10月17日(木)から19日(土)にかけてポルトガルのアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットで行われた2024年ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)第6戦ポルティマオ4時間レースに、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋が出場。中盤の2スティントを担当し、見事首位を奪取。チームは開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。この結果、宮田は初参戦のELMSを、ドライバーズランキング3位で終えることとなりました。
昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦しています。
ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ/アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われます。宮田はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦。開幕戦のバルセロナでは、デビュー戦ながら予選を担当し5番手グリッドを獲得。決勝でも見事初優勝を勝ち取りました。第2戦ル・カステレでは好走を見せるもトラブルでリタイア。第3戦はFIA-F2と同一週末の開催により欠場。第4戦スパでは予選を担当し、2列目4番手グリッドを獲得。決勝でも表彰台を争い5位フィニッシュを果たしました。前戦第5戦ムジェロでは大荒れのレースで苦戦。シーズン最終戦となる今大会は、前戦の雪辱を果たすべく挑みました。
予選
18日(金)に決勝でのスターティンググリッドを決定する予選が行われました。開幕戦と前戦スパでは予選アタックを担当した宮田でしたが、今大会はチームメイトのヤコブセンがアタックを担当。今季ベストグリッドとなる最前列2番手グリッドから決勝をスタートすることとなりました。
【決勝】
19日(土)好天の下、気温23度、路面温度32度と過ごしやすい気候の下、午後2時半に4時間で争われる決勝レースのスタートが切られました。
宮田の所属するクール・レーシングの37号車は、フルクサがスタートを担当。フルクサは序盤から3位、4位あたりでの激しいバトルを展開し、2スティント目にフルコースイエローが出されると、やや早めのタイミングながら宮田へとドライバー交代を行いました。
宮田は3位でコースへ復帰。その直後にセーフティカーランへと切り替わり、41周目に再スタートが切られました。この再スタートを上手く決めた宮田は、1コーナーの進入で前車をパスし、2位へとポジションアップ。その数周後には、首位を走行する車両が接触でドライブスルーペナルティを科されることとなり、宮田の37号車が首位に立ちました。
首位に立った宮田は、ハイペースでのプッシュを続けて当初は1秒少しだった2位との差を周回毎に広げていき、61周目には2位との差は約10秒にまで広がりました。
レースがまもなく折り返しとなる65周目で宮田はピットへ向かい、首位をキープしたまま2スティント目へ。2位で宮田を追うのは現役WECハイパーカーのレギュラードライバーであり、元F1ドライバーのロバート・クビサが駆るAO by TFチームの14号車。クビサの猛追で2スティント目は僅かに差を詰められたものの、宮田は充分なマージンを保って首位の座を一度も譲ることなく、今大会37号車では最多となる51周を走破。88周目にピットへ向かい、ヤコブセンへとステアリングを託しました。
その後、レースは残り1時間ほどという微妙なタイミングで出されたバーチャルセーフティカーでほとんどの車両が一斉にピットイン。37号車のヤコブセンは再スタート後も首位をキープし続けました。
最後は全車燃料が持つかどうかの戦いに。残り6分ほどで37号車もスプラッシュ&ゴーのピットへ向かい、5位へと後退。前の4台が無給油のまま最後まで走りきれるか注目が集まりましたが、残り3分で全車給油のためピットイン。これで37号車は再び首位に復帰し、トップチェッカー。37号車は今季開幕戦以来となる2勝目を挙げました。
この結果、宮田は37号車のヤコブセン、フルクサと共にシリーズランキング3位でELMSデビューシーズンを終えることとなりました。
宮田莉朋:
ELMS最終戦ポルティマオ優勝しました!開幕戦の優勝に始まり、最後も優勝という形で終えることができました。ムジェロからチームと共に改善策を考えて今回のレースに臨んだので、優勝できたことを嬉しく思います。また、素晴らしいチームとチームメイトと共に最後のレースで勝てて、感謝しかありません。シリーズランキングも3位で終えることができ、皆様の応援が本当に力になりました。1年間応援ありがとうございました!F2が12月にカタール、アブダビで行われるので、引き続き応援よろしくお願いいたします!
ELMS 第6戦 ポルティマオ4時間レース 宮田莉朋 個人成績(LMP2クラス)
予選) 走行せず
決勝) Fastest Time 1:33.430(LMP2/LMP2プロアマクラス決勝出走66人中12位)
走行周回数51周(全127周中)
ELMS第6戦 決勝結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | Lorenzo FLUXA Malthe JAKOBSEN Ritomo MIYATA | COOL Racing | 127 | 4:00'20.026 | 2 |
2 | 14 | Jonny EDGAR Louis DELÉTRAZ Robert KUBICA | AO by TF | 127 | 2.499 | 7 |
3 | 47 | Carl BENNETT Ferdinand HABSBURG Frederik VESTI | COOL Racing | 127 | 3.159 | 11 |
4 | 43 | Sebastian ALVAREZ Vladislav LOMKO Tom DILLMANN | Inter Europol Competition | 127 | 4.075 | 10 |
5 | 34 | Oliver GRAY Clément NOVALAK Luca GHIOTTO | Inter Europol Competition | 127 | 9.491 | 9 |
6 | 23 | Bijoy GARG Fabio SCHERER Paul DI RESTA | United Autosports | 127 | 12.007 | 13 |
7 | 30 | Niels KOOLEN Jean-Baptiste SIMMENAUER James ALLEN | Duqueine Team | 127 | 14.864 | 14 |
8 | 77 | Giorgio RODA René BINDER Bent VISCAAL | Proton Competition | 127 | 16.12 | 15 |
9 | 20 | Kriton LENTOUDIS Richard BRADLEY Alex QUINN | Algarve Pro Racing | 127 | 17.115 | 21 |
10 | 25 | Matthias KAISER Olli CALDWELL Alexander LYNN | Algarve Pro Racing | 127 | 17.585 | 4 |
ELMS2024年最終ドライバーズランキング
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 14 | Jonny EDGAR Louis DELÉTRAZ Robert KUBICA | AO by TF | 93 |
2 | 43 | Sebastian ALVAREZ Tom DILLMANN Vladislav LOMKO | Inter Europol Competition | 81 |
3 | 37 | Lorenzo FLUXA Malthe JAKOBSEN Ritomo MIYATA | COOL Racing | 62 |
4 | 65 | Arthur LECLERC Charles MILESI Manuel MALDONADO | Panis Racing | 61 |
5 | 25 | Alexander LYNN Matthias KAISER Olli CALDWELL | Algarve Pro Racing | 50 |
6 | 28 | Job VAN UITERT Reshad DE GERUS | IDEC Sport | 50 |
7 | 34 | Clément NOVALAK Luca GHIOTTO Oliver GRAY | Inter Europol Competition | 47 |
8 | 9 | Jonas RIED Maceo CAPIETTO Matteo CAIROLI | Iron Lynx – Proton | 36 |
9 | 47 | Frederik VESTI | COOL Racing | 34 |
10 | 22 | Filip UGRAN Marino SATO Benjamin HANLEY | UNITED AUTOSPORTS | 29 |