WEC2024年シーズン第4戦 ル・マン24時間 公式練習2日目TOYOTA GAZOO Racing、
16時間にわたる走行を終え、24時間の決勝へ向けた準備完了

2024.06.14(金)- 10:20配信

 6月13日(木)、2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦となる第92回ル・マン24時間レースの公式練習3回目と4回目、またハイパーポールも行われました。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はコース上での走行プログラムを完了し、ハイパーカーによる激戦が予想される長い決勝レースへ向け一丸となって挑む準備を整えました。

16時間にわたる走行を終え、24時間の決勝へ向けた準備完了

 ディフェンディングチャンピオンのTGRは、アルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、そしてポルシェという、21台のハイパーカーのライバルとの24時間にわたる戦いに立ち向かうべく、2台のGR010 HYBRIDの集中的な最適化作業を完了しました。

 前日の予選の結果、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車が23番手グリッド、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が11番手グリッドからのスタートとなり、この日行われたハイパーポールへの出走は叶いませんでした。しかし、チームは決勝レース前に車両セットアップの調整や戦略立案などをコース上で行える最後の機会となった、この日の2回の練習走行セッションを最大限に活かし、15日(土)の現地時間午後4時にスタートが切られる決勝レースでの挽回を目指します。

 全ハイパーカーの本当のパフォーマンスが明らかになるのは決勝レースのスタートが切られてからであり、まだ不確定要素は多いですが、TGRはその挑戦に立ち向かい、30万人以上の観客が見守るエキサイティングなレースの一翼を担います。

 今日の練習走行3回目は気温20度の曇り空の下、3時間にわたって行われました。チームはロングスティントに重点を置き、2種類のタイヤコンパウンド、及び異なる車両セットアップの比較などを行いました。

 赤旗による中断があったものの、セッションは順調に進み、2台のGR010 HYBRIDは充実したプログラムをこなすことができました。このセッションでは、終盤に7号車の小林が記録したタイムが5番手、8号車はブエミのタイムが8番手となりました。

 練習走行4回目は、レースウィーク2度目となる夜間走行セッションとして,予定よりも30分遅れの現地時間10時半から1時間で行われました。セッション序盤、1周13.626kmのサルト・サーキットの一部で小雨が降り始め、その時にハートレーが記録した8号車のタイムが最後まで更新されることなくトップタイムとなりました。7号車はロペスが最初のスティントで記録したタイムで10番手。このセッションでは、上位11台が1秒以内という僅差で並ぶこととなりました。

 先週末にレースウィークが始まってから、サルト・サーキットでの走行はここまで合計16時間にわたり、チームはこの間に決勝レースへ向けた計画を立てるためのデータと経験を蓄積してきました。14日(金)は走行がありませんが、チームはこれらの得られたデータを活かしたレース戦略を練ると共に、メカニックはGR010 HYBRIDをシーズン最長のレースへ向け、クルマを最高の状態に仕上げるべく、入念な整備を行います。

 14日(金)はまた、186人の参戦ドライバー全員が参加する、伝統のドライバーズパレードがル・マン市街地で行われます。TGRのドライバーは、ル・マンに集まったファンの皆様との交流を楽しむだけでなく、欧州トヨタが新たに発表したクルマを披露します。7号車のドライバーはプロトタイプの水素燃料電池車、ハイラックスFCEVでこのドライバーズパレードに参加します。

 さらに、ル・マンで3度の優勝経験を持つ、TGRヨーロッパの副会長である中嶋一貴は、今大会のグランドマーシャルの栄誉を任じられ、15日(土)のスターティンググリッド、及びスタートセレモニーで重要な役割を果たすことになります。24時間の決勝レースは15日(土)現地時間午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)

 今日はとても好調でしたが、スターティングポジションを考えれば、決勝レースは厳しいものになるでしょう。いつもと同様に上位争いを目指しますが、そのためには多くの努力と少しの運、そして、全てを完璧に進めることが必要です。ル・マンは常にチャレンジングで、何が起こるかわかりません。このビッグレースへ向け十分に準備を整え、戦うだけです。

ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)

 練習走行でのプログラムを全て終えたので、あとは決勝日を待つだけです。ここ数日、ハードワークを続けてきたので、ついに決勝レースを迎えることになって嬉しいです。GR010 HYBRIDの感触はとてもいいので、自信があります。ル・マンは常に難しいレースであり、集中力を切らさずに着実に計画を遂行していく必要があります。全てのハイパーカーが非常に接近しているので、チャレンジングなレースになるでしょう。

ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)

 練習走行でクルマのセットアップやタイヤ比較など、全てのプログラムをこなし、決勝レースへ向けた準備は順調です。多くの周回を重ねてきたことで、決勝レースへの準備に必要な情報は全て揃いました。長いレースですし、エキサイティングな戦いになると思います。私にとってTGRのハイパーカーで戦う初のル・マンがどんなになるのか、楽しみです。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)

 ハイパーポールに入れなかった悔しさを忘れて、決勝レースへの準備に集中しました。目標はクルマのセットアップを可能な限り完璧に仕上げることでした。最後のセッションでは小雨の中を数周走ることになりましたが、決勝レース中に雨が降る可能性もあるので、この経験は役立つと思います。信頼性には問題ありませんし、決勝レースではとにかく全力でプッシュし、上位を争いたいです。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)

 今日の2回の走行セッションはとても順調でした。ハイパーポールに出られなかったため、余計なことを考えずに決勝へ向けた準備に集中できたのかも知れません。今日はとても有意義な一日で、決勝レースで十分に戦える手応えを感じています。我々のクルマは最速ではありませんが、5つか6つのマニュファクチャラーと僅差で争っています。最高のレースに参加していると感じています。あとは、我々がこれまでに培ってきた全ての経験を活かしてまとめ上げ、戦うだけです。ベストを尽くします。

平川亮(8号車 ドライバー)

 コース上での作業は全て完了し、決勝レースへ向けた準備は整ったと感じています。勿論、厳しいレースになることは間違いありませんが、戦う準備はできており、好結果を目指し全力で挑みます。天候がやや不安定な予報なので、変化するコンディションにも臨機応変に対応できるよう備えておく必要があります。リスクマネジメントが重要な要素になるでしょう。決勝レースが楽しみです。

WEC第4戦ル・マン24時間 公式練習第3回目結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
150アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
383:27.283
26ケビン・エストレ
アンドレ・ロッテラー
ローレンス・バンスール
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
353:27.391
315ドリス・ファントール
ラファエル・マルチェッロ
マルコ・ウィットマン
BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8
343:27.432
43セバスチャン・ブルデー
スコット・ディクソン
レンガー・バン・デル・ザンデ
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
273:27.471
57小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
433:27.803
88セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
393:28.642

WEC第4戦ル・マン24時間 公式練習第4回目結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
18セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
163:29.451
250アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
123:29.527
320シェルドン・ファン・デル・リンデ
ロビン・フラインス
レネ・ラスト
BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8
103:29.560
493ミケル・イェンセン
ニコ・ミュラー
ジャン-エリック・ベルニュ
プジョー・トタルエナジーズ/
プジョー 9X8
113:29.596
515ドリス・ファントール
ラファエル・マルチェッロ
マルコ・ウィットマン
BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8
123:29.640
107小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
163:30.184

WEC第4戦ル・マン24時間 予選・ハイパーポール総合結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
16ケビン・エストレ
アンドレ・ロッテラー
ローレンス・バンスール
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
3:24.634
22アール・バンバー
アレックス・リン
アレックス・パロウ
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
3:24.782
33セバスチャン・ブルデー
スコット・ディクソン
レンガー・バン・デル・ザンデ
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
3:24.816
451アレッサンドロ・ピエール・グイディ
ジェームス・カラド
アントニオ・ジョビナッツィ
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
3:25.156
550アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
3:25.598
118セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
3:25.446
237小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
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GR010 HYBRID 8号車