TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムELMS第6戦 ポルティマオ
宮田莉朋、開幕戦以来となる今季2勝目でシーズンを締めくくる

2024.10.21(月)- 18:00配信

 10月17日(木)から19日(土)にかけてポルトガルのアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットで行われた2024年ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)第6戦ポルティマオ4時間レースに、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋が出場。中盤の2スティントを担当し、見事首位を奪取。チームは開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。この結果、宮田は初参戦のELMSを、ドライバーズランキング3位で終えることとなりました。

宮田莉朋、開幕戦以来となる今季2勝目でシーズンを締めくくる

 昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦しています。
 ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ/アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われます。宮田はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦。開幕戦のバルセロナでは、デビュー戦ながら予選を担当し5番手グリッドを獲得。決勝でも見事初優勝を勝ち取りました。第2戦ル・カステレでは好走を見せるもトラブルでリタイア。第3戦はFIA-F2と同一週末の開催により欠場。第4戦スパでは予選を担当し、2列目4番手グリッドを獲得。決勝でも表彰台を争い5位フィニッシュを果たしました。前戦第5戦ムジェロでは大荒れのレースで苦戦。シーズン最終戦となる今大会は、前戦の雪辱を果たすべく挑みました。

予選

 18日(金)に決勝でのスターティンググリッドを決定する予選が行われました。開幕戦と前戦スパでは予選アタックを担当した宮田でしたが、今大会はチームメイトのヤコブセンがアタックを担当。今季ベストグリッドとなる最前列2番手グリッドから決勝をスタートすることとなりました。

【決勝】

 19日(土)好天の下、気温23度、路面温度32度と過ごしやすい気候の下、午後2時半に4時間で争われる決勝レースのスタートが切られました。
 宮田の所属するクール・レーシングの37号車は、フルクサがスタートを担当。フルクサは序盤から3位、4位あたりでの激しいバトルを展開し、2スティント目にフルコースイエローが出されると、やや早めのタイミングながら宮田へとドライバー交代を行いました。
 宮田は3位でコースへ復帰。その直後にセーフティカーランへと切り替わり、41周目に再スタートが切られました。この再スタートを上手く決めた宮田は、1コーナーの進入で前車をパスし、2位へとポジションアップ。その数周後には、首位を走行する車両が接触でドライブスルーペナルティを科されることとなり、宮田の37号車が首位に立ちました。
 首位に立った宮田は、ハイペースでのプッシュを続けて当初は1秒少しだった2位との差を周回毎に広げていき、61周目には2位との差は約10秒にまで広がりました。
 レースがまもなく折り返しとなる65周目で宮田はピットへ向かい、首位をキープしたまま2スティント目へ。2位で宮田を追うのは現役WECハイパーカーのレギュラードライバーであり、元F1ドライバーのロバート・クビサが駆るAO by TFチームの14号車。クビサの猛追で2スティント目は僅かに差を詰められたものの、宮田は充分なマージンを保って首位の座を一度も譲ることなく、今大会37号車では最多となる51周を走破。88周目にピットへ向かい、ヤコブセンへとステアリングを託しました。
 その後、レースは残り1時間ほどという微妙なタイミングで出されたバーチャルセーフティカーでほとんどの車両が一斉にピットイン。37号車のヤコブセンは再スタート後も首位をキープし続けました。
 最後は全車燃料が持つかどうかの戦いに。残り6分ほどで37号車もスプラッシュ&ゴーのピットへ向かい、5位へと後退。前の4台が無給油のまま最後まで走りきれるか注目が集まりましたが、残り3分で全車給油のためピットイン。これで37号車は再び首位に復帰し、トップチェッカー。37号車は今季開幕戦以来となる2勝目を挙げました。
 この結果、宮田は37号車のヤコブセン、フルクサと共にシリーズランキング3位でELMSデビューシーズンを終えることとなりました。

宮田莉朋:

 ELMS最終戦ポルティマオ優勝しました!開幕戦の優勝に始まり、最後も優勝という形で終えることができました。ムジェロからチームと共に改善策を考えて今回のレースに臨んだので、優勝できたことを嬉しく思います。また、素晴らしいチームとチームメイトと共に最後のレースで勝てて、感謝しかありません。シリーズランキングも3位で終えることができ、皆様の応援が本当に力になりました。1年間応援ありがとうございました!F2が12月にカタール、アブダビで行われるので、引き続き応援よろしくお願いいたします!

ELMS 第6戦 ポルティマオ4時間レース 宮田莉朋 個人成績(LMP2クラス)

予選) 走行せず
決勝) Fastest Time 1:33.430(LMP2/LMP2プロアマクラス決勝出走66人中12位)
走行周回数51周(全127周中)

ELMS第6戦 決勝結果

順位No.ドライバー名チーム周回タイム/差グリッド
137Lorenzo FLUXA
Malthe JAKOBSEN
Ritomo MIYATA
COOL Racing1274:00'20.0262
214Jonny EDGAR
Louis DELÉTRAZ
Robert KUBICA
AO by TF1272.4997
347Carl BENNETT
Ferdinand HABSBURG
Frederik VESTI
COOL Racing1273.15911
443Sebastian ALVAREZ
Vladislav LOMKO
Tom DILLMANN
Inter Europol Competition1274.07510
534Oliver GRAY
Clément NOVALAK
Luca GHIOTTO
Inter Europol Competition1279.4919
623Bijoy GARG
Fabio SCHERER
Paul DI RESTA
United Autosports12712.00713
730Niels KOOLEN
Jean-Baptiste SIMMENAUER
James ALLEN
Duqueine Team12714.86414
877Giorgio RODA
René BINDER
Bent VISCAAL
Proton Competition12716.1215
920Kriton LENTOUDIS
Richard BRADLEY
Alex QUINN
Algarve Pro Racing12717.11521
1025Matthias KAISER
Olli CALDWELL
Alexander LYNN
Algarve Pro Racing12717.5854

ELMS2024年最終ドライバーズランキング

順位No.ドライバー名チームポイント
114Jonny EDGAR
Louis DELÉTRAZ
Robert KUBICA
AO by TF93
243Sebastian ALVAREZ
Tom DILLMANN
Vladislav LOMKO
Inter Europol Competition81
337Lorenzo FLUXA
Malthe JAKOBSEN
Ritomo MIYATA
COOL Racing62
465Arthur LECLERC
Charles MILESI
Manuel MALDONADO
Panis Racing61
525Alexander LYNN
Matthias KAISER
Olli CALDWELL
Algarve Pro Racing50
628Job VAN UITERT
Reshad DE GERUS
IDEC Sport50
734Clément NOVALAK
Luca GHIOTTO
Oliver GRAY
Inter Europol Competition47
89Jonas RIED
Maceo CAPIETTO
Matteo CAIROLI
Iron Lynx – Proton36
947Frederik VESTICOOL Racing34
1022Filip UGRAN
Marino SATO
Benjamin HANLEY
UNITED AUTOSPORTS29
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