フォーミュラ・リージョナル・ミドル・イースト・チャンピオンシップ(FRMEC)第3戦ドバイ中村仁 初走行のドバイで初優勝、連続入賞も継続

2025.2.10(月)- 17:00配信

 2月7日(金)から2月9日(日)にかけて2025年フォーミュラ・リージョナル・ミドル・イースト・チャンピオンシップ(FRMEC)第3ラウンドがアラブ首長国連邦の都市ドバイにあるドバイ・オートドロームで行われました。TGR-DCドライバーの中村仁は、第1レースで10位、第2レースで初優勝を達成。第3レースでも12位に入り、開幕ラウンドから連続入賞を果たしました。

中村仁 初走行のドバイで初優勝、連続入賞も継続

 ドバイ・オートドロームは、世界有数の観光都市ドバイに建設中のドバイランドの一施設で、2004年に完成以降、GP2アジアシリーズや、FIA・GT選手権などが開催されています。毎年1月には24時間レースも行われるこのサーキットは、全長5,390mのグランプリレイアウトを持ち、現在TGR-WECチーム代表兼ドライバーを務める小林可夢偉が2008年にGP2アジアで記録した1分41秒220のコースレーコードを樹立しています。

 2月7日(金)午前8時45分と午後2時から、それぞれ1時間のテスト走行が実施されました。1回目の走行では、コースの習熟と、夜間走行が多かったアブダビよりも高い、ドバイの路面温度下でのパフォーマンスを確認。2回目の走行ではレースに向けたロングランを行いましたが、ギヤボックス関連のトラブルにより予定より早く走行を終了しました。午後4時からのフリー走行までにギヤボックス関連のパーツを交換し、30分間のフリー走行に出走。ここでは予選に向けたパフォーマンスランを行い、8番手のタイムをマークして初日を終えました。

予選

 8日 (土) 午前8時50分から午前9時5分までの15分間で行われたQ1は、まだ午前早い時間帯のため、前日のフリー走行より路面温度が10度以上低いコンディション。中村はコンディションの変化にうまく対応することができず、9番手のタイムを記録しました。午前9時10分から午前9時25分まで行われたQ2では、クルマのセッティングを変えずにドライビングを調整し8番手となりました。

レース1

 8日(土)午後12時20分に予定されていたレース1は、その前に行われていたF4レースのアクシデントでダメージを受けたガードレールの修復が必要になり、スタートが20分遅延、午後12時40分にスタートしました。他車のグリッド降格などがあったため、7番グリッドからスタートした中村は、1周目の1コーナーまでに3台を抜いて4番手に浮上。その後、タイヤを労わりながら、3番手のクルマと1秒以内の差で周回を重ねました。7周目にセーフティーカーが入り、10周目にレースが再開されましたが、中村のクルマに再びギヤボックスのトラブルが発生し、10番手まで後退しました。続く11周目のメインストレート上で2台のクルマが絡むクラッシュが発生し、結局レースは12周目に赤旗で終了。中村は10位でレース1を終えました。

レース2

 9日 (日) 午前9時5分に始まるレース2は、レース1の結果に基づくリバースグリッドとなり、中村はポールポジションからスタートしました。レース1の後、チームはギヤボックス内の部品を交換。レース2のグリッドに向かうレコノサンスラップで問題が解決されていることを確認した中村は、チームに無線で感謝を伝え、マシンをグリッドにつけました。
 クリーンスタートを決めた中村は、タイヤを労わりながらレースをリード。6周目から7周目にかけて2番手のクルマが攻めてきましたが、中村は巧みなブロックラインでポジションを死守。レースの残り時間が6分を切った12周目、再び2番手のクルマがターン10のブレーキングでインに飛び込んできましたが、中村は立ち上がりでラインを外しながらもトップをキープ。続く13周目のメインストレートでは中村と2番手のクルマがサイドバイサイドになり、1コーナーでのブレーキング勝負へ。中村は最後まで引かずにトップのまま1コーナーへ飛び込み、その後はタイヤを守る走りから逃げる走りに切り替えて、2番手のクルマとの差を広げました。そのまま残り4周を走り切り、見事トップでチェッカーを受け、中村にとって初めての海外での優勝を、レース中一度もトップを譲らずに手に入れました。

レース3

 レース3は同じく9日(日)午後12時20分にスタート。8番グリッドからスタートした中村は、一時14番手までポジションを下げましたが、コース上のアクシデントの処理のため入っていたセーフティーカーランの後、レース残り2周で2つポジションを上げて12位でフィニッシュしました。今回の第3戦ドバイの3レースでもすべて入賞し、1月の開幕戦から入賞を続けています。FRMEC 第4戦は2月13日(木)から16日(日)にかけて、アブダビにあるヤス・マリーナ・サーキットで行われます。

中村仁:

 「このサーキットはリズミカルで攻略しがいのあるコーナーがたくさんあり、自分にとって多くの発見がありました。砂も多く、ターン14のようにあれだけのバンクがついた高速から一気に低速になり曲がるコーナーはこれまで経験したことがありませんでした。
 また、今回は可夢偉さんに来ていただき、さまざまなアドバイスをいただきました。可夢偉さんの経験をふまえての考えとエンジニアの考えをもとに、自分の考えを作り上げるということがとてもプラスになりましたし、改善するだけでなく、さらにレベルの高いところに持っていかないといけない、という新たな気づきも得ました。今週は初日の時点で今後のためにもなるレースウイークになると感じていました。

