TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムFIA-F2 第11戦モンツァ
宮田は健闘を見せるもペナルティで入賞ならず

2024.09.02(月)- 17:00配信

 FIA-F2の第11戦がイタリアのモンツァで行われ、TGR WECチャレンジプログラムから同シリーズに参戦している宮田莉朋は、公式練習で4番手と好調な滑り出しを見せるも、予選は17番手。スプリントレースでは終盤追い上げ13位。フィーチャーレースは9位まで順位を上げチェッカーを受けましたが、レース中のペナルティでタイムを加算され、14位という結果におわりました。

宮田は健闘を見せるもペナルティで入賞ならず

 8月30日(金)から9月1日(日)にかけて、イタリアのモンツァ・サーキットで2024年FIA-F2第11戦が開催されました。FIA-F2には今季TOYOTA GAZOO Racing(TGR) WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋がロディン・モータースポーツからフル出場しています。

 7月末の第10戦以来、1か月強のサマーブレイクを経てFIA-F2が再開されました。全14戦で争われている今季の同シリーズも、今大会を含め残すところ4戦となりました。今季FIA-F2とELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に参戦している宮田は、一足先に前週ベルギーのスパでELMS第4戦に出場しており、サマーブレイク明け早々2週連戦の忙しいスケジュールとなります。

 今大会の舞台となるモンツァは、100年以上前からF1イタリアGPが行われてきた伝統のコース。フェラーリの地元であり、多くの熱狂的なファンの皆様が集まります。森の中を抜ける、昔ながらの超高速サーキットで、今大会の前に路面も全面再舗装されており、エキサイティングなバトルが展開されました。

 宮田はデビューイヤーのFIA-F2序盤戦、中東の開幕戦と豪州の第3戦でポイント獲得を果たしました。舞台が欧州へ移ってからは、初めてのサーキットで走行時間も限られる中、毎戦着実に経験を積みながら随所で光る速さを見せており、サマーブレイク前の第9戦ブダペスト、第10戦スパと連続でフィーチャーレース後半の追い上げを見せて2戦連続のポイント獲得を果たしています。

予選

 8月30日(金)午後4時2分より30分間の予選が行われました。好天の下、気温は34度、路面温度も50度を超える暑さの中で激しいアタックが繰り広げられました。
 各車開始5分ほどを経たところでコースインするも、10分過ぎにコースオフ車両により赤旗中断。残り16分で再開されると、全車一斉にコースへ向かい、午前中の公式練習で4番手と好調さを見せた宮田は、この時点でのセクター2のベストタイムを刻むも、また別の車両が飛びだして赤旗中断。宮田はこのアタックを完遂できませんでした。
 この2回目の赤旗からは残り6分で再開となり、各車最後の一発アタックへ向けコースイン。宮田は1分32秒896でその時点での9番手につけるも、その後ライバル勢も次々にタイムを更新して行き、ポールポジションから0.736秒遅れの17番手グリッドとなりました。

【スプリントレース】

 31日(土)、この日も気温33度、路面温度49度という暑さの中で午後2時15分より21周で争われるスプリントレースが行われました。
 スタート直後のストレートで、後続集団の接触により多重クラッシュが発生。いきなりセーフティカー導入の波乱の幕開けとなりました。宮田は目の前で発生したクラッシュを上手くかわし、13位へとポジションアップ。
 4周目に再スタートが切られると、宮田はライバル勢との激しい順位争いを展開。一時は17位までポジションを落とすもその後は周回毎にライバルをかわして順位を取り戻して行きました。
 14周目に15位まで上がった宮田は、さらにペースを上げて前車との差を詰めていき、18周目に14位へ浮上。その後、上位車両が1台スローダウンしたことで、13位でチェッカーを受けました。

【フィーチャーレース】

 9月1日(日)のフィーチャーレースは午前10時5分と早い時間からのスタートで、気温は29度、路面温度35度とやや過ごしやすいコンディション。
 この日もスタート直後、1コーナー進入で接触があり、1周目からセーフティカーが導入されました。
 宮田はこの混乱を避ける形で18位へ後退。3周目に再スタートが切られ、1列に連なっての周回が続きましたが、タイヤ交換義務消化が可能となる6周目を終えると、オプション(スーパーソフト)タイヤを装着している上位勢がピットへ向かいました。
 上位勢がピットインしたことで、宮田は9位へとポジションアップ。8周目、宮田はさらに上位を目指すも、第1シケインで僅かに前車に接触し、この車両がスピン。2度目のセーフティカー導入となりました。
 このタイミングで宮田らもピットイン。宮田もオプションタイヤからプライム(ミディアム)タイヤへと交換しました。
 11周目に再スタートが切られ5台がピット未消化の状態で宮田は12位を走行。3戦連続でのポイント獲得の期待が高まりました。
 しかし、先の接触で宮田にレース結果+10秒のペナルティが科されることに。また、再スタート後の混乱の中でコースオフを喫した宮田は、コースへ復帰したもののその際に定められたルートを通過しなかったとしてさらに5秒プラスのペナルティ。
 ペナルティを科されることになったものの、宮田はライバルとの激しいバトルを繰り広げ、14周目、15周目と前車をパスして9位へポジションアップ。
 その後も激しいバトルを繰り広げ、宮田は9位でチェッカー。しかし、15秒のペナルティを加えられたことで、レースは14位という結果となりました。

