先週の第1ラウンドに続いてアブダビでの開催となった第2ラウンドでは、第1ラウンドで使用したグランプリレイアウト(全長5,281m)からコースレイアウトが変更されました。グランプリレイアウトのターン5からターン6の間に設けられた厳しい勾配のS字ショートカット区間を使用する“コークスクリュー”レイアウト(全長4,572m)が採用され、中村にとっては先週のグランプリレイアウトに続き初走行のコークスクリューレイアウトになります。

　1月21日(火)の午後3時10分と午後5時15分から、それぞれ1時間のテスト走行を実施。1回目の走行ではショートカット区間の習熟と第1ラウンドからの車両のセッティングの変更を確認しました。2回目の走行では、上位に食い込む走りを見せ、順調に初日を終えました。翌22日(水)の午前9時40分からは、30分間のフリー走行が行われ、予選に向けたパフォーマンスランで9番手のタイムをマーク。各セクターの自己ベストを合わせると9番手以上のタイムも期待できる内容で、中村も手応えを感じて午後のQ1を迎えました。

　22日 (水) 午後12時45分から午後1時までの15分間で行われたQ1は、路面温度がフリー走行より10度以上高いコンディションとなりました。この変化に悩まされながらも6番手のタイムを記録しました。午後1時5分から1時20分まで行われたQ2では、さらにクルマのセッティングを変更。中村はドライビング面でも調整を試みましたが8番手となりました。

　レース1は22日 (水) 午後4時30分にスタート。スタートで1台を抜いた中村は、さらに9コーナーに向けてもう1台と並びかけますが、オーバーテイクには至らず、1周目を5番手で戻ってきました。2周目にセーフティーカーが入り、3周目にレースが再開。再開後、数周は前のクルマについて行けたものの、徐々にペースが上げられなくなり、フロントタイヤのグレイニングも始まってしまい、中村は我慢の周回を続けました。14周目には後方から追い上げてきたペースの勝るクルマにポジションを明け渡し、6位でレースを終えました。

　23日 (木) 午後7時20分にスタートするレース2は、レース1の結果からリバースグリッドとなり、5番グリッドからスタート。レース1で速さを見せていたクルマが後方にいるため、中村とエンジニアはレース前に「このレースではスタートを決めて、1周目にしっかり順位を上げる」という約束を交わしました。その約束どおり、中村は抜群のスタートダッシュを決めて2台をかわし、さらに9コーナーでもう1台交わして2番手に浮上。最終シケインでかわされた1台をメインストレートでスリップストリームに入り9コーナーでアウトから抜きにかかりましたが、イン側のマシンが膨らんできたことでアウトに避けるしかなく、その隙にチームメイトに前に出られて4番手となりました。そのチームメイトに12コーナーでアウトから並びかけたところで接触。5番手までポジションを落としましたが、その後は冷静にオーバーテイクのチャンスを伺いました。しかし9周目、9コーナーのブレーキング中にダウンシフトで4速からニュートラルに入ってしまうトラブルが起こり、8番手までポジションを落としてしまいました。その後中村はダウンシフトの不具合を抱えながらも、ポジションを維持し8位でチェッカーを受けました。

　レース2からレース3の短いインターバルの間に、チームはダウンシフトのトラブルを解決。FRMECと併催されているF4レースの赤旗中断の影響で、予定よりも15分遅れの23日 (木) 午後11時5分にスタートしました。8番グリッドの中村はこのレースではスタートでポジションを上げることはできませんでしたが、8番手をキープしながらレースを進めました。7周目あたりからこの週末悩まされ続けているタイヤのグレイニングが出始めると、中村を含めた数台が団子状態の展開に。12周目の9コーナーで4台が飛び込むと、前を塞がれて行き場を失った中村は12番手までポジションを下げました。それでも中村はあきらめず13周目に11番手、15周目に10番手と順位を上げていき、最後は9位でフィニッシュしました。これで中村は第2ラウンドも3レースすべてで入賞を果たしました。
　*レース後に他車に対し、レース結果に5秒加算のペナルティが科されたため、中村の順位は8位に繰り上がりました。

　「第2戦アブダビが終わりました。フリー走行ではクルマの感触もよく、予選でもQ1が6位、Q2が8位と、第1戦よりは改善できたと思います。レース1では自己最高位の6位で終えることができました。レース2はリバースグリッドで、5番手からスタートし、1周目に2番手まで順位を上げることができましたが、僕のミスやクルマのトラブルもあって、8位までポジションを落としてしまいました。レース3は自分なりにできることはやれたと思いますし、最善を尽くしましたが、ペースが上がらず9位で終えることになりました。先週、そして今週と2ラウンドをアブダビで終えて、自分の改善点が見えてきたと思いますし、チームとも協力しながら仕事ができているので、次戦に向けてもっと自分のドライビングの面やクルマについて、しっかり考えて準備していきたいと思います。今週もありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いいたします」