昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦しています。
　ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ／アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われます。宮田はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦。開幕戦のバルセロナでは、デビュー戦ながら見事初優勝を勝ち取りました。第2戦ル・カステレでは好走を見せるもトラブルでリタイア。第3戦はFIA-F2と同一週末の開催により欠場し、第4戦スパでは表彰台を争い5位フィニッシュ。シーズンも今大会を含め残り2戦。宮田の活躍に期待がかかりました。

予選

　28日（土）に決勝でのスターティンググリッドを決定する予選が行われました。開幕戦と前戦スパでは予選アタックを担当した宮田でしたが、今大会はチームメイトのヤコブセンがアタックを担当。7番手グリッドを獲得しました。

【決勝】

　29日（日）午前11時半より4時間で争われる決勝レースのスタートが切られました。天候は晴れ、気温は19度、路面温度21度のコンディション。7番手グリッドの37号車はフルクサが担当し、徐々に順位を上げていきました。
　スタートから僅か10分強でクラッシュ車両によりセーフティカーが導入。レース再開後、フルクサは首位争いに加わり、2位までポジションアップ。スタートから1時間25分ほどで宮田へとドライバー交代を行いました。
　このピット作業で37号車は6位へとポジションダウン。まだタイヤが温まっていない周回でライバルにかわされ、一旦7位に落ちるも、その後順位を取り返し5位へ上がるなど、交代してすぐに激しい順位争いを繰り広げました。
　宮田に交代して僅か6周で停止車両によりこの日2度目のセーフティカーが導入。そこからの再スタートが切られた直後にもスピン車両が発生し、バーチャルセーフティカー（VSC）となりました。
　このVSCの間に37号車の宮田を含むほぼ全車がピットイン。レースがスタートしてから2時間が経過し、VSCからこの日3度目のセーフティカーとなりました。
　64周目、再スタートが切られましたが、1周して戻って来たストレートエンドでLMGT3クラスの車両同士による接触から激しいクラッシュが発生。ドライバーは無事でしたが、レースは赤旗中断となってしまいました。
　30分ほどの中断から4位でレースが再開され、宮田はそのまま走行。さらに上位進出を目指しましたが、再スタート時に前の車両に接触し、車両右前部を破損。じりじりと順位を落とすこととなってしまいました。
　10位まで順位を落とした72周目、LMP3車両がクラッシュしVSC。このタイミングで37号車はピットへ向かい、宮田からヤコブセンへと交代しました。
　37号車はフロントを交換しレースへ復帰しましたが、総合13位でチェッカーを受けました。

ELMS 第5戦 ムジェロ4時間レース 宮田莉朋 個人成績（LMP2クラス）

予選） 走行せず
決勝） Fastest Time 1:38.062（LMP2／LMP2プロアマクラス決勝出走62人中44位）
走行周回数26周（全114周中）