WEC2022年シーズン 第3戦 ル・マン24時間 決勝18時間経過TOYOTA GAZOO Racing、
レースは朝を迎え、GR010 HYBRIDは1-2体制を堅守

2022.06.12(日)- 19:30配信

 2022年FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦 第90回ル・マン24時間レースは夜間走行を終えて朝を迎え、レースの4分の3,18時間を経過し、最後の6時間へと突入しました。TOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRIDは、1-2体制を守ったまま、5連覇に向けて走行を続けています。

レースは朝を迎え、GR010 HYBRIDは1-2体制を堅守

 このル・マン24時間レースは1年で最も夜の短い夏至に近い週末を選んで行われるため、この地域が夜を迎えるのは午後10時過ぎですが、その後は闇の中をヘッドライトだけを頼りに疾走する夜間走行が続きました。朝を迎えた16時間近くまで、2台のGR010 HYBRIDは数秒差という僅差での首位争いを繰り広げていました。

 18時間を終えた時点で、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が首位を走行。ディフェンディングウィナーである小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車はフロントモーター関連の電装系トラブルに見舞われ、ほぼ1周差の2位で続いています。

 9日(木)に行われたハイパーポールで、ハートレーがドラマティックな最終盤のアタックでポールポジションを獲得した8号車は、レース序盤こそ首位を守ったものの、その後は7号車と互いにペースをコントロールしながら何度も首位を入れ替えるバトルが続きました。7号車のスタートを担当したコンウェイは、最初のピットストップで首位を奪いましたが、2時間後、交代したロペスがコースオフを喫したのと、タイミング悪く出されたスローゾーンに阻まれ、8号車に首位の座を譲ることとなりました。

 その後、8号車のステアリングを引き継いだ平川は、初めてのル・マンでの首位走行を続けましたが、5時間経過したところで周回遅れのGTクラス車両に阻まれたところを小林にかわされ、7号車が首位に立ちました。しかし、レースが折り返しを迎える頃には、ペースで上回る8号車が、スローゾーンでタイムを失った7号車をかわしました。

 7号車は14時間経過時に、スローゾーンが出された幸運なタイミングでピットインしたことで首位を奪い返し、2位との差を30秒ほどに広げ、また15時間経過時、8号車がタイヤのパンクに見舞われ、さらにその差が広がりました。

 しかし、午前8時を迎えるころ、256周目に首位を走行していたロペスの7号車にフロントモーター関連の電装系トラブルが発生、ロペスはコース脇に車両を一旦停め、システム再起動を行いました。再び走行を開始した7号車はピットへ向かい、3分7秒のピットストップで修復。8号車からは約1周遅れながら2位で無事にコースに復帰しました。

 その後、7号車はさらにスローパンクチャーにも見舞われましたが、3位のグリッケンハウス709号車とは十分な約4周の差がついています。18時間を終えた時点で、ハートレーのドライブする8号車がレースをリードし、続く7号車はロペスが引き続きドライブしています。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

 ここまで2回の走行をこなし、どちらも上手く走り切りましたが、コース上のトラフィックにより、走行はとても難しかったです。周回遅れの車両に阻まれタイムロスしたくなかったのですが、2台が非常に接近したバトルを繰り広げている状況であっても、リスクを避けることは重要です。我々の7号車は首位を走っていただけに、トラブルに見舞われたのは少し残念ですが、24時間レースではまだ何が起こるかわからないので、最後まで集中して戦い続けなくてはなりません。我々7号車は2位につけていますが、TOYOTA GAZOO Racing、チームとしての目標は1-2フィニッシュであり、その目標に向けて順調に走り続けています。まだレースは続きますし、良い状態で戦えているので、最後までプッシュを続けます。

平川亮(8号車 ドライバー):

 GR010 HYBRIDでル・マンを走るのは本当に楽しいです。最初の走行では、終盤に日が沈んで行く状況だったので、いくつかのコーナーでは先が見えず大変でした。2回目の走行は真っ暗な闇の中での走行でしたが、本当に特別な感覚でした。我々の車両は本当に速く、チームもレース戦略やピットストップ時の素晴らしい仕事で支えてくれています。レースはまだ6時間も残っているので、ミス無く、またトラブルも無いようクリーンに走り続ける必要があります。

WEC第3戦ル・マン24時間 決勝 18時間経過時点(総合順位)

順位No.ドライバー名チーム/車種周回トップとの差
18セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
287
27マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2874:21.258
3709ライアン・ブリスコー
リチャード・ウェストブルック
フランク・マイルー
グリッケンハウス・レーシング/
グリッケンハウス 007 LMH
2834 Laps
438ロベルト・ゴンザレス
アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
ウィル・スティーブンス
JOTA/
Oreca 07-Gibson
2798 Laps
59ロバート・クビサ
ルイ・デレトラズ
ロレンゾ・コロンボ
プレマ・オーレン・チーム/
Oreca 07-Gibson
2789 Laps
7号車
7号車と8号車