宮田莉朋:

 結果は厳しいレースとなってしまいましたが、初めての走行でもフリー走行では上位にいくことができましたし、何かつかめさえすれば良いレースにできたと思います。今週末得られたことをまたしっかりと振り返って、次戦のバクーに挑みたいと思います。モンツァは高速サーキットでありながらもブレーキが非常に重要なコースで、やはり日本にないコースレイアウトですし、自分にとっても新たな発見ができました。この経験も今後のキャリアに活かしていきたいと思います。

FIA-F2第11戦 予選結果

順位No.ドライバー名チームベストタイム
1 5 Zane Maloney Rodin Motorsport 1:32.160
2 20 Isack Hadjar Campos Racing 1:32.249
3 17 Paul Aron Hitech Pulse-Eight 1:32.322
4 11 Dennis Hauger MP Motorsport 1:32.341
5 1 Victor Martins ART Grand Prix 1:32.348
6 4 Andrea Kimi Antonelli PREMA Racing 1:32.374
7 21 Josep Maria Martí Campos Racing 1:32.508
8 3 Oliver Bearman PREMA Racing 1:32.519
9 16 Amaury Cordeel Hitech Pulse-Eight 1:32.612
10 14 Enzo Fittipaldi Van Amersfoort Racing 1:32.620
17 6 Ritomo Miyata Rodin Motorsport 1:32.896

FIA-F2第11戦 スプリントレース結果

順位No.ドライバー名チーム周回タイム/差グリッド
1 3 Oliver Bearman PREMA Racing 21 35:37.225 8
2 1 Victor Martins ART Grand Prix 21 1.694 4
3 24 Joshua Dürksen AIX Racing 21 7.254 10
4 21 Josep Maria Martí Campos Racing 21 12.88 3
5 5 Zane Maloney Rodin Motorsport 21 13.442 9
6 7 Jak Crawford DAMS Lucas Oil 21 13.486 13
7 14 Enzo Fittipaldi Van Amersfoort Racing 21 13.587 1
8 10 Gabriel Bortoleto Invicta Racing 21 14.84 22
8 11 Dennis Hauger MP Motorsport 21 14.84 5
10 20 Isack Hadjar Campos Racing 21 16.126 7
13 6 Ritomo Miyata Rodin Motorsport 21 22.808 17

FIA-F2第11戦 フィーチャーレース結果

順位No.ドライバー名チーム周回タイム/差グリッド
1 10 Gabriel Bortoleto Invicta Racing 30 50:30.337 22
2 5 Zane Maloney Rodin Motorsport 30 9.436 1
3 22 Richard Verschoor Trident 30 11.628 19
4 4 Andrea Kimi Antonelli PREMA Racing 30 14.173 6
5 24 Joshua Dürksen AIX Racing 30 14.558 11
6 1 Victor Martins ART Grand Prix 30 15.047 5
7 3 Oliver Bearman PREMA Racing 30 15.399 8
8 15 Rafael Villagómez Van Amersfoort Racing 30 15.753 16
9 7 Jak Crawford DAMS Lucas Oil 30 17.054 14
10 14 Enzo Fittipaldi Van Amersfoort Racing 30 17.372 10
14 6 Ritomo Miyata Rodin Motorsport 30 31.72 17

FIA-F2第11戦終了時ランキング

順位No.ドライバー名チームポイント
1 20 Isack Hadjar Campos Racing 165
2 10 Gabriel Bortoleto Invicta Racing 154.5
3 5 Zane Maloney Rodin Motorsport 135
4 17 Paul Aron Hitech Pulse-Eight 124
5 7 Jak Crawford DAMS Lucas Oil 105
6 4 Andrea Kimi Antonelli PREMA Racing 99
7 12 Franco Colapinto MP Motorsport 96
8 11 Dennis Hauger MP Motorsport 83.5
9 1 Victor Martins ART Grand Prix 74
10 9 Kush Maini Invicta Racing 74
19 6 Ritomo Miyata Rodin Motorsport 29
モンツァ・サーキット
宮田莉朋