 レース1は7番手からのスタートで、スタート自体は自分のなかでも上手くいったと思います。その後のライン取りや、周りに比べてアドバンテージがある場所を走れたことで4番手までポジションを上げることができました。レース2では、ポールポジションから逃げ切り、勝つことができました。ただ、レース1やレース3ではまだまだ課題があると感じていますし、反省すべき点もあります。それでもトップからスタートできれば、しっかりトップを守り切ってチェッカーを受けることができるということが分かりました。来週にはすぐにアブダビ戦があるので、予選をどうあわせていくか、エンジニアともっとコミュニケーションをとって、もっと良い結果を作れるように頑張っていきます。引き続き応援よろしくお願いいたします」

FRMEC第3戦 予選1結果

順位No.ドライバーチームベストタイム
1 95 Evan GILTAIRE ART GRAND PRIX 1:54.481
2 12 Brando BADOER PHM RACING 1:54.571
3 7 Ugo UGOCHUKWU R-ace GP 1:54.617
4 14 Rashid AL DHAHERI MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 1:54.720
5 4 Théophile NAEL SAINTELOC RACING 1:55.043
6 27 Freddie SLATER MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 1:55.046
7 19 Kanato LE ART GRAND PRIX 1:55.180
8 89 Taito KATO ART GRAND PRIX 1:55.297
9 2 Jin NAKAMURA R-ace GP 1:55.354
10 1 Enzo DELIGNY R-ace GP 1:55.470

FRMEC第3戦 予選2結果

順位No.ドライバーチームベストタイム
1 95 Evan GILTAIRE ART GRAND PRIX 1:53.879
2 14 Rashid AL DHAHERI MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 1:54.011
3 7 Ugo UGOCHUKWU R-ace GP 1:54.019
4 4 Théophile NAEL SAINTELOC RACING 1:54.022
5 27 Freddie SLATER MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 1:54.046
6 12 Brando BADOER PHM RACING 1:54.128
7 1 Enzo DELIGNY R-ace GP 1:54.284
8 2 Jin NAKAMURA R-ace GP 1:54.287
9 6 Hiyu YAMAKOSHI PINNACLE MOTORSPORT 1:54.316
10 45 Jack BEETON MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 1:54.351

FRMEC第3戦 レース1結果

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 7 Ugo UGOCHUKWU R-ace GP 12 25:41.352 3
2 12 Brando BADOER PHM RACING 12 0.831 2
3 95 Evan GILTAIRE ART GRAND PRIX 12 2.084 1
4 4 Théophile NAEL SAINTELOC RACING 12 3.406 5
5 14 Rashid AL DHAHERI MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 12 4.489 4
6 19 Kanato LE ART GRAND PRIX 12 6.021 6
7 27 Freddie SLATER MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 12 8.419 9
8 1 Enzo DELIGNY R-ace GP 12 10.218 8
9 89 Taito KATO ART GRAND PRIX 12 11.825 13
10 2 Jin NAKAMURA R-ace GP 12 13.686 7

FRMEC第3戦 レース2結果

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 2 Jin NAKAMURA R-ace GP 16 31:39.127 1
2 27 Freddie SLATER MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 16 0.429 4
3 14 Rashid AL DHAHERI MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 16 1.021 6
4 4 Théophile NAEL SAINTELOC RACING 16 2.307 7
5 95 Evan GILTAIRE ART GRAND PRIX 16 3.404 8
6 7 Ugo UGOCHUKWU R-ace GP 16 4.152 10
7 3 Akshay BOHRA R-ace GP 16 7.242 11
8 1 Enzo DELIGNY R-ace GP 16 9.285 3
9 12 Brando BADOER PHM RACING 16 10.159 9
10 19 Kanato LE ART GRAND PRIX 16 10.432 5

FRMEC第3戦 レース3結果

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 95 Evan GILTAIRE ART GRAND PRIX 12 30:06.807 1
2 7 Ugo UGOCHUKWU R-ace GP 12 0.749 2
3 4 Théophile NAEL SAINTELOC RACING 12 1.867 4
4 1 Enzo DELIGNY R-ace GP 12 2.613 7
5 14 Rashid AL DHAHERI MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 12 3.878 3
6 27 Freddie SLATER MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 12 6.585 5
7 12 Brando BADOER PHM RACING 12 6.713 6
8 6 Hiyu YAMAKOSHI PINNACLE MOTORSPORT 12 6.821 9
9 24 Ernesto RIVERA PINNACLE MOTORSPORT 12 7.955 16
10 89 Taito KATO ART GRAND PRIX 12 9.131 12
12 2 Jin NAKAMURA R-ace GP 12 10.065 8

FRMEC第3戦終了時ランキング

順位No.ドライバーチームポイント
1 95 Evan GILTAIRE ART GRAND PRIX 174
2 27 Freddie SLATER MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 138
3 4 Théophile NAEL SAINTELOC RACING 132
4 12 Brando BADOER PHM RACING 126
5 14 Rashid AL DHAHERI MUMBAI FALCONS RACING LIMITED 108
6 7 Ugo UGOCHUKWU R-ace GP 103
7 1 Enzo DELIGNY R-ace GP 77
8 2 Jin NAKAMURA R-ace GP 67
9 19 Kanato LE ART GRAND PRIX 59
10 89 Taito KATO ART GRAND PRIX 44
中村仁
2号車
2号車
中村仁
2号車
表彰台