WEC2023年シーズン 第5戦 モンツァ6時間 プレビューTOYOTA GAZOO Racing、
タイトル防衛を目指し、シーズン後半初戦のモンツァに挑む

2023.07.03(月)- 17:00配信

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2位に終わったル・マンから1か月、次戦の勝利を目指しイタリアの伝統のコースで7月7日(金)から9日(日)にかけて開催される2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦モンツァ6時間レースに挑みます。

タイトル防衛を目指し、シーズン後半初戦のモンツァに挑む

 4週間前、チームは5年連続で制してきた伝統のル・マン24時間100周年記念大会に挑み、32万人もの大観衆が見守る中、大波乱となった24時間レースで最後までエキサイティングな優勝争いを繰り広げました。

 今週末、チームは北イタリアのモンツァへと向かいます。このコースは今年のル・マンを制したフェラーリの本拠地ですが、WECのドライバーズ、マニュファクチャラーズの両チャンピオン防衛のためにも、TGRは再び表彰台の中央に上ることを目指します。

 ル・マン24時間で最後の最後まで激しい首位争いを繰り広げ、惜しくも2位フィニッシュとなったセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、優勝は逃したもののドライバーズ選手権では、3戦を残して25ポイントリードの首位に立っています。

 ル・マンでは他車に追突されるという不運なアクシデントによりリタイアに終わった小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、タイトル争いでの逆転の可能性はかなり厳しいものとなりましたが、更なる上位ランキング獲得、そして、チームのタイトル防衛のためにも今季3勝目を目指します。

 TGRは、マニュファクチャラータイトル争いにおいてフェラーリに18ポイント差の首位につけて、ライバルの本拠地へと乗り込むことになります。1周5.793kmのモンツァ・サーキットは、ハイパーカーでの1周平均速度が220km/hを越える超ハイスピードサーキットで、ル・マンに続き、シーズンで2番目に平均速度が高いコースです。

 モンツァはトヨタのモータースポーツ史においても特別なサーキットで、1992年のモンツァ1000kmレースで、ジェフ・リースと小河等のドライブするトヨタTS010 グループCカーにより、トヨタが世界選手権で初めて勝利を挙げたコースでもあります。2012年にTGRがハイブリッド車でWECに参戦を開始してからは、チームは2度モンツァでレースを戦っており、7号車の3名が2021年に勝利。昨年はGR010 HYBRID 8号車が2位フィニッシュを果たしています。

 2023年の挑戦は7日(金)、2度の1時間半の練習走行で開始されます。8日(土)は午前中の最終練習走行に続き、決勝のスターティンググリッドを決定する予選が行われます。6時間の決勝レースは現地時間午後12時半(日本時間午後7時半)にスタートが切られます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

 ル・マンでは、我々はチームとしてできる限り全てのことを行い、また、クルマのパフォーマンスを最大限に引き出し、ドライバーも全部出し尽くしました。モンツァでも同様に全力で挑み、良い結果を目指していきます。今の我々にとって最優先事項は両チャンピオン防衛であり、フェラーリとのタイトル争いはさらに苛烈になるでしょう。現時点で、ポイントでは我々の方が上位にいますが、直近の2戦では彼らの方が速さを見せています。今週末も厳しい闘いになると思いますが、絶対に諦めることなく戦い続け、コンマ1秒を削るために常にプッシュし続けます。今大会も大観衆と素晴らしい雰囲気の中での戦いになるでしょうし、レースが楽しみです。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 ル・マンから僅か数週間でまたレースの現場に戻れるのは、全てを過去のこととして気分を変えられるという意味で悪くはないです。残念ながら我々のチャンピオン獲得は厳しいものとなってしまいましたが、これでこれからの目標は純粋に残り3レースでの勝利に絞られます。まずはモンツァで表彰台の中央に立てるようハードにプッシュしていきます。再びレースを戦うのが楽しみです。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

 モンツァでレースを戦うのは本当に楽しいです。幾つかの高速コーナーと、素晴らしい雰囲気を持つ昔ながらのコースで、そういう意味ではル・マンに似ています。モンツァではWECでの私のキャリア初期からこれまで多くの良いレースを戦っており、中でも2021年のモンツァ戦の勝利がその年のドライバーズチャンピオン獲得につながったので、最高の思い出の場所でもあります。そして、昨年も我々のクルマは速く、アクシデントに見舞われるまではレースを支配していました。今年はこれまでよりも厳しい戦いにはなるでしょうが、良いレースができると思います。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 モンツァでレースを戦うのが楽しみです。特に今年は、これまで以上に特別な雰囲気になるでしょう。私自身、レースキャリアの中で、イタリアで過ごしていた時間が長いので、イタリアに戻れるのは嬉しいですし、ファンの皆様に会えるのも楽しみです。もちろん今年は他のチームへの応援が大きいとは思いますが、熱狂的なファンの皆様の前でレースができるのは素晴らしいことです。チャンピオン争いも僅差になってきて、残りのレース全てが重要ですので、この週末も全力で挑みます。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

 ル・マンが終わってからわずかな時間でチャンピオン争いへと意識を切り替えなくてはなりませんが、チームは、モンツァからの今季残り3戦へ向け闘志を燃やしています。フェラーリの速さはよくわかっているので、簡単にはいかないでしょう。しかし、我々もル・マンでファイティングスピリットをしっかり示しましたし、モンツァでは表彰台の中央に上る決意で臨みます。完璧なレースウィークを戦う必要があることはわかっていますし、挑戦への準備はできています。

平川亮(8号車 ドライバー):

 大変なレースだったル・マンからわずかなインターバルでまたGR010 HYBRIDに乗れるのは嬉しいです。もうル・マンは過去のことで、我々は強くなって戻ってきます。モンツァはよく知っており、8号車で昨年2位に入っていますし、数年前にはヨーロピアン・ル・マンシリーズでも勝ったことがあります。非常にハイスピードで走っていて楽しいコースですし、我々に合っているコースだと感じます。このレースウィークも全力でクルマの改良を続け、上位を争えるよう頑張ります。