5月29日(金)から31日(日)にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで2026年フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ(FREC)の第3戦が開催されました。今シーズンFRECに参戦しているTGR-DCドライバーの佐野雄城は、レース1を4位、レース3を16位で終えました。
【コレクティブテスト走行】
前週に続いて2周連続開催となったFREC第3戦。海沿いのザントフォールトを舞台とした前戦から一転、今大会の舞台はベルギー・アルデンヌの森の中に位置する全長7,004mのスパ・フランコルシャン・サーキットです。名物コーナーのオー・ルージュをはじめ、長い歴史と伝統を持つこのサーキットを、佐野が走るのはこの週末が初めてとなります。
5月28日木曜日に行われた2回のコレクティブテスト走行では、佐野は午前中のセッションを19番手、午後のセッションを15番手で終え、着実にタイムを縮めていきました。
【フリー走行/予選Q1】
今回は3レースを開催するスケジュールだったため、5月29日(金)のフリー走行は午前に設けられた50分間のみとなりました。そのフリー走行は9時40分に開始したものの、早々に赤旗中断。中断は10分近くに及び、限られた走行時間がさらに削られるなか、佐野は予選に向けたニュータイヤランのみを行い、25番手にとどまります。
フリー走行から予選までのインターバルでは、エンジニアとともにデータを検証し、走行内容などを見直しながら、予選に向けた改善点を整理。そして午後2時49分から行われた予選1回目ではグループAに出走すると、セクター2でグループ全体ベストを記録するなど好アタックを決めます。最終的にグループ3番手のタイムをマークし、決勝レース1の6番グリッドを獲得します。
【レース1】
5月30日(土)は未明からサーキット上空を雨雲が覆い、雷鳴も響く不安定な天候になりました。雨脚が強くなったり弱くなったりするなか、9時50分にレース1に向けて各車がグリッドへ整列。10時7分にセーフティーカー先導でフォーメイションラップを2周行う予定で隊列がコースを走り始めます。しかし路面コンディションが悪く、先導走行2周目の10時11分に赤旗が掲示され全車が一旦パドックに戻ります。その後、主催者が午後に予定していたリバースグリッドのレース2をキャンセルし、レース1をあらためて実施するスケジュールへ変更。
仕切り直しとなったレースでは、各車がグリッドを目指す頃には雨も次第に弱まります。そして午後2時26分、再びセーフティーカー先導でフォーメイションラップを開始。今回は予定通り2周した後セーフティーカーがピットに戻り、ローリングスタートでレースが始まりました。隊列6番手の佐野は、スタート直後の1コーナーで果敢に前のクルマのインサイドへ飛び込み5番手に浮上。その後も佐野は集中力を切らさずさらに上位へのチャンスを伺いながら5番手をキープ。そして2度目のセーフティーカーラン明けの最終ラップ、ターン5でもう一台を攻略して4番手へ。そのままチェッカーフラッグを受けて、今季ベストとなる4位入賞を果たしました。
【予選Q2】
5月31日(日)、この日は朝8時45分から予選Q2が行われました。Q1とは走行順が入れ替わり、佐野が出走するグループAは後半の走行となりました。しかし、アタックラップではなかなかクリーンなスペースを確保できず思うようにタイムをまとめることができません。最終アタックでもトラフィックの影響を受けるなど厳しい状況となり、グループAを9番手でセッションを終えました。この結果、佐野はレース3を18番グリッドからスタートすることとなりました。
【レース3】
18番グリッドからスタートした佐野は、オープニングラップで2つポジションを上げる好スタートを決めます。しかしその後はスパ・フランコルシャン特有の長いストレート区間で、佐野は本来オーバーテイクに使いたいプッシュ・トゥ・パスをポジションを守るために使わざるを得ない展開となります。3周目には一時20番手まで順位を落としますが、5周目に19番手、7周目には18番手へと順位を挽回。さらに他車のアクシデントもあり16番手まで浮上しました。そのアクシデントの処理によりセーフティーカーが導入され、レース終盤に再スタートが予定されていましたが、最終セクターで再びクラッシュが発生。結局、レースはセーフティーカー先導のままチェッカーとなり、佐野は16位でフィニッシュしました。
連続入賞こそ逃したものの、初挑戦となったスパ・フランコルシャンでは、予選Q1で上位争いを演じ、決勝レース1では今季ベストとなる4位を記録。課題も残った一方で多くの収穫を得る週末となりました。
FREC第4戦は6月19日(金)から21日(日)にかけて、イタリアのモンツァ・サーキットで開催されます。
佐野雄城:
「週末の走り始めはサーキットへの適応に少し苦労した部分もありましたが、走行を重ねるなかで改善できた点も多くありました。予選Q1ではグループ3番手、トップとの差も約コンマ1秒と非常に僅差で、ポールポジションを獲れなかった悔しさもありますが、自分としては良い予選にできたと思っています。レース1では初めて本格的なウエットコンディションを経験しました。変化する路面状況にはうまく対応できた部分もありましたが、まだ限界まで攻め切れなかった場面もありました。今後はそうしたコンディションへの適応力もさらに高めていきたいと思います。
一方で、予選Q2ではドライビング面で意識していたことが少し極端になってしまい、本来のパフォーマンスを十分に発揮できませんでした。今シーズンはまだ多くのレースが残っているので、この経験をしっかり次につなげて改善していきたいです。レース3は18番手スタートから16位でフィニッシュしましたが、プッシュ・トゥ・パスの使い方に課題を感じました。次戦のモンツァも同様に重要な要素になると思うので、今回の経験を活かして準備を進めたいと思います。
全体としては、多くの学びを得ることができた週末でした。難しいサーキットであるスパを経験できたことに加え、レース1では自分の力を発揮できた場面もありました。今回得た経験を次戦につなげモンツァでも上位進出を目指します。引き続き応援よろしくお願いいたします」
FREC第3戦 予選1結果(グループA)
| 順位 | No. | ドライバー | チーム | ベストタイム |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 71 | Rashid AL DHAHERI | R-ace GP | 2:14.523 |
| 2 | 98 | Sebastian WHELDON | MP Motorsport | 2:14.613 |
| 3 | 12 | Yuki SANO | R-ace GP | 2:14.674 |
| 4 | 73 | Emanuele OLIVIERI | R-ace GP | 2:14.699 |
