FIA-F2の今季最終戦となる第14戦がアラブ首長国連邦(UAE)のヤス・マリーナ・サーキットで行われ、TGR WECチャレンジプログラムから同シリーズに参戦している宮田莉朋は、スプリントレースで入賞権を争うもペナルティで11位。フィーチャーレースでは粘り強い走りで10位に入り、前戦ルサイルに続き2大会連続でのポイント獲得でシーズンを締めくくりました。
12月6日(金)から8日(日)にかけて、UAEの首都アブダビに位置するヤス・マリーナ・サーキットで2024年FIA-F2の最終戦となる第14戦が開催されました。FIA-F2には今季、TOYOTA GAZOO Racing(TGR) WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋がロディン・モータースポーツからフル出場しています。
全14大会、28レースで戦われてきた2024年シーズンも最終戦を迎えました。今季FIA-F2とELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に参戦している宮田は、デビューイヤーで初めて走るコースが多く、苦戦しながらも、FIA-F2ではここまでの13戦26レースのうち7レースでポイントを獲得しています。
今大会は、中東UAEの首都、アブダビのヤス島に位置するヤス・マリーナ・サーキットが舞台。宮田は昨年、ポストシーズンテストでこのサーキットでの走行を経験しており、また、1週間前のルサイル戦でも果敢に入賞争いを繰り広げるなど成長著しく、活躍が期待されました。
予選
6日(金)の午前中に行われたフリー走行では、宮田は6番手と好タイムをマーク。午後3時からの予選(30分間)でも、セッションを通してトップ10圏内のタイムで争うこととなりました。
セッション前半で各車最初のアタックを終え、ピットへと戻ってきた時点では9番手。残り12分を切って再コースインし、残り6分ほどでアタックに入りました。宮田は10周目に1分36秒115をマークし、この時点での6番手に。さらにタイムを更新しようとするも、残り4分19秒というところでコース上に停止車両が発生し、セッションは赤旗中断となりました。
残り4分19秒でセッションが再開され、全車一発でのアタックに向かいましたが、宮田はセクター2で自己ベストを更新するも、1周のタイムは更新ならず。最終的な予選順位は8番手となりました。
【スプリントレース】
7日(土)午後4時15分より、気温27度、路面温度36度のコンディションで、ピット義務なしの23周で争われるスプリントレースが行われました。スプリントレースは予選での上位10台が逆順(リバースグリッド)となり、宮田は2列目3番手の好位置からスタートすることとなりました。
スタートでは宮田はやや出遅れ、1コーナーには3台が並んだまま進入。アウト側で行き場を失い、6位へと後退。また、その先では前車に接触し、1周目を9位で終えることとなりました。
2周目にも1台先行を許し10位となった宮田には、さらに接触による10秒加算のペナルティが科されることに。
厳しい戦いとなった宮田でしたが、10周目には1台パスし9位に上がると、さらに3秒ほどあった前車との差を詰めていきました。
レースは後半、他車の接触やペナルティも続発する荒れた展開となる中、粘り強い走りでタイヤをマネージメントした宮田は、ペースの落ちたライバルをパスし、7位へとポジションアップ。そのままの順位でチェッカーを受けましたが、ペナルティにより11位フィニッシュとなりました。
宮田莉朋:
「7位フィニッシュだったのですが、1周目のターン6で他車とぶつかってしまったためペナルティを受け、11位でレースを終えることとなりました。ペナルティは残念でしたが、自分にとってレースをするのは初めてのアブダビでトライしたことが、結果的にペナルティになった形です。明日は8番手からのスタートなので、この経験は明日に繋げて良いレースをして、表彰台、優勝を目指してチームと共に最後まで頑張っていきたいと思います。引き続き、応援よろしくお願いします。」
【フィーチャーレース】
8日(日)は気温30度、路面温度44度と暑くなる中、午後1時25分より、タイヤ交換義務有りの33周で争われるフィーチャーレースが行われました。宮田は他車のグリッド降格により7番手からスタート。反応は良く、スタート直後に一旦は6位に上がったものの、1周目のスタート直後の混戦の中で順位を落とし、1周目を8位で終えました。
6周を終えたところで、柔らかい方のスーパーソフト(オプション)タイヤを装着していた上位勢の数台がピットへ。同じくスーパーソフトを装着していた宮田も翌周ピットへ向かい、ミディアムタイヤへと交換。ややピット作業でタイムをロスし、1台先行を許すも、ピットを終えた組の中では7番手となる14位でコースに復帰しました。
13周目には周りよりも速い自己ベストタイムをマークし、前車との差を詰めていくと、残り10周で1台パスし、13位へ。
レースが終盤に入り、ミディアムタイヤスタートでピットを遅らせていた上位勢がタイヤ交換のためにピットへ向かうと、宮田は8位へとポジションを上げました。
残り4周、新品のスーパーソフトタイヤに交換したライバル勢が猛追を開始。宮田は2台にかわされるも、最後まで逃げ切り、10位でチェッカー。前戦ルサイルのフィーチャーレースに続く10位フィニッシュで、今季8度目のポイント獲得を果たしました。
宮田莉朋:
「フィーチャーレースの結果は10位と、苦しいレースになってしまいましたが、自分の中では攻め続けたレースでした。その中で収穫も得ることもできましたし、将来につながるレースができたと思います。結果にはつながりませんでしたが、経験も積むことができ、多くを学ぶことのできたレースでした。今シーズン1年を通して、なかなか思うようにいかないことばかりでしたが、初めて走るサーキットが多かったので、今年得られた経験を将来の自分のキャリアにつなげられるように、これからも頑張っていきたいと思います。今年も1年間、たくさんの応援ありがとうございました。」
FIA-F2第14戦 予選結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | ベストタイム |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | Victor Martins | ART Grand Prix | 1:35.745 |
