WEC2023年シーズン 第6戦 富士6時間 プレビューTOYOTA GAZOO Racing、
チャンピオン獲得へ向け、ホーム「富士」での6連覇を目指す

2023.09.04(月)- 17:00配信

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はこの週末、静岡県の富士スピードウェイで行われるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間レースで6連覇を目指し臨みます。

チャンピオン獲得へ向け、ホーム「富士」での6連覇を目指す

 TGRは2012年に現行の世界耐久選手権に復帰して以来、9回行われた富士戦で、直近の5連勝を含む8勝を挙げており、TGRにとってのホームコースである富士は、チームにとって最も好成績を残しているサーキットでもあります。

 東京の西方約100kmに位置し、長い歴史を持つ富士スピードウェイは、TGRとGR010 HYBRIDにとってのホームコースです。GR010 HYBRIDのハイブリッド・パワートレーンは、富士スピードウェイ近郊に位置するトヨタ自動車の東富士研究所で設計、開発、及び、組立が行われています。

 全7戦で競われているWEC2023年シーズン、TGRは今季5勝目を目指し、この「ホーム」富士で勝利することでTGRは5シーズン連続でのマニュファクチャラー世界チャンピオンを決められる可能性があります。TGRは目下ハイパーカークラスのライバルであるフェラーリに対し、26ポイント差でリードしており、富士戦後でさらに13ポイント差をつけることができれば、最終戦を待たずしてタイトルが決まります。

 ドライバーズチャンピオン争いは、数字の上では上位6台が残り2戦でタイトル獲得の可能性を残していますが、事実上、TGRの7号車と8号車にフェラーリの2台を加えた4台のドライバーによる争いとなっています。その差は僅差のため、ドライバーズチャンピオンは11月4日(土)に決勝を迎える最終戦バーレーンまで決まることはありませんが、今大会富士での結果は、もちろんタイトル争いにおいて非常に重要なポイントとなります。

 前戦モンツァ6時間で勝利を飾った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、この勝利でランキング2位へと浮上し、タイトル争いに戻ってきました。ランキング首位につけるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車に対し、7号車は23ポイント差で追う形となっています。

 今大会には、TGR2台のGR010 HYBRIDに加え、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そしてポルシェといった総勢12台のハイパーカーがエントリー。現行WECにおける富士6時間では最多となる、プロトタイプレーシングカーによる攻防戦が、熱狂的な日本のモータースポーツファンの皆様の前で繰り広げられることとなります。

 今季WECが開催されるサーキットの中で最も1周が短いにも関わらず、ストレートは1.5kmの長さを持つ富士スピードウェイでの、大迫力のハイパーカーによる走行は、8日(金)の2回の90分間の練習走行でその姿が日本のファンの皆様の前で披露されることになります。9日(土)の午前中に1時間の最後の練習走行を経て、スターティンググリッドを決定する予選を実施。6時間で争われる決勝レースは、10日(日)午前11時にスタートが切られます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

 チームの誰もがホームでのレースと、いつも支えてくれている日本のファンの皆様、トヨタの仲間やパートナーの皆様の前でレースを戦うことを楽しみにしています。ル・マンを終えた今、我々にとって次に重要なのは、これまでも強さを見せてきた富士で勝つことです。ハイパーカーの争いは激しさを増していますが、それを勝ち抜き、富士での勝利記録を伸ばすことが目標です。ファンの皆様が期待している、多くのマニュファクチャラーによる素晴らしいバトルが繰り広げられるはずです。我々は前戦、フェラーリの地元であるモンツァで勝つことができたので、当然彼らは我々のホームでのリベンジを狙ってくるでしょう。全てを正しく進め、ミスすることなく、上位で争えるよう努力を続けます。今季も残り2戦となり、チャンピオン争いにおいても重要なレースなので、全力を尽くします。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 ホームレースは常に特別で、シーズンの真のハイライトでもあります。我々はライバルと違い、富士で多くの経験を積んできているので、走行初日の金曜日から優位に進められるはずです。富士において過去には天候が重要なファクターとなったこともありましたが、(昨年に引き続き)例年よりやや早い季節の開催となるので、週末を通してドライコンディションで戦えることを望んでいます。モンツァでの勝利によって、我々の7号車もチャンピオン争いに復帰することができたので、この勢いで富士も戦いたいと思います。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):

 日本でのレースは最高です。日本のファンの皆様の熱狂ぶりは誰もが知っており、全てのドライバーにとって信じられないような経験になりますが、特に我々TOYOTA GAZOO Racingのドライバーには格別です。ここ数年、チームは富士で素晴らしい結果を残してきていますし、もちろんホームレースでの勝利はとても重要なので、この週末は全てを尽くして戦います。GR010 HYBRIDは富士との相性が良いはずですが、ハイパーカークラスのパフォーマンスは非常に接近しているので、エキサイティングなバトルになるでしょう。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 富士6時間は毎年楽しみにしているレースですし、個人的にもとても楽しんでいます。富士では4勝しており、多くの素晴らしい思い出があります。日本のファンの皆様や、我々のプロジェクトを遠くから支援してくれているパワートレーン開発エンジニアやトヨタの関係者に会える特別な場所でもあります。多くの皆様にGR010 HYBRIDが活躍しているのを見ていただける唯一の機会なので、チーム全員、良いパフォーマンスを見せるべく張り切っています。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

 我々のホームレースである富士スピードウェイに、両チャンピオン争いでリードして向かえられるというのは素晴らしいことですし、この週末は好結果を得てタイトル争いをさらに確実なものにすることが目標です。モンツァではハイパーカーバトルがいかに接近したものであるか、そして、わずかなミスが大きく結果に響くということもわかっていただけたと思いますし、それだけに我々は最高の状態で臨む必要があります。特にフェラーリは今シーズンを通して非常に速いので、間違いなく富士でも素晴らしいバトルになると思いますが、それも望むところですし、立ち向かう準備はできています。

平川亮(8号車 ドライバー):

 富士スピードウェイはチームにとってのホームレースであると共に、私自身にとっても母国レースであり、勝利への想いには特別なものがあります。私個人としては、富士では今年3度目のレースになりますが、スーパーフォーミュラで戦ったこれまでの2戦は表彰台の中央に立つことができなかったので、3度目の正直になることを願っています。昨年は好きなサーキットの一つでもある富士で、母国ファンの皆さんの前で勝つことができて、最高の気分でしたし、今年もまた同じ気分を味わいたいと思っています。GR010 HYBRIDを日本のファンの皆様に見ていただけるのは素晴らしいことですし、この週末もたくさんの応援を楽しみにしています。忘れられないレースをお見せしたいと思います。