TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)は2022年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)に、新たなドライバーラインナップとマネジメント体制による、さらに強化された参戦体制で臨みます。
TGRはドライバーファーストで、家庭的なチームづくりを最優先にチーム体制の改善を進めています。このプロセスを加速するために、新たに小林可夢偉と中嶋一貴がチームマネジメントに参加し、WECのプロジェクトの「もっといいクルマづくり」への貢献度を高めていきます。
小林は、これまで通りドライバーとしてGR010 HYBRIDでレースに出場するのと並行して、TGR WECチームのチーム代表という新たな任につきます。2度のWECチャンピオンに輝き、今年のル・マン24時間レースを制した小林は、ドライバーの視点を活かしてチームを牽引し、ハイパーカー時代のチーム強化に注力していきます。
中嶋はドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO Racing Europe(TGR-E)の副会長に就任します。中嶋はTGR-Eでチーム及びドライバーのマネジメントの責を担うとともに、WECにおけるドライバーに焦点を当てた組織づくりを進めていきます。
小林と中嶋、共に2003年にフォーミュラ・トヨタで4輪レースキャリアを開始して以来、トヨタのモータースポーツの一員として戦ってきたこの2人は、次の役割として、ハイパーカークラスで複数のマニュファクチャラーが競い合うこととなる2023年へ向けた、TGRの新たな挑戦への準備を進めていくことになります。
小林は2022年シーズンもこれまで通りドライバーとして、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスとのトリオでGR010 HYBRID 7号車のステアリングを握り、ドライバーズタイトルの防衛とル・マン24時間レース連覇に挑みます。
GR010 HYBRID 8号車はセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーが引き続きドライバーを務めますが、2022年シーズンは新たなチームメイトとして、平川亮を迎えます。2017年のSUPER GTチャンピオンを獲得するなど日本国内のレースで輝かしい活躍を見せている期待の若手である平川は、既にGR010 HYBRIDのテストに参加しており、中嶋一貴に代わって8号車のドライバーとなります。
TGR WECのマネジメントチームは、2022年1月1日付で新たな体制に移ります。これにあわせて、TGR World Rally Team(WRT)でプロジェクト・ディレクターを務めている春名雄一郎が、WECチームでも同様にプロジェクト・ディレクターの任につきます。
小林可夢偉:
私を信頼してこの様な重責を任せてくれた豊田社長、佐藤プレジデント、TOYOTA GAZOO Racingに感謝します。大きなチャレンジであると共に、大きなチャンスでもあるこの新たな役割を成功させるために全力を尽くすつもりです。世界選手権をドライバーとしてだけでなく、チーム代表としても戦うことを楽しみにしています。この新たな仕事に、私のレースドライバーとしての全ての経験を活かしていくつもりですし、とても良く知っている素晴らしいチームが私のミッションに協力してくれるでしょう。多くの新しいマニュファクチャラーが戦いに加わってくるWECのハイパーカー新時代に向けて、我々TOYOTA GAZOO Racingも新たな挑戦へ向けての変革と準備を進めています。今回の新たなチーム体制への変更は、我々が油断することなく新たな戦いに挑むために重要なステップです。一貴がチームに留まってくれることをとても嬉しく思いますし、彼のドライバーとしての視点は間違いなくTGR-Eのマネジメントを強化してくれるはずです。彼と共に「もっといいクルマづくり」を進めていくのが楽しみです。そして耐久レースにおける新世代ドライバーとして亮が加わってくれることを歓迎します。彼はチームや仲間のドライバーのサポートを受けながら、必ずWECで大きな成功を収めてくれるでしょう。
中嶋一貴:
