6月5日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・イタリア サルディニアのデイ2が、サルディニア島北東部、オルビアのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が総合1位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位に順位を上げました。また、前日のデイリタイアを経て再出走したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合29位につけ、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元/ダニエル・バリット組(18号車)は、総合4位に順位を上げました。
ラリー・イタリア サルディニアの競技2日目デイ2は、サービスパークの南側から西側にかけてのエリアで8本計129.62kmのステージが行なわれました。早朝は断続的に小雨が降るなど天気は不安定でしたが、ステージが始まる前には回復し、気温もかなり上昇しました。路面は所々非常に滑りやすく、また大きな石が転がる荒れたセクションもあり、多くのトップ選手がミスやトラブルで戦列を去るなど荒れた展開となりました。
オジエはデイ1で不利な出走順トップでステージに臨むも、首位と36.2秒差の総合3位につけました。その結果、デイ2では出走順が8番手と後方になり、不利な走行条件から開放されたことで本来のスピードを発揮。まず、2本目のSS10でベストタイムを記録して総合2位に順位を上げ、SS12でもベストタイムをマーク。同ステージで首位のライバルがトラブルに見舞われたことにより、総合1位に立ちました。その後もオジエはペースを緩めることなく、デイ2の全8ステージのうち、5ステージでベストタイムを刻み、首位の座をしっかりと固めて1日を終えました。前日総合4位のエバンスは、走り始めから良いフィーリングを掴み、SS11でベストタイムを記録するなど安定して好タイムを刻み続け、SS12で総合3位に浮上しました。さらに、SS15で順位を争っていたライバルがアクシデントで止まったことにより総合2位に上がり、1日の最後のSS16では2本目のベストタイムをマーク。首位オジエと38.9秒差の総合2位で走りきり、総合3位のライバルとの差を22.7秒に拡大しました。
再出走を果たしたロバンペラは、2番手という不利な出走順にも関わらず良い走りを続け、1日の終盤には4番手タイムを2回記録するなど着実にスピードを上げ、ポジティブに1日を締めくくりました。明日は、最終ステージに設定されるパワーステージで、できるだけ多くのボーナスポイントを獲得することが最大のテーマとなります。
デイ1で総合6位につけた勝田は、堅実な走りで困難なステージを走破し総合4位に浮上。総合3位のライバルとは3分近いタイム差がありますが、それでも前戦ラリー・ポルトガルに続く、自己ベストリザルトの総合4位獲得に大きく近づきました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
今日は多くのドラマがありましたが我々は上手く切り抜け、総合1、2位に順位を上げることができたので素晴らしい1日になりました。全部で10台出走したワールドラリーカーのうち、6台がリタイアしたという事実は、このラリーがいかに厳しいものであるかを物語っています。速さだけでなく、信頼性や安定性も求められる1戦なのです。セブは本当に良い仕事をしてくれていますし、エルフィンも今朝、自信を取り戻しました。また、貴元も総合4位と好位置につけています。明日も、これまでと変わらず集中して取り組む必要がありますが、そうすることができれば、最後にはとても良い結果が得られるでしょう。
<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>
ここまでのところ、私達にとっては完璧な週末です。昨日はとても好調でしたし、今日もやるべきことはすべてやりました。今朝は安定したペースで走ることができましたし、他と少し違うタイヤ選択も功を奏したと思います。自分の力だけでトップに立つことはまず無理でしたが、それを達成し、午後はライバルとの差を広げることもできました。これで明日は、今日よりも確実性を高めた走りができます。明日はいくつか新しいステージがあるので、最後まで集中して仕事をやり遂げなければなりません。
<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
朝はまったく良いスタートではありませんでした。ラリー・ポルトガルの後、クルマにいくつか変更を加えて少しでも良くしようとしたのですが、以前のような自信を得ることはできず、今朝はクルマのフィーリングを掴むことに苦労し、良いリズムで走ることができませんでした。しかし、午後になると状況は良くなり、気持ちも明るくなりました。ステージのタイムにはあまり満足していませんが、少なくとも状況は良い方向に向かっているので、明日はさらなる向上を目指して頑張りたいと思います。
<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
今朝のように、すぐにまた戦いに復帰できたのは嬉しいことですし、2番手という早い出走順でステージに臨む際の路面コンディションを経験できたのもいい勉強になりました。朝は路面が少し湿っていたのでルーズグラベルの影響が比較的少なく、楽しんで走ることができました。午後はトリッキーなステージが多く、ルーズグラベルを掃き飛ばしながら走るのは大変でした。明日は、パワーステージでボーナスポイントを獲得したいと思っています。新しくてトリッキーなステージですが、自分達に何ができるのか考えてみたいと思います。
<<ラリー・イタリア サルディニア デイ2の結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h50m33.1s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +38.9s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m01.6s
4 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +4m01.2s
5 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (ヒュンダイ i20 R5) +8m09.6s
6 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 Rally2) +8m12.3s
7 ヨアン・ロッセル/アレクサンドレ・コリア (シトロエン C3 Rally2) +8m57.5s
8 ペペ・ロペス/ディエゴ・ファレホ(シュコダ ファビアRally2 Evo) +9m35.3s
9 ハン・ソランス/ロドリゴ・サンファン (シトロエン C3 Rally2) +9m45.0s
10 マルコ・ブラチア/マルセロ・デル・オハネシアン(シュコダ ファビアRally2 Evo) +10m13.1s
29 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +51m36.5s
(現地時間6月5日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技最終日となる6月6日(日)のデイ3は、サービスパークの北側エリアで、2本のステージをサービスを挟むことなく各2回走行します。過去数年、最終日は美しい海に面した島の北西部で行われてきましたが、今年は舞台を島の北端に近いエリアに移しました。SS17/19「アルツァケーナーブラニアトッギウ」は2009年以来久々に使われるステージで、SS18/20「アリエントゥーサンタ・テレーザ」は新規のステージとなります。なお、最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は46.08km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は193.24kmとなります。
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