5月21日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルが開幕。北部の大都市ポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを中心にデイ1として8本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合5位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合6位につけました。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、エバンスに次ぐ総合4位と、4台のヤリスWRCがトップ6につけました。
2年ぶりのWRC開催、そして今シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・ポルトガルの競技初日は、サービスパーク南側のアルガニル地域を中心に、8本計122.88kmのステージが行なわれました。デイ1は日中のサービスの設定がなく、そのためアクシデントやトラブルに見舞われても自力による修理しかできず、また、サスペンションや駆動系の交換など大幅なセッティング変更もできないなど、選手にとっては非常に厳しい1日となりました。
ポルトガルのステージは、道の表面が滑りやすい「ルーズグラベル」に覆われており、ドライバー選手権首位で出走順トップのオジエと、選手権3位につけ出走順3番手のエバンスは、ルーズグラベルを掃き飛ばしながらの不利な条件での走行となり、午前中の3本のステージは思うようにタイムが伸びませんでした。しかし、彼らは午後の再走ステージでペースを上げ、SS7でオジエがベストタイムを記録し、総合5位に順位を上げました。また、そのSS7でエバンスは、アクシデントによりスロー走行をしていた前走車が巻き上げた土煙で視界を奪われ大幅にタイムを失いましたが、その後調整が入りオジエと同タイムが与えられました。その結果、エバンスは総合4位から2位にポジションアップ。首位のライバルと6秒差でデイ2に臨みます。ロバンペラは、午前中のステージでは苦戦しましたが、午後はSS4でベストタイムを獲得するなど復調。オジエと4.9秒差の総合6位で1日を終えました。
今シーズン開幕から3戦連続で総合6位を獲得し、前戦クロアチア・ラリーでは2回のベストタイムを記録した勝田は、今大会でも好調を維持。4番手タイムを3回刻むなど安定して上位を走行し、一時はヤリスWRC勢の中で最上位につけるなど健闘。総合3位のライバルと6.4秒差、直後につけるオジエと8.6秒差の総合4位でデイ1を走破しました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
今日の順位はとても喜ぶべきものです。今週の頭に雨が降りましたが、その後路面はかなり乾いてしまったので、我々の出走順がかなり不利であることは分かっていました。しかし、今は全ドライバーが優勝や表彰台を目指して戦える位置につけているので、非常に満足しています。エルフィンはとても良い戦いをし、トップにかなり近い位置にいます。セブは予想よりもタイムロスが少なく、カッレも良いタイムを記録しました。また、貴元も素晴らしい1日を送ったので、明日は4台とも期待できます。
<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>
いつもと同じように、今日もほとんどのステージを出走順トップで走りました。もちろんベストを尽くしましたが、どのステージでもタイムを失いました。幸いにも午後のSS7ではベストタイムを獲得しましたが、ルーズグラベルが多く、グラベル自体も乾いていて、今日走った中では最も路面がダーティなステージだったので、まさかベストタイムを獲れるとは思っていませんでした。出走順がずっとトップだったので、他の選手よりもタイヤを温存することができたのかもしれませんし、ライバルの多くがトラブルに見舞われたことも、良いタイムを出すことができた理由のひとつだと思います。状況は少し良くなり、少なくとも表彰台争いをできるところまでは戻って来ることができました。まだまだ上を狙うことはできると思いますし、明日は最も長い1日で、しかも私の前に出走するクルマが何台かあるので、少し面白くなりそうです。
<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
長く、厳しい1日でした。新しいグラベルタイヤに慣れ、正しい選択をするのは簡単ではありませんでした。今朝は路面がかなり湿っていましたが、ソフトタイヤの本数には限りがありました。そのためハードタイヤとミックスして装着することも多く、それもあって完全に自信を持って運転することができませんでした。しかし、他のクルマが見舞われたようなトラブルを回避できたこともあり、非常に良い順位で1日を終えることができました。午前中はやや安定性に欠け苦労しましたが、午後になると少しずつ良くなっていったので、クルマに微調整を施し明日は優勝争いに挑みます。きっと難しい1日になると思いますが、とても楽しみです。
<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
全体的にはかなり難しい1日でしたが、その中で良いタイムを出すこともできました。朝の時点では、クルマのセットアップが自分に合っていないと感じていました。このようなコンディションで、新しいタイヤを履いてまだ十分な距離を走っていなかったので、方向性を掴めていなかったのです。しかし、何を変えればいいのかが段々と見えてきたので、午後のステージに向けてセットアップを変更したところ良くなりましたが、タイヤに問題が発生したこともあり、タイムをロスしてしまいました。それでも、1日を走り終えセットアップの方向性を理解できたので、明日はもっとうまく行くと思います。
<<ラリー・ポルトガル デイ1の結果>>
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 1h22m35.0
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +6.0s
3 ダニ・ソルド/ボルハ・ロザダ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +9.0s
4 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +15.4s
5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +24.0s
6 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +28.9s
7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +1m02.3s
8 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m33.5s
9 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +3m34.9s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +3m37.1s
(現地時間5月21日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる5月22日(土)のデイ2は、サービスパークの北東に広がるカブレイラ山脈で、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。その後、サービスパークの南側に位置するポルトのドウロ川岸で、全長3.3kmの市街地スーパーSSを走行します。7本のステージの合計距離は165.16kmと、今大会最長1日となり、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は630.96kmに達します。
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