7月13日(土)、ブラジル/サンパウロのインテルラゴス・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サンパウロ6時間の予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは2台揃ってハイパーポールへと進出。ハイパーカーによる僅差の争いが繰り広げられる中、小林可夢偉の7号車が今季初のポールポジションを獲得。セバスチャン・ブエミの8号車が2番手で続き、TGRは14日(日)の決勝レースを最前列に並んでスタートすることとなりました。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、小林がアタックを担当し、ハイパーポールで1分23秒140のタイムを記録。今季初となるポールポジションを獲得し、チャンピオン争いで重要な1ポイントを獲得しました。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はブエミのアタックで、小林に遅れること僅か0.122秒差の2番手で続き、TGRは僅差の予選の末に決勝スターティンググリッドの最前列を独占することとなりました。
合計4時間にわたる練習走行で、チームは1周4.309kmのサーキットでのGR010 HYBRIDを最適化する作業を終えました。3度の練習走行セッションもハイパーカークラスは非常に接近したタイムが記録され、エキサイティングな予選となることが予想されました。
直前のLMGT3クラス予選でのアクシデントにより、予定よりも3分遅れの現地時間午後3時13分から12分間で行われた予選は、19台のハイパーカーが出走し、上位10台が上位グリッド、及びポールポジションを決定するハイパーポールへと進出します。小林とブエミが予選を担当、セッション開始と共に先陣を切って新品のミディアムタイヤでコースへ向かうと、2周にわたってタイヤを暖め、アタックに入りました。
この予選では小林が2度目のアタックラップで3番手タイム。ブエミは最初のアタックで一旦トップに立つも、その後はタイム更新ができず、トップ10台がコンマ5秒内に入るという僅差の予選で7番手となりました。
続いて行われたハイパーポールでは、小林が最初のアタックから圧倒的なベストタイムをマークしトップに立つと、ブエミも2度目のアタックで小林に続く好タイムをマークし、2番手につけました。チームの皆がセッション終了を緊迫した面持ちで待った後、TGRは今季初となるポールポジションを獲得すると共に、昨年のバーレーン大会以来となる、予選1-2での最前列グリッド独占を成し遂げ、ドライバー、メカニック、エンジニアのチーム一丸となった努力が報われました。
チームは14日(日)、現地時間午前11時半(日本時間午後11時半)から6時間で争われる決勝レースで、今季2勝目を目指すと共に、チャンピオン争いでも重要なポイント獲得に挑みます。今日のポールポジション獲得により、TGRは現在マニュファクチャラーズ選手権で首位のポルシェに対し11ポイント差、ドライバーズ選手権では小林とデ・フリースが首位と16ポイント差で追っています。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
チームとして最高の結果である、予選1-2を達成できました。私もセブも、本当に楽しんで走ることができました。我々のGR010 HYBRIDは本当に素晴らしいクルマで、特にこのインテルラゴスのような最高のコースで走らせるのはとても楽しいです。今シーズンはハイパーカー間の争いが本当に僅差なので、予選では苦戦することもありましたが、ようやくポールポジションを獲得でき、格別の気分です。ル・マンのあと、チームはこのレースへ向けて本当に頑張ってくれました。彼ら及びTGRのスタッフ全員、そしてここ、インテルラゴスで応援してくれたファンの皆様にも感謝します。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
とても楽しかったです。予選アタックを担当したのは久しぶりで、その機会をもらえたことは良かったですし、今日の結果にも本当に満足しています。昨年以来の予選1-2はチームの素晴らしいパフォーマンスによるものです。まだ予選が終わったばかりで、これから長い決勝レ-スが待っていますが、まずは良いポジションからスタートすることができます。明日は7号車の勝利を助け、チームとしてマニュファクチャラーズ選手権のポイントを獲得できればと思っています。
WEC第5戦サンパウロ6時間 公式練習第3回目結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | ベストタイム |
1 | 12 | ウィル・スティーブンス カラム・アイロット ノルマン・ナト | ハーツ・チームJOTA/ ポルシェ 963 | 37 | 1:24.297 |
2 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 36 | 1:24.309 |
3 | 6 | ケビン・エストレ アンドレ・ロッテラー ローレンス・バンスール | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 37 | 1:24.390 |
4 | 35 | ポール=ルー・シャタン フェルディナンド・ハプスブルク シャルル・ミレッシ | アルピーヌ・エンデュランス・チーム/ アルピーヌA424 | 38 | 1:24.644 |
5 | 15 | ドリス・バンスール ラファエル・マルチェッロ マルコ・ウィットマン | BMW M TEAM WRT/ BMW M Hybrid V8 | 37 | 1:24.682 |
13 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 38 | 1:25.486 |
14 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 39 | 1:25.521 |
WEC第5戦サンパウロ6時間 公式予選結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | ベストタイム |
1 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:23.263 |
2 | 12 | ウィル・スティーブンス カラム・アイロット ノルマン・ナト | ハーツ・チームJOTA/ ポルシェ 963 | 1:23.357 |
3 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:23.426 |
4 | 51 | アレッサンドロ・ピエール・グイディ ジェームス・カラド アントニオ・ジョビナッツィ | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:23.581 |
5 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 1:23.583 |
7 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:23.605 |
WEC第5戦サンパウロ6時間 ハイパーポール結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | ベストタイム |
1 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:23.140 |
2 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:23.262 |
3 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:23.331 |
4 | 2 | アール・バンバー アレックス・リン | キャデラック・レーシング/ キャデラック V-Series.R | 1:23.396 |
5 | 6 | ケビン・エストレ アンドレ・ロッテラー ローレンス・バンスール | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 1:23.408 |