WEC2024年シーズン 第1戦 カタール1812km 公式練習TOYOTA GAZOO Racing、
19台のハイパーカーによる激戦へ向け、練習走行を開始

2024.03.01(金)- 5:10配信

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2月29日(木)、中東カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで、2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦となるカタール1812kmの公式練習走行を開始しました。

19台のハイパーカーによる激戦へ向け、練習走行を開始

 チームは、GR010 HYBRIDにとって厳しいこのサーキットで行われる今季開幕戦で、性能調整(Balance of Performance=BoP)も入る中、世界チャンピオン防衛に向けた挑戦のスタートを切ることとなりました。

 TGRは、メカニックとエンジニア、またドライバーが一丸となってこのチャレンジに挑むべく、この日の2回に渡る90分間の公式練習走行では、3月2日(土)に行われる決勝へ向けた車両のセットアップ最適化作業を懸命に行いました。

 今週初め、2月26日(月)と27日(火)に同サーキットで行われた公式プロローグテストの後、わずか1日という短期間の集中的な準備の後、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車がこの日の総合で8番手となるタイムをマーク。ディフェンディングチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はこの日の総合で13番手となりました。

 公式練習1回目は好天の下、暑く風も強いコンディションで現地時間の正午過ぎに開始されました。2台のGR010 HYBRIDはセッション開始と共にコースインし、決勝へ向けた集中的な準備の走行プログラムを進めていきました。

 合計11時間にわたるプロローグテストを終えた28日(水)、エンジニアとドライバーは、チームがこの週末に直面するかもしれない課題に対応するための、車両のセットアップを最適化することに一日を費やしました。そして、今日の練習走行1回目では、制御とメカニカルに関する車両セットアップにおいて改善点を見出す分析を進めました。

 この1回目の90分間は、3度の短い赤旗中断に阻まれたものの、2台のGR010 HYBRIDは充実した走行プログラムを進めることができました。7号車は小林とコンウェイがドライブし、小林が8番手タイム。8号車は3名のドライバーそれぞれが順に走行し、ハートレーの記録したベストタイムが12番手となりました。

 公式練習2回目は、照明に照らされた涼しいコンディション下で行われ、チームにとってはミディアムとハードの両タイヤを分析できる機会となりました。序盤、新品タイヤで走行中に赤旗が出されましたが、程なくセッションが再開されると、チームはすぐにより長いスティントを走るロングランテストを行い、残り10分で再び赤旗が出されセッションが早めに終了となるまで、これは続けられました。

 タイムシート上では1周のペースしか反映されていませんが、このセッションでは2台共にロングランでのパフォーマンス向上を果たしました。7号車はデ・フリースが大半でステアリングをにぎり、序盤にマークしたタイムが、このセッション及び、この日の総合8番手に。8号車は、最も長く走行したブエミが記録したタイムで13番手となりました。

 チームは、3月1日(金)の昼前に1時間で行われる最後の練習走行へ向け準備を進めます。この練習走行の後、新たなフォーマットでの予選が現地時間午後4時20分より開始。この新フォーマットでは、まず19台のハイパーカー全車がコースインし一斉にアタック、上位10台がポールポジションをかけてハイパーポールセッションで争うことになります。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

 今日は全てスムーズでしたが、まだ望むレベルには達していません。我々はこのコースでいかに上手くタイヤを扱えるかに挑んでいるところですが、簡単ではありません。改善を進めていて、確かに進歩はありましたが、今日は期待していたほどまでではありませんでした。更なる解決策を見つけて決勝への準備をすべく、作業を続けます。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 今日もクルマのパフォーマンスを引き出すための挑戦の一日でした。今日のセッションでは幾つか興味深いことを学んだので、それを明日の走行で活かし、どこまで改善できるか見てみたいと思います。今は決勝へ向けて学ぶこと、それに全力を注いでいます。予選がどうなろうと、我々は決勝レースを見据えて前進していくだけです。

ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):

 ライバルと我々との相対的なポジション全体像を見出すのは難しいです。それぞれのチームが異なるプログラムを進めており、その詳細全てはわかりませんが、我々と上位勢との間にまだ大きな壁があるということは明らかです。さらに理解を進めていき、決勝へ向け全てを最善の状態に持っていけることを期待していますが、まだやるべきことはあります。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 全体的に見れば、プロローグの時よりは良い一日となりました。1ラップのペースだとあまり速く見えないと思いますが、ロングランでは明らかに改善が見られました。正しい方向で進歩していると感じていますが、今後も更なる改良へ向けて努力を続けます。公式練習2回目のコンディションは、1回目とは全く異なるもので、夜になって大きく気温が下がりました。レースの終盤も同様のコンディションになると思われるので、貴重な経験になりました。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

 大きな問題は無く、比較的スムーズな一日でした。我々は正しい方向に少しずつ進んでいて、今あるパッケージで発揮できる最適解に近づいています。まだペースの面で、特に1周のラップタイムではライバル勢に対し少し遅れをとっているので、チーム一丸となって全てを整え、最大限の結果を得ることに集中しています。我々のベストパフォーマンスを発揮できるよう頑張ります。

平川 亮(8号車 ドライバー):

 とても充実した一日でした。異なるコンディションとなった両セッションで、とても多くのことを学びました。我々はライバルに追いつくべく進歩を続けています。まだ1周のアタックの速さは足りませんが、レースペースではライバルとの差が縮まってきており、満足しています。明日もこの調子で進歩を進められれば、いい結果を目指して戦えるでしょう。あと1回しか残っていない練習走行を最大限に活かせればと思っています。

WEC第1戦 カタール1812km 公式練習第1回目結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
15マット・キャンベル
ミカエル・クリステンセン
フレデリック・マコヴィッキィ
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
391:42.486
251アレッサンドロ・ピエール・グイディ
ジェームス・カラド
アントニオ・ジョビナッツィ
フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P
451:42.532
36ケビン・エストレ
アンドレ・ロッテラー
ローレンス・バンスール
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
401:42.593
42アール・バンバー
アレックス・リン
セバスチャン・ブルデー
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
401:42.962
599ハリー・ティンクネル
ニール・ジャニ
ジュリアン・アンドラウアー
プロトン・コンペティション/
ポルシェ 963
321:43.026
87マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
311:43.202
128セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
441:43.527

WEC第1戦 カタール1812km 公式練習第2回目結果

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 ベストタイム
16ケビン・エストレ
アンドレ・ロッテラー
ローレンス・バンスール
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
321:39.990
293ミケル・イェンセン
ニコ・ミュラー
ジャン-エリック・ベルニュ
プジョー・トタルエナジーズ/
プジョー 9X8
361:40.772
338ジェンソン・バトン
フィル・ハンソン
オリバー・ラスムッセン
ハーツ・チームJOTA/
ポルシェ 963
321:40.782
42アール・バンバー
アレックス・リン
セバスチャン・ブルデー
キャデラック・レーシング/
キャデラック V-Series.R
371:40.986
55マット・キャンベル
ミカエル・クリステンセン
フレデリック・マコヴィッキィ
ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963
361:41.173
87マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
361:41.539
138セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
391:42.108
GR010 HYBRID 8号車