2025年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)最終戦、第8戦バーレーン8時間の公式練習が始まり、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は順調な初日を終えました。
前戦の富士から約6週間のインターバルを経て、11月6日(木)、2台のGR010 HYBRIDはバーレーンで走行を再開しました。ディフェンディングチャンピオンであるTGRは、昨年まで8年連続で勝利を収めているバーレーンラウンドで、今シーズン苦戦が続く中でも好成績で締めくくるべく挑みます。
1周5.412kmのバーレーン・インターナショナル・サーキットでこの日2度にわたって行われた90分間のセッションは、それぞれ昼間と夜間での走行機会となりました。この木曜日の公式練習セッションの結果も僅差となっており、激戦が続く今季のWECで、18台のハイパーカーによる激しいバトルが今大会も繰り広げられることを示唆しています。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は3番手と順調なスタートを切り、昨年のバーレーン大会勝者であるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は僅差の6番手につけ、上位10台が1秒以内に収まる初日となりました。
気温30度の暑さの中、公式練習1回目が午後12時15分より開始されました。チームはメカニカル面のセットアップ比較、タイヤ評価とコース習熟のプログラムを迅速に実施。セッション終盤に数分間の短いフルコースイエローが発生したものの、ドライバーとエンジニアは予定されていたプログラムを完了し、長いスティントでの走行を重ねた、その貴重なデータとドライバーからのフィードバックを収集し、次のセッションが始まるまでの3時間のインターバル中にセットアップ調整を行いました。
公式練習2回目は日没後に行われ、路面温度も下がる中でタイヤの評価と更なるセットアップ作業に重点を移しました。このセッションもトラブル無く進み、2台のGR010 HYBRIDは手応えを感じる結果となり、一日を終えました。
エンジニアとドライバーは7日(金)の午前中に1時間で行われる公式練習3回目に臨み、摩耗が激しいバーレーンの路面特性に合わせて2台のGR010 HYBRIDを微調整する最後の機会を迎えます。決勝のスターティンググリッドを決める予選は、日没後となる現地時間午後4時40分(日本時間午後10時40分)に開始され、8時間の決勝は8日(土)現地時間午後2時(日本時間午後8時)にスタートが切られます。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
これまでのところ問題は見当たりませんが、まだ初日が終わったばかりで、週末に向けて状況は変わっていきます。我々はロングランに焦点を当ててセッションをこなしました。クルマのパフォーマンスをさらに引き出すためにやるべきことはまだ残っていますが、今シーズンのこれまでのレースと比べて強さが感じられるのは良い兆しです。ここは昔から得意としてきたコースでもあるので、予選で良いポジションを獲得し、決勝ではさらに上位を目指したいと思います。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
バーレーンは長年にわたって素晴らしい思い出が詰まったコースであり、ここに戻ってこられて嬉しく思います。レースウィークはまずまずのスタートで、直近の数戦と比べても悪くない位置につけています。決勝ではレースペースがとても重要になるため、そこに重点を置いて取り組んでいます。午後のセッションではかなり力強い走りを見せることができたと思いますが、さらにスピードを高めるためにプッシュし続けます。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
初日の2回の練習走行セッションを終え、全体的にかなり手応えを感じています。特に決勝でのレースペースやタイヤのパフォーマンス把握に集中しました。このコースはタイヤの摩耗が重要なポイントであり、特に8時間という長丁場のレースなので、強力なレースパッケージを作りあげることが目標です。そのために今日はその点に集中して作業を進め、ここまでのところは順調です。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
バーレーンに戻ってこられて嬉しいですし、今シーズン最後となる公式練習初日を順調に終えられたことにも満足しています。良いスタートが切れたと思います。ここは本当にタイヤの摩耗が厳しいサーキットなので、走行プログラムではタイヤの特性を把握し、できるだけ長く走れるようにすることに重点を置きました。次は予選の1ラップアタックへ向けて全力で取り組み、その後は決勝でのタイヤ摩耗の管理について進めていきます。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
大きなトラブルは無く、全てがスムーズに進みました。決勝のレースペースを見る限り、我々は混戦の中にいると思いますが確かなことは言えません。昨年のレース同様、ここはタイヤ摩耗が重要で、タイヤ寿命を考慮した適切なバランスと戦略を見出すべく努力を続けています。決勝では終盤まで力強く戦い、表彰台へ返り咲くためのチャンスを掴みたいと思います。
平川 亮(8号車 ドライバー):
良い一日でした。公式練習2回目セッションの最初に予選シミュレーションを行いましたが、ラップタイムはかなり接近する展開になると思います。ロングランではかなり強さを見せていて、決勝へ向けては心強く感じています。午前中はハード、午後はミディアムと一日を通してタイヤの比較も行いました。できる限りの準備は整えたので、これから全てのデータを分析します。ここまでのところはとても順調に進んでいると思います。
WEC 第8戦 バーレーン8時間 公式練習第1回目結果
| 順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | ベストタイム |
| 1 | 009 | マルコ・ソーレンセン アレックス・リベラス ロマン・デ・アンジェリス | アストンマーティン THOR Team/ アストンマーティン ヴァルキリー | 41 | 1:49.697 |
| 2 | 83 | ロバート・クビサ イーフェイ・イエ フィル・ハンソン | AFコルセ/ フェラーリ 499P | 41 | 1:51.152 |
| 3 | 007 | ハリー・ティンクネル トム・ギャンブル ロス・ガン | アストンマーティン THOR Team/ アストンマーティン ヴァルキリー | 42 | 1:51.638 |
| 4 | 93 | ポール・ディ・レスタ ミケル・イェンセン ジャン-エリック・ベルニュ | プジョー・トタルエナジーズ/ プジョー 9X8 | 36 | 1:51.711 |
| 5 | 51 | アレッサンドロ・ピエール・グイディ ジェームス・カラド アントニオ・ジョビナッツィ | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 34 | 1:51.741 |
| 6 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 43 | 1:51.909 |
| 7 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 44 | 1:51.995 |
WEC 第8戦 バーレーン8時間 公式練習第2回目結果
| 順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | ベストタイム |
| 1 | 009 | マルコ・ソーレンセン アレックス・リベラス ロマン・デ・アンジェリス | アストンマーティン THOR Team/ アストンマーティン ヴァルキリー | 42 | 1:49.042 |
| 2 | 93 | ポール・ディ・レスタ ミケル・イェンセン ジャン-エリック・ベルニュ | プジョー・トタルエナジーズ/ プジョー 9X8 | 41 | 1:49.201 |
| 3 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 45 | 1:49.342 |
| 4 | 5 | ジュリアン・アンドラウアー マシュー・ジャミネ ラウリン・ハインリッヒ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 37 | 1:49.418 |
| 5 | 51 | アレッサンドロ・ピエール・グイディ ジェームス・カラド アントニオ・ジョビナッツィ | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 43 | 1:49.465 |
| 6 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 43 | 1:49.473 |
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