8月15日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦イープル・ラリー・ベルギーの最終日デイ3が、ベルギー東部のスパ・フランコルシャン・サーキットを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合3位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合4位で、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合5位でフィニッシュ。チームとオジエは、マニュファクチャラーおよびドライバー選手権首位の座を守りました。
イープル・ラリー・ベルギーの競技3日目デイ3は、サービスパークが置かれるベルギー西部のイープルを早朝スタート。約300km東に離れたリエージュ州のスパ・フランコルシャン・サーキットを中心に、2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は40.52kmでした。ラリーは最終日も良い天気に恵まれ、気温は日中22度前後に到達。3日間を通してドライコンディションでの戦いになりました。
デイ3のステージは、WEC(世界耐久選手権)やF1グランプリも開催される、有名な「スパ・フランコルシャン・サーキット」周辺のツイスティな一般道、サーキット内の移動路、グラベル(未舗装路)のラリークロスコース、そしてレーシングサーキットを組み合わせた複合的な構成となり、このサーキットの名物コーナーである「オールージュ」も走行。ベルギーのモータースポーツシーンを代表するクラシックサーキットで、最後の戦いが行われました。
デイ2終了時点で、総合3位エバンスと、総合4位ロバンペラの差は3.3秒。その僅か1秒後方に総合5位のオジエがつけるという、チームメイト同士による僅差の表彰台争いは、まずオープニングのSS17でロバンペラがベストタイムを記録。オジエはタイヤにダメージを負いタイムを失いました。続くSS18では、2番手タイムを記録したロバンペラが、エバンスを抜いて総合3位にポジションを上げ、エバンスは総合4位に順位を下げました。その後、3人の順位は最後まで変わらず、前戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を飾った20歳のロバンペラが、今シーズン3回目の表彰台を獲得しました。
ボーナスの選手権ポイントがかかる、スパ・フランコルシャンでのパワーステージでは、オジエが2番手タイムで4ポイントを、ロバンペラが4番手タイムで2ポイントを、エバンスが5番手タイムで1ポイントを獲得。オジエはドライバー選手権首位を守り、今回優勝したライバルに同ポイントに並ばれるも選手権2位を守ったエバンスとの差を1ポイント拡げ、38ポイント差としました。また、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を堅守しました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
最終日、我々のドライバーたちは大接戦を繰り広げましたが、最終的には素晴らしいペースで走ったカッレが表彰台を獲得しました。クロアチア・ラリーでのアクシデント後、最初のターマック(舗装路)ラリーで力強い戦いをしてくれたことを嬉しく思います。今回は全てのドライバーが良い仕事をしたと思います。ただ、我々にはこのラリーでの経験がなかったので、優勝争いに加わることはできませんでした。我々はまず、金曜日に路面とグリップレベルについて学ばなくてはなりませんでした。その経験を基に戦ったその後の2日間は、トップタイムを出すことができましたが、それでは少し遅すぎました。もちろん、全てのラリーで勝つことができないのはわかっていますし、今週末はチャンピオンシップのために重要なポイントを獲得することができました。
<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>
表彰台をかけてチームメイトといい戦いをし、エキサイティングな最終日になることを期待していましたが、今朝最初のステージを3、4km走ったところでパンクをしてしまいました。ライン上にあった小さな岩に気がつかずに当たってしまい、我々の戦いはそこで終わってしまったので、その後はパワーステージに集中することにしました。ステージ優勝は叶いませんでしたが、2番手タイムで4ポイントを追加獲得することができました。そのおかげで選手権のリードをさらに1ポイント拡げることができたので、悪くない週末になったと思います。
<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
残念ながら、今日は今回のラリーで最も悪い一日になってしまいました。今朝は、最初からあまりうまく行きませんでした。ハードに攻めたところもありましたが、いくつかミスをしてしまいタイムを失いました。今日は自分たちのための日ではなかったと思います。カッレは非常に強く、素晴らしい結果を残しました。全体的に悔しい週末になりましたが、もう少し良い戦いをすることはできたはずです。いくつかの場所や特定のコンディションでは非常に良いパフォーマンスを発揮できたと思いますが、それを全てのステージで維持することができませんでした。次のラリーが楽しみですし、もっと良い戦いができるように頑張りたいと思います。
<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
今回のベルギーでの最終日はとても良かったです。今まで経験してきた日曜日の中で最も激しい戦いのひとつでしたし、チームメイトとの競い合いを楽しむことができました。スパ・フランコルシャン周辺のステージは、自分にとっては比較的簡単でした。これまで他のラリーで走ったことのあるステージに近かったので、ペースを上げやすかったのですが、それでもかなりトリッキーでした。この結果にはとても満足しています。自分よりも順位が上のふたりは、このラリーでの経験が豊富でしたし、金曜日のタイムを見ても誰も彼らにかなわないことは明らかでした。自分たちの経験が少なかったことを考えれば、他のドライバーに負けずに表彰台に立つことができて、本当に良かったと思います。
<<イープル・ラリー・ベルギー デイ3の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h30.24.2s
2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +30.7s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +43.1s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +49.6s
5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +55.8s
6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m46.5s
7 ヨアン・ロッセル/アレクサンドレ・コリア (シトロエン C3 Rally2) +12m14.9s
8 ピーテル・ヤン・ミシェル・クラッコ/ヤスパー・フェルミューレン (シュコダ ファビアRally2 Evo) +13m05.9s
9 ファビアン・クレイム/フランク・クリスチャン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +13m13.8s
10 ヴィンセント・フェルシューレン/フィリップ・キュヴェリエ (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +13m31.1s
(現地時間8月15日14時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、9月9日から12日にかけてギリシアで開催される「アクロポリス・ラリー」です。神々のラリーとも呼ばれるこのイベントは1951年に初めて開催され、WRC初年度の1973年からシリーズに組み込まれた非常に歴史のあるラリーです。2013年の大会を最後にWRCとしては開催されていませんでしたが、今年8年ぶりにWRCに復帰。過去にもラリーの中心となったことがある、ギリシア中部のラミアをベースに競技が行われます。ステージはグラベル(未舗装路)で、大きな石が転がる荒れた路面も多くある、非常に過酷なラリーとして知られています。
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