| 5 | 4 | Reza SEEWOORUTHUN | Rodin Motorsport | 2:14.704 |
| 6 | 99 | Giovanni MASCHIO | RPM | 2:14.882 |
| 7 | 24 | Jules ROUSSEL | CL Motorsport | 2:14.887 |
| 8 | 87 | Kai DARYANANI | Trident Motorsport | 2:14.897 |
| 9 | 28 | Zhenrui CHI | MP Motorsport | 2:14.932 |
| 10 | 60 | Tomass STOLCERMANIS | Prema Racing | 2:14.975 |
FREC第3戦 レース1結果
| 順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 95 | Alexandre MUNOZ | ART Grand Prix | 10 | 32:56.157 | 1 |
| 2 | 71 | Rashid AL DHAHERI | R-ace GP | 10 | 0.137 | 2 |
| 3 | 51 | Keon NAKAMUM-BERTA | Prema Racing | 10 | 0.437 | 3 |
| 4 | 12 | Yuki SANO | R-ace GP | 10 | 1.446 | 6 |
| 5 | 98 | Sebastian WHELDON | MP Motorsport | 10 | 2.388 | 4 |
| 6 | 73 | Emanuale OLIVIERI | R-ace GP | 10 | 3.369 | 7 |
| 7 | 2 | Alex NINOVIC | Rodin Motorsport | 10 | 3.781 | 5 |
| 8 | 4 | Reza SEEWOORUTHUN | Rodin Motorsport | 10 | 4.166 | 9 |
| 9 | 78 | Gabriel GOMEZ | Rodin Motorsport | 10 | 5.216 | 7 |
| 10 | 87 | Kai DARYANANI | Trident Motorsport | 10 | 5.491 | 15 |
FREC第3戦 予選2結果(グループA)
| 順位 | No. | ドライバー | チーム | ベストタイム |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 71 | Rashid AL DHAHERI | R-ace GP | 2:13.248 |
| 2 | 8 | Jan PRZYROWSKI | RPM | 2:13.252 |
| 3 | 73 | Emanuele OLIVIERI | R-ace GP | 2:13.377 |
| 4 | 98 | Sebastian WHELDON | MP Motorsport | 2:13.380 |
| 5 | 5 | Miguel COSTA | RPM | 2:13.477 |
| 6 | 24 | Jules ROUSSEL | CL Motorsport | 2:13.503 |
| 7 | 4 | Reza SEEWOORUTHUN | Rodin Motorsport | 2:13.636 |
| 8 | 28 | Zhenrui CHI | MP Motorsport | 2:13.783 |
| 9 | 12 | Yuki SANO | R-ace GP | 2:13.850 |
| 10 | 19 | Kabir ANURAG | ART Grand Prix | 2:13.877 |
FREC第3戦 レース3結果
| 順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 33 | Maksimilian POPOV | Trident Motorsport | 12 | 33:51.316 | 1 |
| 2 | 15 | Alexander ABKHAZAVA | MP Motorsport | 12 | 0.214 | 5 |
| 3 | 71 | Rashid AL DHAHERI | R-ace GP | 12 | 0.527 | 2 |
| 4 | 8 | Jan PRZYROWSKI | RPM | 12 | 0.850 | 4 |
| 5 | 51 | Kean NAKAMURA-BERTA | Prema Racing | 12 | 1.113 | 11 |
| 6 | 2 | Alex NINOVIC | Rodin Motorsport | 12 | 1.477 | 7 |
| 7 | 67 | Marcus SAETER | G4 Racing | 12 | 2.257 | 9 |
| 8 | 73 | Emanuale OLIVIERI | R-ace GP | 12 | 2.553 | 6 |
| 9 | 95 | Alexandre MUNOZ | ART Grand Prix | 12 | 2.882 | 3 |
| 10 | 98 | Sebastian WHELDON | MP Motorsport | 12 | 3.413 | 8 |
| 16 | 12 | Yuki SANO | R-ace GP | 12 | 6.351 | 18 |
FREC第3戦終了時ランキング
| 順位 | No. | ドライバー | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 98 | Sebastian Wheldon | MP Motorsport | 82 |
| 2 | 69 | Reno Francot | CL Motorsport | 70 |
| 3 | 71 | Rashid Al Dhaheri | R-ace GP | 60 |
| 4 | 51 | Kean Nakamura-Berta | PREMA Racing | 55 |
| 5 | 28 | Zhenrui Chi | MP Motorsport | 32 |
| 6 | 88 | Salim Hanna | PREMA Racing | 31 |
| 7 | 73 | Emanuele Olivieri | R-ace GP | 28 |
| 8 | 2 | Alex Ninovic | Rodin Motorsport | 27 |
| 9 | 55 | Dion Gowda | Van Amersfoort Racing | 19 |
| 10 | 15 | Alexander Abkhazava | MP Motorsport | 14 |
| 14 | 12 | Yuki SANO | R-ace GP | 13 |
写真提供:Dutch Photo Agency