WRC 第4戦 ラリー・ポルトガル デイ2 エバンスが首位に、オジエが総合3位に浮上

2021.5.23(日)- 07:30配信

5月22日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルのデイ2が、ポルト近郊マトジニョスのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合3位に順位を上げました。一方、総合6位につけていたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は、技術的な問題によりデイリタイアとなりました。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、デイ1と変わらず総合4位につけています。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

ラリー・ポルトガル競技2日目のデイ2は、サービスパークの北東に広がるカブレイラ山脈を中心に、7本計165.16kmのステージが行なわれました。デイ1で総合2位につけたエバンスは、午前中の3本のステージ全てを2番手タイムで走行。午後の再走ステージでは最初のSS12でベストタイムを記録し、さらに今大会最長となる全長37.92kmのSS14でもベストタイムをマーク。そのステージでは総合1位のライバルがステージの途中でストップしたため、エバンスはトップに立ちました。その後、1日の最後に用意されたポルト市街地でのショートステージを経て、エバンスは総合2位のライバルに10.7秒差をつけ、首位でデイ2を走り切りました。

デイ1で1番手スタートを担い、滑りやすい「ルーズグラベル」を履き飛ばしながらの不利な走行を強いられたオジエは、1日を通して勝田と総合4位の座を激しく競いました。オープニングのSS9ではまずオジエが総合4位に順位を上げ、SS10では勝田が挽回し総合4位に。SS12では再びオジエが総合4位となり、その後首位の選手がストップしたことによって総合3位に浮上。しかし、背後につける勝田とは1.5秒と僅差であり、同門対決は最終日のデイ3でも続くことになります。

ロバンペラは、SS13終了視点で総合6位につけていましたが、続くSS14に向かう途中でクルマに問題が発生したため、デイリタイアを選択。クルマはサービスパークに戻り、修理の後デイ3に再出走する予定です。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
首位に立てたことを、もちろん嬉しく思います。1日を通して、トップの選手と対等に戦うことはできませんでした。しかし、我々もそうですが、トロフィーを掲げるためには、最後まで走りきらなければなりません。エルフィンはとてもいい戦いをしていましたし、幸運にも恵まれました。今、彼はとても有利な位置につけていますが、もちろん明日はフィニッシュラインを通過しなくてはなりませんし、何かが保証されているわけでもありません。チャンピオンシップを考えればセブが表彰台圏内に入ったのは素晴らしいことですし、彼と貴元の戦いはエキサイティングでした。残念ながら、カッレのクルマにはロードセクションで技術的な問題が発生してしまい、その後37.92kmのロングステージを走ってダメージを広げるリスクをとるべきではないと判断しました。自走でサービスに戻ることになりましたが、明日のパワーステージではポイント獲得を狙って戦えるはずです。

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>
難しい1日でしたが、それでも少し順位を上げることができました。表彰台圏内に入れたのは、ポジティブに思えることです。トラブルに巻き込まれずに済んだのが大きな理由ですが、こういったこともラリーの一部です。今日は自分が思うようなペースでは走れなかったので、正直なところあまり満足できませんでした。昨日と同じように、出走順による路面コンディションの影響もあったと思いますが、タイヤ選択に関しても、もう少し上手くできたはずです。それでも、何本かニュータイヤが残っているので、明日はそれを最大限に活用するつもりです。

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
ラリーをリードする立場になり、とても嬉しいです。全体的には非常に順調な1日でした。午前中は、最初に自分のリズムを掴むまでは少し苦労しましたが、その後はまあまあ良かったと思います。路面のコンディションはかなりタフでしたが、うまく乗り切ることができました。オィットに対してはとても気の毒に思いますが、今、我々は非常に有利な立場になりました。ただし、2位との差は小さいので明日は全力で戦わなければなりませんし、きっと大変な1日になるでしょう。それでも明日のステージを走るのがとても楽しみですし、ベストを尽くして臨みたいと思います。

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
今日も午前中のステージは非常に難しかったですが、路面のグリップが高くなった午後のステージでは、再び楽しんでドライブすることができていました。すべてが正常に作動し、ステージタイムも良好でした。ステージを1回目に走行する時のような、滑りやすい路面コンディションで良いフィーリングを掴むためには、まだ改善しなければならないことがあります。午後の3本目のステージに臨む前に技術的な問題が起こり、デイリタイアを余儀なくされたのは残念ですが、明日はきっと再出走できると思います。明日の出走順を考えるとパワーステージは少し難しいかもしれませんが、もちろん、できるだけ多くのポイントを獲得したいと思っています。

<<ラリー・ポルトガル デイ2の結果>>
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) 3h07m09.1s
2 ダニ・ソルド/ボルハ・ロザダ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +10.7s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +1m04.2s
4 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +1m05.7s
5 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +4m21.8s
6 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +4m28.2s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +8m21.2s
8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +9m01.6s
9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 Rally2) +10m46.6s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +11m01.1s
TBC カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)
(現地時間5月22日22時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
ラリー最終日となる5月23日(日)のデイ3は、サービスパークの北東エリアで、5本のステージを日中のサービスを挟むことなく走行。SS18およびその再走ステージであるSS20「ファフェ」は、ビッグジャンプで知られるラリー・ポルトガルを代表する名物ステージです。また、最終ステージでもあるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。5本のステージの合計距離は49.47km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は295.09kmとなります。

1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
エルフィン・エバンス
エルフィン・エバンス
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

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