2 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 1:35.780 |
3 | 17 | Paul Aron | Hitech Pulse-Eight | 1:35.813 |
4 | 20 | Isack Hadjar | Campos Racing | 1:35.873 |
5 | 8 | Dino Beganovic | DAMS Lucas Oil | 1:35.906 |
6 | 9 | Kush Maini | Invicta Racing | 1:35.950 |
7 | 21 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 1:36.057 |
8 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 1:36.115 |
9 | 24 | Joshua Dürksen | AIX Racing | 1:36.142 |
10 | 16 | Amaury Cordeel | Hitech Pulse-Eight | 1:36.142 |
FIA-F2第14戦 スプリントレース結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 23 | 38:36.039 | 4 |
2 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 23 | 2.286 | 9 |
3 | 8 | Dino Beganovic | DAMS Lucas Oil | 23 | 18.828 | 5 |
4 | 3 | Oliver Bearman | PREMA Racing | 23 | 19.547 | 14 |
5 | 20 | Isack Hadjar | Campos Racing | 23 | 22.980 | 6 |
6 | 2 | Luke Browning | ART Grand Prix | 23 | 26.798 | 15 |
7 | 11 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 23 | 27.896 | 13 |
8 | 7 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 23 | 29.768 | 20 |
9 | 12 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 23 | 31.618 | 11 |
10 | 5 | Leonardo Fornaroli | Rodin Motorsport | 23 | 33.307 | 12 |
11 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 23 | 33.784 | 3 |
FIA-F2第14戦 フィーチャーレース結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 24 | Joshua Dürksen | AIX Racing | 33 | 56:23.715 | 9 |
2 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 33 | 1.791 | 2 |
3 | 11 | Richard Verschoor | MP Motorsport | 33 | 5.370 | 14 |
4 | 1 | Victor Martins | ART Grand Prix | 33 | 7.337 | 1 |
5 | 3 | Oliver Bearman | PREMA Racing | 33 | 10.316 | 15 |
6 | 21 | Josep Maria Martí | Campos Racing | 33 | 18.177 | 7 |
7 | 8 | Dino Beganovic | DAMS Lucas Oil | 33 | 19.769 | 5 |
8 | 16 | Amaury Cordeel | Hitech Pulse-Eight | 33 | 19.873 | 10 |
9 | 12 | Oliver Goethe | MP Motorsport | 33 | 21.031 | 12 |
10 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 33 | 23.331 | 8 |
FIA-F2最終ランキング
順位 | No. | ドライバー名 | チーム | ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | Gabriel Bortoleto | Invicta Racing | 214.5 |
2 | 20 | Isack Hadjar | Campos Racing | 192 |
3 | 17 | Paul Aron | Hitech Pulse-Eight | 163 |
4 | 5 | Zane Maloney | Rodin Motorsport | 140 |
5 | 7 | Jak Crawford | DAMS Lucas Oil | 125 |
6 | 4 | Andrea Kimi Antonelli | PREMA Racing | 113 |
7 | 1 | Victor Martins | ART Grand Prix | 107 |
8 | 11,22 | Richard Verschoor | Trident,MP Motorsport | 106 |
9 | 12 | Franco Colapinto | MP Motorsport | 96 |
10 | 24 | Joshua Dürksen | AIX Racing | 87 |
19 | 6 | Ritomo Miyata | Rodin Motorsport | 31 |