FIA-F4選手権の第5大会(第9戦、第10戦)がスポーツランドSUGOで開催され、TGR-DC RS育成ドライバーの酒井涼(TGR-DC RS F4)が、ウェットから乾いていく難しいコンディションとなった第9戦で初優勝を成し遂げました。
9月17日(木)から20日(日)にかけて、宮城県・スポーツランドSUGOでFIA-F4選手権の2026年第5大会(第9戦、第10戦)が行われました。
全7大会、14戦で争われている今季のFIA-F4は後半戦に入りました。今季の同シリーズでは、開幕戦富士の第1戦で五十嵐文太郎(TGR-DC RS F4)が初優勝、酒井涼もまだ勝利こそないもののここまでの8戦で4回の表彰台を獲得するなど、今季デビューの若手を含め、TGR-DC RS勢が速さを見せています。
なお、第2戦での初優勝を含む5回の表彰台でランキング2位につけている武藤雅奈は、8月下旬に出場した別カテゴリーのレースで負傷したため今大会は欠場。急遽代役として、現時点でKYOJO CUPのランキング首位に付ける富下李央菜(TGR-DC RS F4)がFIA-F4に初挑戦することとなりました。
予選
18日(金)午後1時10分より20分間でチャンピオンクラス(CHクラス)の予選が行われました。ベストタイムで第9戦、セカンドベストタイムで第10戦のスターティンググリッドが決定されます。
朝方は弱い霧雨が見られたものの天候は回復し、この予選は完全なドライコンディションで行われました。セッションが開始されて3分ほど経過し、各車これから本格的にアタックを始めようとした矢先にコース脇でストップした車両が出たため、いきなり赤旗中断に。
残り15分でセッションが再開されると、各車アタックを開始。4周目、濱邊誠己(TGR-DC RS F4)がトップに立ちましたが、翌5周目はライバルが上回り、濱邊は2番手に。各車は更なるタイムアップを目指しましたが、ここで五十嵐がSPコーナーを抜けたところでコースアウトしてクラッシュ。2度目の赤旗中断となってしまいました。
7分ほどの中断の後、セッションは残り4分で再開され、全車最後のアタックに望みをかけましたが、多くの車両が自己ベストを更新できず。
上位20台が1秒以内に入る僅差の争いとなった予選で、TGR-DC RS勢は、濱邊が第9戦3番手、第10戦4番手を獲得。三浦柚貴(TGR-DC RS F4)が第9戦7番手、第10戦6番手。酒井涼は第9戦9番手、第10戦は5番手。寺島知毅(TGR-DC RS F4)が第9戦14番手、第10戦10番手。五十嵐は第9戦17番手、第10戦27番手、富下は第9戦22番手、第10戦20番手となりました。
第9戦決勝
19日(土)午前9時20分より、17周で争われるCHクラスの第9戦決勝が行われました。直前に行われたインディペンデントクラス(INDPクラス)の決勝は朝からの雨により全車レインタイヤを装着して戦われましたが、CHクラス決勝が開始される頃には雨は止み、タイヤの選択が難しい状況でスタートを迎えることとなりました。
最前列を含むグリッド上位勢がレインタイヤを選択する中、2列目3番手グリッドの濱邊、9番手グリッドの酒井涼はスリックタイヤを選択。7番手グリッドの三浦はレインタイヤを選択しました。
スタートが切られると、当然レインタイヤ勢が先行し、スリックタイヤの濱邊は後続にかわされ、さらに3コーナーでスピン。18位まで順位を落としてしまいました。一方で、酒井涼はスリックタイヤながら5位へとジャンプアップを果たし、前を行く4台のレインタイヤ勢には引き離されながらも、後続を抑えて周回を重ねていきました。
数周すると路面の走行ライン上は乾き始め、タイヤの暖まった酒井涼はペースアップ。5周目にはレインタイヤ勢を上回るラップタイムをマークして追い上げを開始しました。一時6秒以上離されていたギャップを一気に縮めると、8周目には2台かわして3位へ。更に翌周の3コーナーから4コーナーで2位、そしてハイポイントコーナー立ち上がりで首位に立ちました。
その後も酒井涼は自己ベストタイムを更新しながら後続を引き離し、11周を終えた時点で2位との差は9秒近くにまで広がりました。
しかし13周目、レインタイヤで粘りながら12位を走行していた三浦が他車と接触。接触した車両がグラベルでストップしたため、セーフティカー(SC)が導入されました。
これで首位を独走していた酒井涼のマージンはなくなりましたが、そのままSC先導で残りの周回を走行してチェッカー。酒井涼は参戦初年度、9戦目にして念願の初優勝を飾りました。
17番手スタートから追い上げた五十嵐が6位、濱邊も序盤のスピンから巻き返して8位に入りポイント獲得。富下は難コンディションでのFIA-F4デビューレースを13位完走で終えました。三浦が15位、寺島は18位フィニッシュとなりました。
第10戦決勝
20日(日)は朝から霧雨に見舞われ、直前に行われたINDPクラスは全車レインタイヤを装着して実施。雨はCHクラスの決勝になっても止まず、全車レインタイヤを装着し、SC先導で午前9時20分より17周で争われる第10戦決勝が開始されました。
TGR-DC RS勢は濱邊が4番手、酒井涼が5番手、三浦が6番手に続いてのスタート。3周でSCが退去し、4周目から本格戦が開始されました。酒井涼は積極的に前を行く濱邊を攻め、最終コーナーからストレートにかけて濱邊のスリップストリームに入ると、1コーナー進入でインをついてかわし、4位へと浮上しました。
雨が降り続き、巻き上げる水煙により視界が悪い中での走行となり、その後は大きな順位変動のないまま周回が重ねられていきました。酒井涼は1秒以内の差で前車についていき、逆転のチャンスを伺いましたが叶わず。
14周目、19位を走行していた五十嵐が2コーナーでスピン。縁石に乗り上げて動けなくなってしまったためSCが導入されました。
このレースも残り周回が少なかったため、SC先導のままチェッカー。酒井涼は4位、濱邊が5位、三浦が6位でポイント獲得。寺島が13位、富下は24位でチェッカーを受けました。
今大会の結果、両レースで得点を稼いだ酒井涼が欠場した武藤をかわしてドライバーズランキング2位に浮上しました。







