モビリティリゾートもてぎでFIA-F4 Japanese Championship(以下FIA-F4)の今季最終大会となる第7大会(第13戦、第14戦)が行われ、TOYOTA GAZOO Racing ドライバーズ・チャレンジプログラム レーシングスクール(TGR-DC RS)のスカラシップドライバーとしてシリーズに参戦している17歳の小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が第13戦で参戦初年度ながら初勝利。第14戦では荒川燐(TGR-DC RSトムススピリットF4)が2位表彰台を獲得しました。
11月5日(土)、6日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでFIA-F4の2022年第7大会(第13戦、第14戦)が行われました。
世界標準の規格に沿ったワンメイク車両で、未来のトップドライバーを目指す若手ドライバーがしのぎを削る同シリーズには、今季TGR-DC RSの支援を受け、シリーズ3年目を迎える荒川と、昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップした18歳の平安山良馬(TGR-DC RSフィールドF4)、17歳の小林と16歳の中村仁(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフル参戦しています。
ここまでの12戦で、荒川は未勝利ながら、前大会オートポリスで連続2位に入るなど表彰台7回でランキング3位。中村はSUGO大会の第10戦で参戦初年度ながら初優勝を飾り、目下ランキング5位、小林は第9戦で3位表彰台を獲得しランキング6位につけています。
予選
5日(土)雲は多いものの青空も覗く空模様ながら、気温は11度ほどと肌寒さを感じるコンディションの中、午前8時25分より予選が行われました。
今大会も39台のエントリーがあり、2グループに分けてそれぞれ20分ずつの予選を実施。A組ではTGR-DC RSドライバー平安山のみが出走。一時は3番手につけていましたが、ライバルもタイムを上げてきた終盤のアタックで遅い車両に引っかかり、ベストタイムは7番手、セカンドベストタイムは5番手となりました。
B組では、セッション中盤の赤旗中断から再開された後、荒川と小林がトップタイムを争う展開となり、これを制した小林がベスト、セカンドベスト共にトップタイム。小林のタイムはA組のトップタイムを上回ったため、小林が2戦共にポールポジションを獲得することとなりました。小林は悪天候により予選が中止となり、前戦のベストタイムで決定された第6戦以来2度目のポールポジション獲得となりました。
荒川はベスト、セカンドベスト共に2番手で、グリッドは第13戦、第14戦共に2列目3番手。中村はセッション中盤まで上位を争いましたが、超僅差となった4番手争いで僅か0.067秒差のベスト6番手。セカンドベストは5番手となりました。
第13戦決勝
予選の後、午後1時20分より第13戦の決勝(13周)が行われました。
ポールポジションの小林はスタートを決めて首位をキープ。1周目から2位の小出峻(HFDP RACING TEAM)に激しく迫られますが、なんとかポジションを守ると、その後はじりじりと差を広げていきました。
レースは5周目に接触車両がコース上に停まったことでセーフティカーが導入。7周目に再開されましたが、8周目にもまた別の車両がコースアウト後グラベルに停まってしまったことで2度目のセーフティカー。首位の小林はこの2度のセーフティカーからの再スタートを上手く決め、首位をキープ。最後は後続との差を広げてトップチェッカー。ポール・トゥ・ウィン、ファステストラップも記録する完全勝利で、カートからの4輪レースステップアップ参戦初年度にして初勝利を飾りました。
2列目3番手スタートの荒川は、3位のポジションのまま、終盤には2位を行く小出に迫りましたが、逆転には到らず3位でフィニッシュ。今季8度目の表彰台獲得となりました。
11番手からスタートした中村は、1周目に7位までジャンプアップ。中盤抜きつ抜かれつの激しいバトルを繰り広げ、7位でチェッカー。平安山は14番手スタートから8周目には11位まで順位を上げ、9位争いの集団に加わりましたが、前を行く車両と接触し、フロントウィングを破損。戦線離脱となりました。
第14戦決勝
6日(日)午前8時20分より、今季最終戦となる第14戦の決勝レースが行われました。空は快晴ながら、気温は10度、路面温度も12度と低く、序盤はタイヤが暖まっていない難しいコンディションでのレースとなりました。
スタートでは、後方集団で多重クラッシュが発生。1周目からセーフティカーが導入されました。5周目にレースが再開されると、トップの小林に小出が迫り、2台はサイド・バイ・サイドのまま周回。3コーナーでアウト側となった小林が僅かにコースを外し、その隙に小出と共に後続の荒川らも小林をパス。3番手スタートの荒川は2位へ上がったものの、小林は4位へとポジションを落としてしまいました。
その直後、後方グループでコースオフした車両がストップし、この日2度目のセーフティカー導入。レースは9周目に再開、30分間の時間レースとなり、当初の13周より短い、11周でチェッカーとなりました。
荒川は2位でフィニッシュ。今季9度目の表彰台を獲得し、ランキングは3位でシーズンを終えました。
小林は終盤、4位争いで再び3コーナーでオーバーラン。これをかわした中村が5位、小林は6位でフィニッシュ。この結果、シリーズランキングでは中村が4位、小林は6位となりました。平安山は10番手スタートから2つポジションを落としましたが、前の車両がクラッシュで脱落したことで、8位でフィニッシュ。シリーズランキングは14位で終えることとなりました。