私にとって家族のような存在であるWECチームの仲間と、これからもTOYOTA GAZOO Racingの一員として一緒にやっていくことになるのを嬉しく思います。TGR-Eでの新たな私の役割に順応していく必要はありますが、ドイツ・ケルンの多くの仲間とは既にいい関係を築いているので、これから始まることを楽しみにしています。WECはTGR-Eが関わっている多くのエキサイティングなプロジェクトの中のひとつですが、全てのプロジェクトが目指しているのは「もっといいクルマづくり」です。これらのプロジェクトに貢献し、TGR-EとWECプロジェクトを強化するために、全力を尽くすつもりです。大きな責任のある仕事を任されることになりますが、このポジションを用意してくれた豊田社長、佐藤プレジデント、そしてTOYOTA GAZOO Racingに本当に感謝しています。レーシングドライバーとして20年近く活動してきた、私のモータースポーツにおける経験や知識を活かすことができる新たな仕事が本当に楽しみです。
平川亮:
TOYOTA GAZOO Racing WECチームの一員、それもセバスチャンとブレンドンと共に8号車のドライバーになると決まって、ドキドキしています。私自身は既にGR010 HYBRIDを3回テストしていますが、そのたびにクルマの理解を深めています。学ぶべきことはまだたくさんありますし、もっと、さらに自分自身を鍛えられると思っているので、プレシーズンテストが始まるのが楽しみです。ル・マン24時間レースは私のレースキャリアにおいても大きな目標であり、既に2度LMP2クラスで参戦していますが、ハイパーカーで、あのサルト・サーキットを走り、優勝を目指して戦うことが待ち遠しいです。私を信頼し、支援してくれたトヨタ、またTOYOTA GAZOO Racingの皆様に感謝いたします。耐久レース界のレジェンドドライバーである一貴さんに代わる、このチャンスを本当に光栄に思います。
平川亮
- 出生
- 1994年3月7日 広島生まれ
- 現在住地
- 広島県
- 身長
- 177cm
- 体重
- 66kg
主なレース経歴
- 2008
- 全日本ジュニアカート選手権 チャンピオン
- 2009
- 全日本カート選手権 2位
- 2010
- フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン シリーズ6位
スーパーFJジャパン シリーズチャンピオン
スーパーFJ岡山シリーズ チャンピオン - 2011
- フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン シリーズ2位(1勝)
フォーミュラ3西日本シリーズ シリーズチャンピオン - 2012
- 全日本F3選手権 シリーズチャンピオン(7勝)
マカオグランプリ リタイア
ポルシェ・カレラカップ・ジャパン シリーズチャンピオン(7勝)
フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン シリーズ2位(5勝) - 2013
- スーパーフォーミュラ(チーム・ル・マン)シリーズ11位
インタープロトシリーズ チャンピオン(2勝) - 2014
- スーパーフォーミュラ(チーム・ル・マン)シリーズ8位
SUPER GT(TOM’S) シリーズ11位
スーパー耐久 ST1クラス シリーズチャンピオン(3勝)
インタープロトシリーズ チャンピオン(3勝) - 2015
- スーパーフォーミュラ (チーム・ル・マン) シリーズ8位
SUPER GT (TOM’S) シリーズ5位(2勝)
インタープロトシリーズ チャンピオン(3勝) - 2016
- ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(Thiriet by TDS)シリーズ5位(2勝)
ル・マン24時間レース(Thiriet by TDS)リタイア
SUPER GT (TOM’S)シリーズ9位 - 2017
- ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(G-Drive)シリーズ4位(2勝)
ル・マン24時間レース(G-Drive)総合39位 (LMP2クラス17位)
SUPER GT (TOM’S) シリーズチャンピオン(2勝) - 2018
- スーパーフォーミュラ (チーム・インパル)シリーズ5位
SUPER GT (TOM’S) シリーズ2位(1勝) - 2019
- スーパーフォーミュラ (チーム・インパル)シリーズ10位(1勝)
SUPER GT (TOM’S) シリーズ2位(1勝) - 2020
- スーパーフォーミュラ (チーム・インパル)シリーズ2位(1勝)
SUPER GT (TOM’S) シリーズ2位(1勝) - 2021
- スーパーフォーミュラ (チーム・インパル)シリーズ4位
SUPER GT (TOM’S) シリーズ7位