TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は5月11日(土)に、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われる2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースで、前戦イモラでの優勝の勢いを活かし、スパでの連続優勝記録の更新を目指します。
前戦イモラでは、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車がスリリングなレースを制し、チームに今季初勝利をもたらすと共に、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車も5位入賞を果たしました。
激しさを増すハイパーカークラスの争いの中で、素晴らしいチームワークと卓越したドライビング、そして優れた戦略の組み合わせにより、見応えのあったイモラでのレースとなりました。TGRはこの勢いを緩めることなく、WECの歴史に新たな1ページを刻むべく、スパへと向かいます。
1966年に1000kmレースとして開催され、現在は6時間レースとして戦われているスパでの世界トップレベルの耐久戦において、7連覇は前例がありません。TGRは、現行WECのスパ戦において11レースを戦い、うち8勝を挙げており、2017年以来無敗を誇っています。
直近2年で優勝している小林とコンウェイは、スパ3連勝を目指すことになります。ブエミはこれまでにWECスパ戦で5勝を上げており、この中にはハートレーとの2021年優勝も含まれます。平川とデ・フリースにとっては、初のスパでのWEC優勝を目指すことになります。
スパは、アルデンヌの森の中を縫うようにレイアウトされた起伏に富んだコースで、高速セクションなど、ドライバー、また、ファンの皆様の両方から根強い人気を得ています。1周7.004kmは、WECカレンダー中でル・マンに次ぐ長さで、オー・ルージュからラディオン、そして、プーオンやブランシモンといった伝説のコーナーを持ち、最も見応えのあるサーキットであることは間違いありません。
そしてスパは、6月15日(土)から16日(日)にかけて行われるシリーズハイライトである、第4戦ル・マン24時間レースの前哨戦としても大きなマイルストーンになります。流れるような高速コースのスパは、ル・マンの舞台であるサルト・サーキットと同様の性能特性が要求されるため、今大会はGR010 HYBRIDのセットアップを詰める上でも重要な機会となります。
スパはまたTGRにとって、富士と共にチームのホームレースのひとつであるという意味でも大きな意味を持ちます。ドイツ・ケルンにあるチームの本拠地は、スパから移動距離で120kmほどしか離れておらず、決勝レース当日にケルンの全従業員、及びトヨタの欧州拠点である、ベルギー・ブリュッセルのトヨタモーターヨーロッパの関係者も招待されています。
チーム関係者に加え、例年スパにはベルギーの熱狂的なファンの皆様が集結し、その皆様全員がアルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、そしてポルシェという、TGRを含め9つのマニュファクチャラー合計19台のハイパーカーによる、ル・マンへ向けた最後の戦いを見届けます。
コースでの走行は5月9日(木)の2回に渡る90分間の練習走行で開始され、決勝のスターティンググリッドを決定する予選は10日(金)現地時間午後3時半(日本時間午後10時半)に開始されます。6時間で争われる決勝レースは、11日(土)現地時間午後1時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
スパは、シーズンのチャンピオン争いという点だけでなく、ル・マンへ向けた準備のためにも、非常に重要なレースです。ル・マンとスパで速く走るためには、クルマのバランスやセットアップの面で同じような特性が必要とされるので、来週我々が学ぶ全てのことが、6月のル・マンにおいて役に立つはずです。スパはまた、富士と共に我々TGRにとってホームレースなので、WECシーズンのハイライトとなるレースの一つでもあります。スパではいつもケルンからチームメンバーが応援に来てくれますが、今年は欧州トヨタ本社からも応援に来てくれるので、さらに心強いです。同僚だけでなく、ファンの皆様に会えることも楽しみです。いつものように素晴らしい雰囲気を作り出してくれることでしょう。イモラでは、我々は最速の車両ではなかったですがレースを完璧に戦い、勝利を勝ち取ることができました。スパでも同じようなパフォーマンスを見せられるよう頑張ります。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
イモラで今季初勝利を挙げられたのは素晴らしかったですし、この結果はチーム一丸となって、ミスを犯さず、パフォーマンスの面でも全てを出し切ることがいかに重要かを示してくれました。ハイパーカーによる争いは激しさを増しているので、スパもまたチャレンジングな週末になるでしょうが、楽しみにしています。我々はイモラでウェットタイヤでの走行を経験し、また「スパ・ウェザー」が予測困難なことを誰もが知っています。願わくはドライのままの週末になることを望んでいますが、そうでなかったとしても我々は準備ができていますし、そのような状況でも的確に対応できるということは証明済みです。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
イモラで素晴らしいチームパフォーマンスと結果を見せることができたので、チーム全員でスパを本当に楽しみにしています。スパは世界でも最高のサーキットのひとつで、ファンの皆様が特別な雰囲気を醸し出してくれることもあり、常にシーズンハイライトの一つです。イモラでの勝利を受けて、我々全員が士気に満ちあふれていますし、スパはまた、我々にとってのもう一つのホームレースであり多くの仲間が応援に来てくれるので、更なる好結果を目指します。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
スパはその長い歴史と、高速コーナーが複数ありランオフエリアが少なく、ミスを許さないチャレンジングなサーキットで、私は大好きですし、特別な場所です。特にプロトタイプレーシングカーでは、何回走っても飽きることはありませんし、私は幸運にもこれまで5勝を上げることができ、素晴らしい思い出もあります。WECでのハイパーカー間の争いはさらに激しさを増しており、次戦スパも容易なレースにはならないでしょう。我々はGR010 HYBRIDから最大の性能を引き出し、巡ってくるチャンスを最大限に活かさなければなりません。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
スパで走るのはいつも楽しみです。アップダウンが激しく、高速セクションがあり、とても美しい森の中を抜けていく、本当に楽しめる昔ながらのサーキットです。天候に左右されることも多く、予測困難なレースになることもあり得ます。我々のGR010 HYBRID 8号車は前戦イモラで表彰台を争いながら惜しくも叶わなかったので、スパでの目標は言うまでもありません。好結果を挙げて、続くル・マンに臨めることを期待しています。
平川亮(8号車 ドライバー):
スパはドライブするのが楽しいコースで、来週末のレースが本当に楽しみです。チームとして、これまでスパでは素晴らしい戦績を残してきているので、今回も力強いレースができればと思っています。もちろんイモラで見たとおり、ライバル勢が非常に強力なので厳しい戦いにはなるでしょうが、我々も進歩しています。7号車の勝利はチームにとって素晴らしい結果でしたし、我々8号車も表彰台を争えたことをまた、心強く思います。スパではさらに力強い戦いを見せられるよう、チーム全員で総力を挙げて努力を続けていきます。