FIA-F4 2020年 第1大会 富士TGR-DC RS支援ドライバーの平良響が第2戦で初優勝!第3戦も連勝
野中誠太も2度の2位を含む3戦連続表彰台を獲得

2020.10.04(日)- 19:40配信

富士スピードウェイでFIA-F4選手権の第1大会(第1、2、3戦)が行われ、トヨタのスカラシップを受けてのシリーズ参戦2年目となる平良響(TGR-DC Racing School)が第2戦で初優勝。第3戦でも勝利を挙げ、2連勝を飾りました。同じく参戦2年目の野中誠太(TGR-DC Racing School)が第1戦と第3戦で2位、第2戦では3位と3戦連続表彰台。今季より参戦する奥住慈英(TGR-DC Racing School)、清水英志郎(TGR-DC Racing School)もデビュー戦から3戦連続での入賞、ポイント獲得を果たしました。

TGR-DC RS支援ドライバーの平良響が第2戦で初優勝!野中誠太も3戦連続表彰台を獲得

 10月3日(土)、4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイでFIA-F4選手権の2020年開幕戦となる第1大会(第1戦、第2戦、第3戦)が行われました。
 ジュニアカート等からステップアップする、本格的な4輪フォーミュラカーレースの入門カテゴリーとして、国際自動車連盟(FIA)によって制定された国際規格に則り、2015年より日本でFIA-F4選手権 (F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP)として行われている同シリーズも今年で6年目を迎えました。同シリーズでは過去に坪井翔(2015年チャンピオン)、宮田莉朋(2016、17年チャンピオン)をはじめとする多くの若手ドライバーが経験を積み、上位カテゴリーで活躍しています。
 今季は新型コロナウイルスの影響で予定よりも半年ほど遅れての開催となり、各大会毎に3レース、全4大会の計12戦で競われることとなりました。

 今季の同シリーズには、TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、野中誠太、平良響、奥住慈英、清水英志郎の4名が参戦。野中と平良は同シリーズ2年目、奥住と清水は今季より本格的なフォーミュラカーレースデビューとなります。

 3日(土)の午前8時20分より、30分間で今大会の予選が行われました。このセッションでのベストタイムで第1戦、セカンドベストタイムで第2戦のスターティンググリッドが決定されます。第3戦のグリッドは、第1戦のレース中ベストタイムで決められます。
 空には晴れ間が見えたものの、気温20度、路面温度もまだ22度と低く、タイヤが暖まりにくかったこともあり、各車時間をかけて徐々にタイムアップ。TGR-DC RS勢は計測6周目あたりから上位に顔を出し始め、計測9周目に平良が1分45秒台に入れて2番手へ浮上。その後も平良はタイムを縮めていきましたが、僅かコンマ02秒ライバルに及ばず、第1戦は最前列2番手。第2戦ではFIA-F4で自身初となるポールポジションを獲得しました。
 野中は第1戦5番手、第2戦4番手。奥住は第1戦10番手、第2戦7番手。清水は第1戦、第2戦共に11番手から決勝に臨むこととなりました。

 予選の後、午後12時半より第1戦の決勝(14周)が行われました。最前列2番手グリッドの平良はポジションを守ってのスタートとなりましたが、その後方、4番手グリッドの車両がエンジンストールを喫し、直後の車両が追突。スタート直後の2台のクラッシュによりいきなりセーフティカーが導入されました。
 後方は混乱の中で順位が変わり、平良が2位、野中4位、奥住5位、清水10位で6周目に再スタート。この再スタート時、2位の平良は首位の車両のスリップストリームにぴたりとつけ、TGRコーナー(1コーナー)進入でパス。首位に立ちました。
 首位を争う2台の後には野中らも続き、前半戦は上位4台が一団でのトップ争いに。平良はライバルと周回毎にファステストラップを塗り替えながら僅差のバトルを繰り広げました。
 テール・トゥ・ノーズでの争いが続く中、残り2周となった13周目、ストレートで並ばれかけた平良は、TGRコーナー進入ではなんとか押さえ込んだものの、続くコカコーラコーナーでかわされ、2位へと後退。さらに野中を含む後続の猛追を受けることとなり、最後は3台が並んでの2位争いとなりました。
 ファイナルラップに入る時点では、野中が3位、平良は4位へと順位を落としていましたが、ストレートからのTGRコーナー進入で2台共にライバルをパス。野中が2位、平良が3位でチェッカーを受け、共に表彰台を獲得しました。
 F4デビューの奥住は8位、清水は10位でフィニッシュし、デビュー戦でのポイント獲得を果たしました。

 第2戦決勝は、SUPER GTの予選の後、かなり日も傾いてきた午後4時に14周のスタートが切られました。
 自身初ポールからのスタートとなった平良は好ダッシュを決め首位をキープ。1周目で後続に対し1秒以上の差をつけてみせました。
 4番手グリッドの野中はスタートでひとつポジションアップ。その後、タイヤの新しいライバルにかわされるも、4周目にさらに1台をパス。3位へと浮上しました。
 首位の平良を含むほとんどの車両は、第1戦で使用したタイヤをそのまま第2戦でも使用していますが、第1戦をクラッシュで走らなかった車両が、タイヤの新しさを武器に猛追。それでも平良は後続との差を1.5秒ほどに保って周回。落ち着いた走りで逃げ切り、FIA-F1参戦2年目にして嬉しい初勝利を飾りました。
 野中はライバルからの追撃を受けるもこちらもしのぎ切り、3位でフィニッシュ。2戦連続の表彰台獲得となりました。清水は9位、奥住が10位。

 明けて4日(日)は早朝に軽く降った雨によりウェット宣言が出されたものの、ほぼ路面はドライ。曇り空の下、気温18度/路面温度22度というコンディションで、午前9時45分より今大会最後の第3戦決勝(14周)が行われました。
 第1戦のベストタイムにより決定されたグリッドで、野中が2番手、平良が4番手、清水が10番手、奥住が13番手からスタート。気温、路面温度ともに低く、ウォームアップ走行もない中でのいきなりのレーススタートとなりましたが、最前列2番手の野中が好ダッシュを決めてホールショット。その後、4番手グリッドの平良が続き、1コーナーを抜けたところで早くもTGR-DC RSドライバーの1-2体制となりました。
 2周目のTGRコーナー進入で平良が野中をパスし、首位へ浮上。なかなかタイヤが暖まらない中で、8位、9位を走行する奥住、清水あたりまでが数珠つなぎで周回を重ねる前半戦となりました。
 各車徐々にタイムが上がっていく中、平良は8周目、2位野中との差を1秒まで広げましたが、野中もそれ以上離されることなく追走。その後方、3,4番手の車両も僅差で続いていましたが、12周目、3位争いのバトルでやや離れることとなり、その後は楽になった平良と野中が1-2体制のままチェッカー。平良は第2戦に続き2連勝を飾りました。
 野中は第1戦に続く2位、3戦共に表彰台フィニッシュ。奥住が8位、清水が10位でこちらもデビューから3戦連続入賞を果たしました。

富士スピードウェイでFIA-F4がついに開幕
平良響(TGR-DC Racing School)
野中誠太(TGR-DC Racing School)
奥住慈英(TGR-DC Racing School)
清水英志郎(TGR-DC Racing School)