WEC2022年シーズン 第3戦 ル・マン24時間 決勝6時間経過TOYOTA GAZOO Racing、
最前列からル・マン24時間レーススタート
GR010 HYBRID 7号車が首位、8号車が2位で走行中

2022.06.12(日)- 07:30配信

 6月11日(土)現地時間午後4時に、2022年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦 第90回ル・マン24時間レースの決勝のスタートが切られました。最前列で並んでスタートを切ったTOYOTA GAZOO Racingの2台のGR010 HYBRIDは、スタートから1-2体制を堅守。時に互いに順位を入れ替えながら、6時間を終えた現地時間午後10時時点で、僅差での首位争いを繰り広げています。

最前列からル・マン24時間レーススタートGR010 HYBRID 7号車が首位、8号車が2位で走行中

 レースは4分の1を終え、コースが闇に包まれ始めた6時間経過時点で、ディフェンディングウィナーである小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車が8.049秒差でレースをリードしています。

 チームにとって、5連覇を目指す今年のル・マン24時間の序盤戦は大きな波乱なく周回が続けられており、ポールポジションからスタートを切ったセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車が2位で続いています。

 決勝レース開始直前、スタートセレモニーの一環として、中嶋一貴が往年のグループCカー、トヨタトムス85Cで昨年2021年の優勝トロフィー返還を行い、注目を浴びました。このトヨタトムス85Cは、37年前にトヨタが初めてル・マンに挑戦したとき、中嶋一貴の父である中嶋悟氏がドライバーの一人としてステアリングを握った車両です。

 好天に恵まれたル・マン・サルト・サーキットの気温は25度、路面温度は50度を越える暑さとなりましたが、グランドスタンドを埋め尽くした観客が見守る中、現地時間午後4時に、2台のGR010 HYBRIDが62台の出場車を従え、最前列からスタートを切りました。ポールポジションの8号車はセバスチャン・ブエミが順当なスタートを切り、2番手のマイク・コンウェイがこれに続く1-2体制で周回を開始しました。

 スタートから40分ほどで、まず7号車が給油のためにピットへ。翌周に8号車がピットイン、コース復帰時には、7号車が前に出て、順位が入れ替わりました。その後、7号車のコンウェイは2スティント、計3スティントを走行し、スタートから2時間を過ぎたタイミングでホセ・マリア・ロペスへとドライバーチェンジ。その1周後に3スティントを走り終えた8号車のブエミもピットへ向かい、ブレンドン・ハートレーへと交代しました。

 交代した7号車のロペスは、4時間目に入るときには約20秒まで8号車との差を拡げましたが、8号車のハートレーは最速ラップを更新するハイペースで追い上げ、スローゾーンの不運なタイミングも相まって、2台の差は縮まりました。

 さらに、ロペスは3スティント目のピットアウト直後にコースオフを喫し、タイムロス。このチャンスを逃さず、ハートレーの8号車が首位を奪還。2台のGR010 HYBRIDはテール・トゥ・ノーズのまま周回を重ね、ドライバーチェンジのためにピットへと向かいました。

 4時間を過ぎたタイミングで7号車は小林可夢偉へドライバーチェンジ。翌周には8号車がピットへ向かい、交代した平川亮は自身初めてとなる、総合首位での周回を開始しました。7号車の小林は2位を走行、3位のグリッケンハウスとは十分な差を拡げました。しかし、8号車の平川がGTクラス車両の処理でタイムをロスしたため、ピットインで2台の順位は入れ替わり、7号車が首位を奪い返しました。

 コース上のトラフィックが刻々とレースの状況を変えていく中、2人の日本人がドライブするGR010 HYBRIDの2台は僅差で首位を争いながら、闇に包まれていくサルト・サーキットでの走行を続けています。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 全体として私のスティントは問題なかったです。序盤は攻めようかとも思ったのですが、他の車両がタイヤ摩耗に苦しんでいるのがわかったので、とにかく3スティントを通して着実に、可能な限りタイヤを温存する走りを心掛けました。スタートは上手く行きましたし、ミスのないように走りました。良いペースを維持しながら後続を引き離そうとしました。グリッケンハウスとは十分な差を築けましたが、まだまだ序盤ですのでプッシュを続けます。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

 リードを失ってしまったのはちょっと残念ですが、長いレースですし、いろいろなことが起こりえます。コース上のトラフィックをかわすのは大変で、特に2スティント目と3スティント目は良いリズムが掴めずに、ブレンドンに詰められてしまいました。スローゾーンでも大きくタイムを失い、ピットストップ直後にコースオフしたことで彼にかわされてしまいました。とは言え、GR010 HYBRIDはとても好調ですし、首位を争えていることにも満足しています。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 私のスティントはちょっと苦しみました。最初のスティントでタイヤを酷使しすぎてしまい、続くスティントも大変でした。バランスも完璧ではありませんでしたが、レースが進んで、夜になって路面温度が下がれば我々も良くなると思います。やや不満の残るスタートになってしまいましたが、GR010 HYBRIDのポテンシャルは高いですし、まだ先は長いです。今のところは全てが順調と言っていいと思います。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

 私自身のスティントはクリーンに走れました。午前中のウォームアップ走行後、車両のバランスを僅かに修正し、セバスチャンの最初のスティントでリアタイヤにダメージを追いましたが、そこから学びを得られましたし、今後の走行ではリアタイヤを大事にする走りをしていくことになります。車両バランスはこれから夜になって涼しくなれば、改善していくと思います。我々のGR010 HYBRIDは速いです。3度目のスティント序盤にホセをパスし、首位に立つことが出来ましたが、まだ2台の差は僅かです。

WEC第3戦ル・マン24時間 決勝 6時間経過時点(総合順位)

順位No.ドライバー名チーム/車種周回トップとの差
17マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
98
28セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
988.049
3708オリビエ・プラ
ロマン・デュマ
ルイス・フェリペ・デラーニ
グリッケンハウス・レーシング/
グリッケンハウス 007 LMH
982:43.465
4709ライアン・ブリスコー
リチャード・ウェストブルック
フランク・マイルー
グリッケンハウス・レーシング/
グリッケンハウス 007 LMH
983:25.878
538ロベルト・ゴンザレス
アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
ウィル・スティーブンス
JOTA/
Oreca 07-Gibson
962 Laps
トヨタトムス85Cで昨年2021年の優勝トロフィー返還を行った