WEC 2024 第2戦 イモラ6時間 : プレビューTOYOTA GAZOO Racing、
チーム初挑戦のイモラ・サーキットで今季初の表彰台を目指す

2024.04.15(月)- 16:00配信

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は新たな挑戦となるイモラ・サーキットで、2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の第2戦、イモラ6時間レースに挑みます。

チーム初挑戦のイモラ・サーキットで今季初の表彰台を目指す

 先月の初めに行われた開幕戦カタールで、TGRは苦しみながらも2台揃って入賞、ポイント獲得を果たしました。この結果、TGRはマニュファクチャラーズ選手権2位につけ、表彰台への返り咲きを目指し、第2戦の行われるイタリアへと向かいます。

 開幕戦となったカタールでは、レース後4週間を経て、4位でチェッカーを受けたキャデラック2号車に失格という裁定が出されたため、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車が5位、ディフェンディングチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は8位という結果になりました。

 WEC第2戦イモラ6時間レースが行われる、1周4.909kmのアウトドローモ・インテルナツィナオーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ、別名イモラ・サーキットは、イタリア北部のボローニャから南東に約40kmに位置する、TGRにとって初挑戦となるサーキットです。これまでWECのイタリア戦が行われてきたモンツァ・サーキットが現在改修工事中のため、代わりにイモラが2024年のWECイタリア戦の舞台となります。

 イモラ・サーキットは、1953年の開設以来、世界で最も知られたサーキットのひとつです。イモラで世界トップレベルの耐久レースは過去3度行われており、最後に行われた1984年のイモラ1000kmでは、ハンス・ヨアヒム・スタックとステファン・ベロフが勝利を飾っています。

 それ以来、40年ぶりに世界トップレベルの耐久レースが開催されるイモラには、TGRと共にアルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、ポルシェという9つのマニュファクチャラーから計19台のハイパーカーが集結し、この週末、全8戦で戦われる2024年シーズンのWEC第2戦として激戦が繰り広げられることになります。

 チームにとっては初めてのサーキットですが、TGRのドライバーはその多くがイモラでのレース経験を持っています。平川が直近のイモラ優勝ドライバーであり、ヨーロピアン・ル・マンシリーズ(ELMS)で2016年に勝利を挙げています。小林とデ・フリースは彼らのキャリア初期に、ジュニアフォーミュラレースで優勝経験があり、また、ハートレーも2013年にELMSでイモラでのレースを戦っています。

 レースウィークは19日(金)2回に渡って行われる90分間の公式練習走行で幕を開け、チームは準備を開始します。ハイパーカークラスの予選は現地時間20日(土)午後3時25分(日本時間午後10時25分)から行われ、21日(日)午後1時(日本時間午後8時)より6時間にわたる熱戦の火蓋が切られます。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

 イモラでまたレースができること、また、GR010 HYBRIDのステアリングを握れることを楽しみにしています。私個人は先月、米国オースティンで行われたNASCARに参戦し、素晴らしい経験をしました。しかし、今はWECへと戻り、イモラでの戦いに集中しています。私は若い頃、イタリアでとても多くのレースを戦ってきたので、イモラのコースはよく知っていますし、勝った経験もあります。我々のGR010 HYBRIDにとって、初めてのコースで勝利を目指すというのはチャレンジになりますが、チーム一丸となって全力で挑み、可能な限り最高の結果を目指します。いつも通り、金曜日の公式練習走行から力強いスタートを切り、我々のクルマにあったセットアップの方向性をすぐに見出せるかどうかが鍵になるでしょう。そして、我々の経験とチームスピリットでクリーンなレースを戦えば、いい結果に繋がると思っています。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 私自身はこれまでイモラでレースをしたことが無いので、今週末は新たな経験になるでしょう。もちろんイモラは伝統的なサーキットのひとつとして何度もレースは見ていますし、シミュレータでも走りましたが、ついにこの伝統のサーキットでレースができることになり、楽しみです。カタールでは、我々はチャンピオン争いにおいて上位となるポイントを獲得することができたので、あらゆるチャンスを活かしてプレッシャーをかけ続ける必要があります。強力なライバルとの厳しい戦いは簡単ではありませんが、戦い続けます。

ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):

 欧州でのシーズンが始まるのが楽しみです。多くのイタリアのファンの皆様が集まり、雰囲気は特別なものになるでしょう。イモラはWECのカレンダーでは新しいコースで、非常に狭く、チャレンジングなコースですが、チームとしてどれだけ戦えるか、期待が高まっています。今大会は6時間と、カタールと比べると短いレースとなり、レース前に走れる時間も少ないので、着実に走行プログラムを進めていく必要があります。上位争いができる、良い週末になることを願っています。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 ハイパーカーで新しいコースを走るのはいい経験です。私は10年以上前にイモラでF1のテストを行ったことがありますが、実際に走った経験はそれだけなので、この週末に向けては、ドイツ・ケルンのシミュレータで準備をしてきました。イタリアのファンの皆様を前にGR010 HYBRIDで走るのは楽しいと思いますが、レース中のトラフィック(コース上の車両混雑)処理など、大きな挑戦になるのではないかとも予想しています。カタールでは苦戦を強いられたので、イモラでは我々全員が良いパフォーマンスを見せられることを期待しています。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

 イタリアのファンの皆様のモータースポーツにかける情熱は語り継がれるくらい大きく、特に今大会は、ライバルであるフェラーリのホームレースとなるので、イモラの雰囲気は素晴らしいものになるでしょう。熾烈なトップ争いが繰り広げられる、特別な週末になると思います。カタールで見せられた激しいハイパーカーによるバトルがイモラでも再現されるはずです。このような非常に僅差の戦いの中では、一気に大きく順位を落としてしまいかねないので、予選から決勝に向けて誰もが些細なミスも犯すことができません。トップを目指すためには、全員が最高のパフォーマンスを発揮する必要があります。

平川亮(8号車 ドライバー):

 イモラはGR010 HYBRIDにとってまた初めてのコースとなりますが、私はF1カーで先月テストしたばかりですし、数年前にはELMSシリーズのレースをLMP2カーで戦ったこともあるので、レイアウトはとてもよく知っています。あのコースをハイパーカーで走るのはエキサイティングな体験でしょうし、ファンの皆様にとっても素晴らしいレースが展開されると思います。イモラがカタールよりも我々のGR010 HYBRIDに合っていること、カタールとは異なる週末になることを願っています。チームは再び力強く戦えるよう、懸命な準備を続けてきました。スタートが待ちきれません。