4月20日(土)、イタリアのイモラ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦イモラ6時間レースのスターティンググリッドを決定する予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは7号車が6番手、8号車は8番手グリッドを獲得しました。

小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースの駆るGR010 HYBRID 7号車は小林がアタックを担当し、1分30秒410で6番手。ディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はハートレーのアタックで僅差の8番手となりました。
この日の午後に行われた予選では、地元のフェラーリ勢が圧倒的な速さを見せポールポジションを獲得しました。GR010 HYBRIDは開幕戦のカタール同様、車両重量、車両バランスとタイヤ性能を引き出すのに苦労し、それが今日の結果にも反映されることとなりました。
予選では後塵を拝することとなりましたが、TGRはチャンピオン獲得の経験や戦略の知見を総動員し、明日21日(日)の決勝レースにおいて最高のパフォーマンスを引き出し、6年連続のチャンピオン獲得へ向けて努力を続けます。
今季のWECでは予選のフォーマットが変更されました。まず初めにハイパーカー19台全車による予選が行われ、その後上位10台が、続いて行われるハイパーポールへと進みます。
晴れた北イタリアの午後3時25分、12分間の予選セッションが開始。1周4.909kmのサーキットで19台のハイパーカーが一斉にアタックに向かい、セッション序盤はタイヤを暖めながら、目まぐるしく順位が入れ替わる展開となりました。残り3分で、8号車のハートレーが3番手となる、このセッションでのベストタイムをマークし、7号車の小林も4番手タイムでこれに続きました。そのすぐ後、スピンした車両により赤旗が出されセッションが中断。残り2分弱で再開されたものの、上位の順位は入れ替わることなく、2台のGR010 HYBRIDは共にハイパーポール進出を果たしました。
遠方に暗い雲が現れ、サーキットもやや雲に覆われ始めましたが、続いて行われた10分間のハイパーポールセッションもドライコンディションで推移。8号車のハートレーは残り2分のアタック中にスピンを喫しましたが、そのまま走行を継続し、最後のアタックで8番手タイムをマークしました。7号車の小林も最後の最後に更新したタイムで6番手グリッドを獲得しました。
この週末、ここまでは地元のフェラーリ勢が圧倒的な強さを見せており、TGRはやや苦戦を強いられていますが、カタールでポイント獲得を果たした力強いチームワークで、決勝レースでは今季初の表彰台を目指します。6時間で争われる決勝レースは21日(日)現地時間午後1時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
できることは全てやりましたが、残念ながらやはりフェラーリには届かず、約1秒差をつけられてしまいました。我々7号車が6番手、ブレンドンの8号車が8番手という結果は、決勝を考えれば悪い位置ではありませんし、ポジションを上げていくチャンスはあると思っています。このコースはとても狭く、LMGT3車両もいるので、追い抜くのは難しいでしょう。色々なことが起こると思いますが、そんな中でも自分たちの走りを貫き、タイトル争いのためにもまた好結果を残せればと思っています。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
燃料が少なくクルマが軽い状態、かつ新品タイヤでこのコースを攻めるのは最高でした。昔ながらの素晴らしいコースで、とても楽しかったです。残念ながら、予選の結果は期待通りとはいきませんでした。トップ6の速さはあったと思いますが、アタックラップで何度か他車に引っかかってしまいました。また、ハイパーポールではスピンを喫してしまい、万全だったとは言えません。4番グリッドまで行ける可能性があったかも知れませんが、しかし結果は結果ですので、今は決勝に集中し、良いスタートを決めて表彰台を争いたいと思います。
WEC第2戦イモラ6時間 公式練習第3回目結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | ベストタイム |
1 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 33 | 1:31.238 |
2 | 15 | ドリス・ファントール ラファエル・マルチェッロ マルコ・ウィットマン | BMW M TEAM WRT/ BMW M Hybrid V8 | 32 | 1:31.272 |
3 | 20 | シェルドン・ファン・デル・リンデ ロビン・フラインス レネ・ラスト | BMW M TEAM WRT/ BMW M Hybrid V8 | 32 | 1:31.543 |
4 | 83 | ロバート・クビサ ロバート・シュワルツマン イーフェイ・イエ | AFコルセ/ フェラーリ 499P | 32 | 1:31.577 |
5 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 32 | 1:31.671 |
7 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 32 | 1:31.838 |
9 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 32 | 1:31.915 |
WEC第2戦イモラ6時間 公式予選結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | ベストタイム |
1 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:30.196 |
2 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:30.221 |
3 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:30.497 |
4 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:30.636 |
5 | 83 | ロバート・クビサ ロバート・シュワルツマン イーフェイ・イエ | AFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:30.710 |
WEC第2戦イモラ6時間 ハイパーポール結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | ベストタイム |
1 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:29.466 |
2 | 83 | ロバート・クビサ ロバート・シュワルツマン イーフェイ・イエ | AFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:29.885 |
3 | 51 | アレッサンドロ・ピエール・グイディ ジェームス・カラド アントニオ・ジョビナッツィ | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:29.953 |
4 | 6 | ケビン・エストレ アンドレ・ロッテラー ローレンス・バンスール | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:30.101 |
5 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:30.385 |
6 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:30.410 |
8 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:30.652 |

