2025年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第5大会(第13,14,15戦)富士TGR-DCドライバーの小林利徠斗が第14戦で今季初勝利、第15戦で3位、エステバン・マッソンが第13戦で2位表彰台獲得

2025.09.09(火)- 15:00配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの第5大会(第13,14,15戦)が富士スピードウェイで行われ、TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)育成ドライバーの小林利徠斗(TOM‘S)が第14戦でポール・トゥ・ウィン。独走で今季初勝利を飾りました。小林は続く第15戦でも11番手と後方のスタートから怒濤の追い上げを見せ3位表彰台。第13戦ではエステバン・マッソン(TOM'S)が自己最高位タイの2位表彰台を獲得しました。

TGR-DCドライバーの小林利徠斗が第14戦で今季初勝利、第15戦で3位、エステバン・マッソンが第13戦で2位表彰台獲得

 9月6日(土)、7日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで2025年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の第5大会(第13戦、第14戦、第15戦)が開催されました。
 全6大会18戦で争われている今季の同シリーズも、残り2大会6レースとなりました。
 1大会4レースで行われた前大会では、佐野雄城(TOM’S)が4戦全てで2位フィニッシュに終わり、タイトル争いでは厳しくなりましたが、小林、マッソンと共にひとつでも多くの上位フィニッシュを目指し、今大会に挑みました。

予選

 6日(土)午前9時5分より、第13戦と第14戦の予選が各10分間ずつ行われました。第15戦は第13戦の決勝結果でスターティンググリッドを決定します。
 台風の影響で前日に予定されていた専有走行時間が限られたため、急遽予選前に30分間の専有走行セッションが設けられ、その40分後に予選が開始されました。
 空は台風一過の晴天。第13戦の予選は、小林が2番手、佐野は小林に0.042秒及ばず3番手、マッソンは6番手となりました。
 10分間のインターバルを経て行われた第14戦の予選は、小林がセッション最後にトップタイムを塗り替え、今季初となるポールポジションを獲得。佐野は5番手、マッソンが6番手となりました。

第13戦決勝

 併催レースでクラッシュが発生し、コース修復に時間を要した影響で、当初の予定から20分遅れの午後1時25分より、今大会最長の21周で争われる第13戦決勝が行われました。
 2番手グリッドの小林がスタートで首位に立つと、3番手グリッドの佐野もポールポジションの野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)に並び、サイド・バイ・サイドのままアドバンコーナーで先行。小林、佐野が1-2体制に。
 佐野と野村の2位争いがさらに続く中、ダンロップコーナー進入で前にいた小林に佐野が僅かに接触。小林はスピンを喫し、最後尾へと順位を落としてしまいました。
 この結果、佐野が首位、6番手スタートからこの混乱をすり抜けたマッソンが2位で続く形に。しかし、小林に接触した佐野には決勝結果に5秒加算のペナルティが科されることとなってしまいました。
 佐野は周回毎に後続との差を広げていき、12周目には2位マッソンとの差は4秒に。13周目、野村がマッソンをかわして2位に浮上しましたが、佐野はさらに差を広げ、14周目を終えたところで2位野村との差は5.1秒。そのまま差を保てば佐野はペナルティを科されても優勝できる状況となり、5秒の差を巡ってバトルが続きました。
 しかし、マスタークラスの車両がトラブルでコース上に停まってしまったため、17周目にセーフティカー(SC)が出され、万事休す。
 20周目、残り2周で再スタートが切られ、佐野は首位の座を守ってチェッカーを受けましたが、SCで帳消しとなった後続とのマージンを再び広げるには至らず。
 3位でチェッカーを受けたマッソンが2位表彰台を獲得。佐野は5秒加算の結果5位。小林は7位でチェッカーを受けましたが、ジャンプスタートの判定で決勝結果に10秒加算のペナルティが科され、11位に終わりました。

第14戦決勝

 7日(日)午前9時5分より、晴れ、気温28度のコンディションの中、15周で争われる第14戦の決勝が行われました。
 ポールポジションからスタートを切った小林は、首位をキープ。5番手スタートの佐野、6番手スタートのマッソンがそれぞれひとつずつ順位を上げました。
 小林は、3周目にファステストラップをマークすると、2位争いを繰り広げる後続をじりじり引き離していき独走状態に。
 一方、4位に上がった佐野はペースが上がらず、前を行く2位争いの2台からは引き離される展開に。その後方ではマッソンが激しい5位争いを繰り広げました。
 小林は最終的に2位に4.59秒の差をつけてポール・トゥ・ウィン。独走で今季初勝利を飾りました。佐野は4位。マッソンが5位でポイント獲得を果たしました。

