TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月19日(木)から22日(日)にかけて、ポルトガル北部で開催される、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦「ラリー・ポルトガル」に、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(GR YARIS Rally1 1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のGR YARIS Rally1で参戦。昨年エバンスが総合優勝したWRC伝統のグラベル(未舗装路)ラリーで、今シーズン3回目の優勝を目指します。
スノーラリーの第2戦ラリー・スウェーデンと、ターマック(舗装路)ラリーの第3戦クロアチア・ラリーでは、GR YARIS Rally1をドライブしたロバンペラが優勝。ロバンペラは2位の選手に29ポイント差をつけドライバー選手権で、チームは2位のチームに42ポイント差をつけマニュファクチャラー選手権で、それぞれトップに立ちハイブリッドラリーカーによる新時代を力強くスタートしました。そして迎える第4戦ラリー・ポルトガルは、これから8月の初旬にかけて5戦連続で開催される、グラベルラリーの初戦となります。今年デビューしたRally1車両にとって、ポルトガルは初めて臨むグラベルラリーとなり、今後に向けて非常に重要な意味を持つ1戦です。ポルトガルのステージはハイスピードな区間とテクニカルな区間の両方があり、グラベルでのクルマの総合性能を判断する上で最適なラリーであると言われています。
ドライバー選手権をリードするロバンペラは、金曜日のグラベルステージを出走順トップで走行しますが、これは彼にとって新たな、そして大きなチャレンジとなります。ドライコンディションの場合、グラベルのステージは道の表面が軟らかい砂や目の細かな砂利で覆われているため、十分なグリップを得られません。出走順トップのロバンペラはその滑りやすいグラベルを掃き飛ばしながら走らなくてはならず、非常に不利な路面コンディションでの走行となります。多くのラリーカーが走ると次第にグラベルが掃けてグリップは向上しますが、やがて下から硬い岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれます。
総合2位を獲得した開幕戦ラリー・モンテカルロ以来のWRC出場となるオジエは、ドライバー選手権ランキング8番手、エバンスは9番手のため、金曜日は有利な後方からのスタートとなります。エバンスは2021年のラリー・ポルトガルで優勝しており、オジエはこのラリーにおける最多優勝タイ記録の5勝を過去にあげるなど得意としているため、今回も好成績が期待されます。また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationからシリーズ全戦に出場する勝田貴元は、今回もGR YARIS Rally1のステアリングを握ります。
ラリーのサービスパークは、これまでと変わらず大都市ポルトの郊外「マトジニョス」に置かれます。ルートはその大部分が昨年の大会と重なり、サービスパークの南約130kmに位置する古都コインブラで、19日木曜日の夜に行われるセレモニアルスタートで開幕。直後の市街地スーパーSSで競技が始まります。翌日の20日金曜日は、コインブラを起点にアルガニル地域で7本のステージを走行し、1日の最後にはロウサダでスーパーSSが行われます。この日は、昨年の金曜日と同じく日中にサービスの設定がないため、8本計121.67kmのステージを、クルマに大きなダメージを与えることなく走りきらなくてはなりません。競技3日目の21日土曜日は、ポルト北東のカブレイラ山脈を中心に、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。1日の最後には、ポルト市街地のドウロ河口沿いでスーパーSSが行われます。SS12/15「アマランテ」は、今大会最長となる全長37.24kmのロングステージであり、7本のステージの合計距離は164.98kmと、今大会最長の1日です。最終日の22日日曜日は、5本のステージを走行。そのうちSS19/21「ファフェ」は、ビッグジャンプを見に大勢の観客が訪れることで知られている、ラリー・ポルトガルを代表するステージです。なお、最終ステージとなるSS21に関しては、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で21本、合計338.34km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、1522.89kmが予定されています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ターマックとスノーの開幕3戦で、GR YARIS Rally1は非常に高い競争力を発揮しました。次戦ポルトガルは、この先の6週間に行われる3つの難しいグラベルラリーの最初の1戦であり、各チームやクルマのレベルを見る上でとても興味深いラリーになるでしょう。今シーズンはグラベルのラリーが多いので、未舗装路で高い競争力を備えていることが重要ですし、ドライバーに信頼性の高いマシンを提供することも、今後のグラベルラリーを戦う上でとても大事です。ポルトガルの路面は、ドライコンディションの場合、ルーズグラベルが多いため出走順がトップのドライバーは非常に苦労します。金曜日に遭遇するであろう困難な路面コンディションは、カッレにとって新たな経験になると思いますが、たとえそこでタイムを失ったとしても、彼はきっと冷静に対処してくれるはずです。一方、エルフィンとセブは出走順がいいので、ふたりとも優勝争いに加わる可能性が高いのではないかと予想しています。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
ポルトガルでWRCに復帰できることに興奮しています。しばらく休日を楽しんだので、新鮮な気持ちでラリーに臨むことができそうです。もちろん、私としてはチームがここ数戦で勝ち続けていることを嬉しく思っていますし、今回はただ自分が楽しんで走り良い結果を得るためだけでなく、チームのマニュファクチャラーズ選手権連覇にも貢献したいと思っています。ポルトガルという国やファンの皆さんには親しみを感じていますし、このラリーでは何度も良い結果を残してきたので、私にとってポルトガルは特別な場所です。出走順が早くないのは自分にとって今までと大きく異なる状況なので、雨が降らずに有利なコンディションで走れることを願っています。グラベルでのテストは先週1回しか行なっていないため、ラリー本番で素早くリズムを取り戻すことが自分にとって最大のチャレンジとなるでしょう。とはいえ、他の選手も新しいRally1カーでグラベルラリーに出るのは今回が初めてなので、どこまで戦えるのか楽しみです。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今年出場する他の多くのラリーと同じように、Rally1カーで挑む最初のグラベルラリーで、ライバルとどれだけ戦えるのかを予想するのは難しいですが、先週行なったテストでは概ねポジティブなフィーリングが得られました。ポルトガルは、私にとって年々楽しめるようになってきているラリーですし、昨年は優勝することもできました。今回もまた、いい結果を残せるように頑張りたいと思います。これからしばらくはグラベルのイベントが続くので、まずはポルトガルでいいスタートを切り、その勢いを保ち続けたいと思っています。ドライコンディションなら私の出走順は有利なはずですが、だからといって自動的にいい結果が得られるわけではないので、集中してラリーに取り組む必要がありますし、誰にとっても新しいこのクルマを、自分のものにするために努力しなくてはなりません。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
グラベルでの新しいクルマのフィーリングは全体的にとても良く、先週行なったプレイベントテストでは、以前よりさらに改善されていました。ポルトガルはステージがすばらしく、技術力が求められ、雰囲気も素晴らしいので個人的には好きなラリーです。自分たちにとって、出走順トップでステージに臨み、路面のルーズグラベルを掃き飛ばしながら走るのは、最大のチャレンジとなるでしょう。そのため、他のラリー以上に金曜日が重要になるので、できるだけ早くいいペースを掴み、それを最後まで持続させたいと思います。これから出るラリーで重要なのは、あまり大きなプレッシャーを感じたり、ミスを犯したりしないよう冷静さを保ち、とにかく良い仕事をすることに集中して、可能な限り多くのポイントを獲得することです。
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