める予選1回目を実施。土曜日に同日のレースに向けた予選2回目、レース1が設定され、日曜日はレース2のみの走行となりました。

　10月3日（金）、中村にとってホッケンハイムはこの日が初走行。午前のCT1ではコースを習熟しながら15周を走行。午後のCT2ではニュータイヤを投入し、予選シミュレーションを実施しました。クルマのバランスに苦戦しつつも、7番手のタイムを記録。夕方に行われた予選1回目は、3番手から6番手までのタイム差がわずか0.1秒という接戦に。中村は6番手となり、この結果、日曜日のレース2は11番グリッドからのスタートとなりました。

　10月4日（土）、午前に行われた予選2回目で、午後のレース1に向けたグリッド争いが展開されました。中村はウオームアップラップ後、2周続けてアタックを敢行。さらにクールダウンラップを1周挟んで再度2周連続アタックを敢行。その2周連続アタックの1周目でセクター1、セクター2の自己ベストを更新しましたが、セクター3でトラフィックによりアタックを中断。しかし次の周でセクター3の自己ベストを更新し、グループ内4番手のタイムをマーク。レース1は7番グリッドからのスタートとなりました。
　午後16時30過ぎにスタートしたレース1は、インターバルの間に雨が断続的に降ったことで、ウェット宣言が出されるも、走行ラインはドライという難しいコンディションに。レースはセーフティーカー先導のスタートとなり、3周目から実質的なレースが始まりました。中村は序盤から好ペースで2つポジションを上げましたが、中盤以降はアンダーステアに苦しみペースが上がらず、二つポジションを落とすも、最後まで走り切り7位でチェッカーを受けました。

　10月5日（日）、レース2も雨の影響を受ける難しいコンディションで行われました。フォーメーションラップ中に雨が降り始め、スタートが遅延。一時雨は上がったものの、2回目のフォーメーションラップ中に再び降り始め、不安定な天候の中でレースがスタートしました。11番グリッドの中村はスタートを決め1コーナーに進入。しかし中村の背後で2台が絡むアクシデントが発生し、セーフティーカーが導入されました。このセーフティーカーは4周にわたり先導し、レースは5周目にリスタート。リスタート2周目の1コーナーで目の前のマシンがスピンしましたが、中村は間一髪でこれを回避し、ポジションを10番手に上げました。レース終盤に再び雨が降り出し、2度目のセーフティーカー導入。結局レースはそのまま赤旗で終了となり、中村は10位でフィニッシュ。前日のレース1に続き入賞を果たしました。
　次戦FRECA第10戦（最終戦）は10月24日（金）から26日（日）にかけて、イタリアのモンツァ・サーキットで開催されます。

　「第9戦ホッケンハイムを終えました。7位と10位でどちらも入賞し、ポイントを獲得できたのは良かったです。ただ、初めて走るサーキットで難しい面もあり、うまくいかない部分もありましたが、チームメイトからも多くを学び、ポイントを獲得するところまでいけたのはポジティブな成果だと思います。一方で、レースペースや順位を上げる力にはまだ課題があります。次が最終戦になりますが、まだまだ成長できるところがあるので、チームとしっかり準備して挑みたいと思います」