第15戦決勝

 午後1時5分より、第15戦決勝が15周で行われました。
 第13戦決勝結果により、マッソンが2番手、佐野は5番手、小林は11番手からスタート。
 2番手スタートのマッソンが出遅れ、中団グループでも4,5台が並んだままTGRコーナーに進入していくバトルとなる中、11番手スタートの小林が一気に7位へとポジションアップ。佐野は5位、マッソンは8位へと大きく順位を落としてしまいました。
 2周目、佐野と小林はそれぞれ1台パスして4位、6位に。4周目、小林は5位に順位を上げました。
 4位の佐野は、前を行く三井優介(DELiGHTWORKS RACING)と激しい3位争いを展開。このバトルに小林も追いつき、三つ巴の争いとなりました。
 10周目、TGRコーナーでアウトから仕掛けた小林がコカ・コーラコーナーで佐野をかわし、4位へ浮上。14周目、小林はTGRコーナーで前を行く三井のインをつくと、2台は並んだまま走行を続けますが、後方からこのバトルの間隙を突いた佐野が、アドバンコーナーで一気に2台をパス。しかし、この3台のバトルは終わらず、ファイナルラップのTGRコーナーでも3台はサイド・バイ・サイドの息を飲むようなバトルを続けました。
 三井がトラブルでコースオフを喫した後も、佐野と小林のバトルは続き、これを制した小林が3位でチェッカー。今大会2度目の表彰台を獲得。佐野は4位に終わり、タイトルを争っていた野村が優勝したことで、今季のシリーズチャンピオンは最終大会を待たずに野村に決定しました。

佐野 雄城(TOM'S #35)
エステバン・マッソン(TOM'S #36)
小林 利徠斗(TOM'S #38)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 50 野村 勇斗 B-MAX RACING TEAM 21 36'08.127 1 1'33.028
2 36 エステバン・マッソン TOM'S 21 1.244 6 1'33.874
3 37 古谷 悠河 TOM'S 21 1.808 5 1'33.867
4 3 三井 優介 DELiGHTWORKS RACING 21 2.660 4 1'33.441
5 35 佐野 雄城 TOM'S 21 3.026 3 1'33.290
6 51 ザック・デビッド B-MAX RACING TEAM 21 3.522 7 1'33.949
7 60 伊東 黎明 LM corsa 21 5.954 10 1'34.030
8 58 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 21 6.372 8 1'34.009
9 1 卜部 和久 B-MAX RACING TEAM 21 10.300 9 1'34.017
10 30 DRAGON B-MAX RACING TEAM 21 12.486 12 1'35.833
11 38 小林 利徠斗 TOM'S 21 13.662 2 1'33.248
12 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 21 14.659 13 1'36.020
R 8 清水 康弘 GNSY RACING 14 7Laps 11 1'35.273

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第14戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 38 小林 利徠斗 TOM'S 15 23'45.602 1 1'33.376
2 3 三井 優介 DELiGHTWORKS RACING 15 4.590 4 1'33.546
3 50 野村 勇斗 B-MAX RACING TEAM 15 5.316 2 1'33.482
4 35 佐野 雄城 TOM'S 15 8.515 5 1'33.660
5 36 エステバン・マッソン TOM'S 15 9.291 6 1'33.751
6 37 古谷 悠河 TOM'S 15 11.670 3 1'33.538
7 51 ザック・デビッド B-MAX RACING TEAM 15 21.798 9 1'33.969
8 60 伊東 黎明 LM corsa 15 24.259 10 1'34.245
9 58 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 15 28.322 7 1'33.889
10 1 卜部 和久 B-MAX RACING TEAM 15 33.968 8 1'33.912
11 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 15 49.703 12 1'35.998
12 30 DRAGON B-MAX RACING TEAM 15 52.732 13 1'36.003
13 8 清水 康弘 GNSY RACING 15 53.101 11 1'35.524

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第15戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 50 野村 勇斗 B-MAX RACING TEAM 15 23'50.458 1
2 37 古谷 悠河 TOM'S 15 0.977 3
3 38 小林 利徠斗 TOM'S 15 9.807 11
4 35 佐野 雄城 TOM'S 15 10.396 5
5 51 ザック・デビッド B-MAX RACING TEAM 15 13.302 6
6 58 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 15 15.756 8
7 36 エステバン・マッソン TOM'S 15 15.958 2
8 60 伊東 黎明 LM corsa 15 17.077 7
9 1 卜部 和久 B-MAX RACING TEAM 15 23.341 9
10 8 清水 康弘 GNSY RACING 15 46.195 13
11 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 15 46.938 12
12 30 DRAGON B-MAX RACING TEAM 15 1'02.125 10
13 3 三井 優介 DELiGHTWORKS RACING 14 1Lap 4

ドライバーズポイント
(全18戦中15戦終了時)

順位ドライバーチームポイント
1 野村 勇斗 B-MAX RACING TEAM 121
2 佐野 雄城 TOM'S 89
3 小林 利徠斗 TOM'S 64
6 エステバン・マッソン TOM'S 30