ヤス・マリーナ・サーキットは、25年1月にFRMECの第1ラウンドと第2ラウンドが行われたサーキットで、今回の第4ラウンドも第1ラウンドと同じく、全長5,281mの「グランプリ・レイアウト」を使用して3レースが行われました。

　2月13日（木）には午後0時15分と午後4時30分からそれぞれ1時間のテスト走行が実施されました。前回のアブダビは夜間のレースが中心でしたが、今回は3レースとも昼間に開催されるため、1回目の走行ではより高い路面温度を想定した車体のセッティングを試みました。しかし2回目の走行では、レースに向けたロングランを行う予定でしたが、前のレースから持ち越していたタイヤの問題が発生し、早々に走行を終了せざるを得ませんでした。
　2月14日（金）午前9時25分からのフリー走行では、新品タイヤを使って予選のシミュレーションを行い12番手。中村と0.1秒差に4台がひしめいており、予選は接戦が予想されました。

　14日（金）午後2時45分から午後3時までの15分間で行われたQ1では、少しでもタイムを稼ぐために、チームはチームメイト同士がスリップストリームを使ってアタックに入る戦略をとりました。さらに路面にラバーがのってグリップが増しコンディションが向上することを見越して、車体のセッティングも変更していましたが、思ったほどの効果は得られず、中村は17番手でQ1を終えました。そのチェッカーを受けた後、ピットに戻ろうとしていた中村は、突如最終シケイン手前で白煙を上げながらスローダウン。ピットに戻ることができず、Q2には出走できずに予選を終えることになりました。

　15日（土）午前9時40分にレース1がスタート。1台のクルマのグリッド降格により、16番グリッドからスタートした中村は、レース2のリバースグリッドも考慮し入賞を目指しました。しかし、2周目のターン9（サポートピットからスタートするFRMEC1コーナー）で、前のクルマをアウト側から抜いたところで、イン側のクルマがブレーキをロックさせて中村の左リアをヒット。中村はハーフスピンしながらコース外に押し出され、25位までポジションを落としました。幸い、クルマのダメージは少なく、中村は諦めず追い上げを図りました。4周目には21位、8周目には18位、11周目には17位とポジションを上げ、13周目には16番手に。最終的に16位、15周でチェッカーを受けました。レース後、2台のクルマにペナルティが科され、中村の正式結果は14位となりました。

　16日（日）午前9時30分に始まったレース2では、レース1の上位10名がリバースグリッド、11位以下は順位どおりのグリッドになるため、中村は14番グリッドからスタートしました。スタートを決めた中村は、1周目に11番手まで浮上。レースは1周目に起きたアクシデントでセーフティカーが入り、4周目にレース再開。その後、中村はさらにひとつポジションを上げましたが、レースが10分を過ぎたあたりから右フロントタイヤにグレイニングが発生し、中低速コーナーで思うようにクルマを曲げることができず、残り半分以上のレースを防戦の展開となり、なんとか12位でチェッカーを受けました。レース後、中村より上位のクルマにペナルティが科されたことから、正式結果は10位となりました。

　同じく16日（日）の午後1時10分からスタートしたレース3では、前日のQ2に出走できなかった中村は、最後列の26番グリッドからスタート。1周目に19番手までジャンプアップし、さらに3周目に17番手に上がったところで2台のクルマが絡むアクシデントが発生し、セーフティカーが導入されました。8周目のリスタートをうまく決めた中村は、この周に15位、翌周には14位とポジションを上げ、10周目には2台のマシンが別々の箇所でコースオフを喫したため12位に浮上しました。コースオフしたマシンを撤去するため、2度目のセーフティカーが導入されると、レースは最終ラップを残して再開。中村はここでさらに1台オーバーテイクして11位でチェッカーフラッグ。スタート位置から15ポジションを上げてレースを終えました。レース後、前のクルマにペナルティが科され、正式結果は10位となりました。

　次戦、FRMEC 第5戦は2月26日（水）から28日（金）にかけて、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで、FIA世界耐久選手権の開幕戦と併催して行われます。

　「金曜日はQ1では17位となり、Q2で挽回するためにどうすればよいか考えていたところ、インラップ中にクルマにトラブルが出てしまい、Q2に出走することができませんでした。そのため、日曜日のレース3は26番グリッドの最後列からのスタートでしたが、ポジションを15個上げてポイントを獲得することができたのは良かったです。ただ、土曜日のレース1では接触があり、最後尾までポジションを落とすことになってしまいました。そこから追い上げましたが14位とポイントを獲得する順位まで戻すことができず、開幕戦から続いていた連続入賞が止まってしまったのが残念でした。3日間全体を見ればポジティブな点もありましたし、次の最終戦ではTGR-WECチームもいますので、いいレースができるようにしっかり準備をして頑張ります。今週もありがとうございました。引き続き応援よろしくお願いいたします」