フランスのル・マン・サルト・サーキットで行われている2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、第92回ル・マン24時間レースは、激しい雨に見舞われ、セーフティカー走行も続いた長い夜間走行を終えて、朝を迎えました。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、この夜間中も堅実な走行を続け、首位争いを展開しました。
結果が厳しいものとなった予選により後方グリッドからスタートしたTGRの2台は決勝レースで素晴らしい追い上げを見せ、レースの3分の2を過ぎた16時間を経過時点で、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が首位を走行。小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースの7号車が僅差の4位を走行。キャデラック、フェラーリ、ポルシェとの激しい首位争いを繰り広げています。
レーススタートから6時間を経過した時点で既に降り始めていた雨の中、8号車は平川が表彰台圏内、7号車はデ・フリースがトップ6を目指してプッシュを続けていました。両車共にピットへ向かいウェットタイヤへと交換しましたが、まもなくフルコースイエロー。その後雨は弱まり、2台は再びスリックタイヤへと戻すこととなりました。
6時間半を過ぎたところで、車両のクラッシュにより破損したバリア修復のためにセーフティカーが導入され、3位を走行していた平川の8号車、9位走行中のデ・フリースの7号車を含むハイパーカーの上位勢の差は詰まり、セーフティカー走行明けの激しいバトルが予感されました。しかし、その後もセーフティカー走行は1時間続き、そしてその間にサーキットには強い雨が降ってきました。
セーフティカーが退去しレースが再開されると、チームはすぐに2台をピットへ呼び、ウェットタイヤへと交換。8号車の平川は困難なコンディションの中で目覚ましい走りを見せて2位へと順位を上げると、首位の83号車フェラーリに迫りました。9時間を過ぎると83号車フェラーリに30秒のストップ&ゴーペナルティが科されたこともあり、8号車がついに首位に浮上。7号車のデ・フリースも3位へとポジションアップを果たしました。
8号車の平川は難しいコンディションの中で着実な走行を続け、10時間目を過ぎたところで2位に12秒差をつけてブエミへとドライバー交代。7号車は3位で小林へとドライバー交代を行いましたが、タイミング悪くスローゾーンが出され、2位のポルシェ6号車に45秒の差をつけられることとなりました。
11時間を過ぎたところで、2台のGR010 HYBRIDはウェットタイヤへと交換すると共にドライバーも交代。首位を行く8号車はハートレー、3位の7号車はロペスがコクピットへと戻りました。
レース折り返しを迎えた午前4時にはさらに雨が強まり、コース上はヘビーウェットに。視界も悪化し、夜間の走行は非常に危険な状況となりました。悪天候はその後も続き、日の出の時間となり、サーキットが明るくなってきても長いセーフティカー走行が続くこととなりました。
スタートから16時間経過の午前8時の時点でもセーフティカー走行が続いており、8号車は首位を守り平川がドライブ。7号車はデ・フリースがドライブし、4位を走行しています。
WEC第4戦 ル・マン24時間 16時間経過時順位
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | トップとの差 |
1 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 197 | |
2 | 6 | ケビン・エストレ アンドレ・ロッテラー ローレンス・バンスール | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 197 | 1.384 |
3 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 197 | 2.480 |
4 | 7 | 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 197 | 3.561 |
5 | 83 | ロバート・クビサ ロバート・シュワルツマン イーフェイ・イエ | AFコルセ/ フェラーリ 499P | 197 | 12.683 |