TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、7月14日(木)から17日(日)にかけて、エストニアで開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「ラリー・エストニア」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)の、3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。今シーズン初の超高速グラベル(未舗装路)ラリーで、シーズン5勝目と選手権のリード拡大を果たすべく、チーム一丸となって戦います。
前戦サファリ・ラリー・ケニアではロバンペラが優勝、エバンスが総合2位、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元が総合3位、セバスチャン・オジエが総合4位と、GR YARIS Rally1 HYBRIDが歴史的な1-2-3-4フィニッシュを飾りました。その結果、チームはマニュファクチャラー選手権におけるリードを62ポイントに拡げました。そして迎える第7戦ラリー・エストニアは、ここまでのグラベル・ラリー3戦とは大きく異なる超高速イベント。新時代ハイブリッド・ラリーカーのGR YARIS Rally1 HYBRIDにとっては、新たなるチャレンジとなります。
ラリー・エストニアのステージは総じて非常にハイスピードで、第8戦として予定されているラリー・フィンランドと共通点が多くあるイベントです。緩やかな高速コーナーが続き、アップダウンが激しく、ビッグジャンプも多くありますが、路面は全体的にフィンランドよりも軟らかく、同じステージを2回目に走行する際は深い轍が刻まれる可能性もあります。
現在、ドライバー選手権を65ポイント差でリードしているロバンペラは、昨年のこのラリーで記念すべきWRC初優勝を達成しました。その後、アクロポリス・ラリー・ギリシアで2勝目を飾り、今シーズンは前戦までに6戦4勝と好調を保っています。エバンスも、前戦サファリ・ラリーで今シーズン2回目の2位表彰台を獲得するなど、いい流れに乗っています。オジエとクルマをシェアし、今シーズン4回目の出場となるラッピは、得意とする超高速グラベル・ラリーで今季2回目の表彰台を目指します。また、前戦サファリ・ラリーでキャリア2回目の表彰台を獲得した勝田は、今回もGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブします。
ラリーの中心となるサービスパークは、過去2大会と同じく、エストニア第2の都市「タルトゥ」のラーディ飛行場跡に設けられ、木曜日から日曜日の4日間に渡り競技が行われます。競技は、14日木曜日の夕方にサービスパークのすぐ近くで行われる全長1.66kmのスーパーSSでスタート。本格的な戦いは16日金曜日からとなり、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。17日土曜日は4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行し、1日の締めくくりとしてサービスパークの近くでスーパーSSが1本行われます。最終日18日の日曜日は、3本のステージを各2回走行。そのうち、最終ステージのSS24は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で24本、合計313.84km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1486.77kmとなります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
前戦ケニアの結果は信じられないくらい素晴らしいものでしたが、次のエストニアとフィンランドは、まったく異なるチャレンジになります。これまでは、クルマの信頼性を重視してきました。もちろんそれは今後も変わりませんが、このようなスムーズな路面で行われる高速ラリーでは、GR YARIS Rally1 HYBRIDのパフォーマンスを最大限引き出すことに注力しなければなりませんし、それはドライバーについても同様です。サファリ・ラリーのような路面がラフなイベントでは、どうしても少し余裕を持って走ることになりますが、エストニアやフィンランドでは最初のステージをスタートする瞬間から攻めていかないと、大きくタイムを失ってしまいます。そうするためにはクルマに自信を持つ必要がありますが、事前のテストでのフィードバックは良かったので、エストニアでも好成績を狙って戦いたいと思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
ここ数戦とは大きく異なる、ハイスピードなグラベル路面での2戦が楽しみです。エストニアは、このクルマで初めて走る高速グラベル・ラリーなので、そのためのテストは非常に重要です。エストニアの高速ステージは走っていてとても楽しいですが、クルマのフィーリングが良ければ、なおさら楽しく感じられます。ですので、どのようなコンディションにも対応できるクルマを作り上げることがターゲットですし、いい結果が得られることを願っています。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
今年もラリー・エストニアに参戦できるのが嬉しいです。昨年の優勝は素晴らしい瞬間でしたし、自分たちの力をフルに発揮することができたラリーでした。今年はチャンピオンシップをリードしているため、昨年とは状況が異なりスタート順が1番となりますが、それでもいい結果を残したいと思っています。エストニアのような高速で緩やかなコーナーが連続するラリーは大好きですし、自分にとても合っています。ハイスピードなラリーではクルマに自信を持つことがとても重要なので、テストでは自分たちが納得できるセットアップに仕上げるため、多くの作業を行ないました。
エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車)
これからの2戦、特に私にとってのホームラリーであるフィンランドがとても楽しみです。エストニアは昨年出場しなかったので、初めて走るステージもあり、そう簡単には行かないでしょう。もちろん、いい走りができると信じていますが、あまり大きな期待を持って臨むわけではありません。今年はここまでのところ、どのような路面でもペースは良かったのですが、なかなか上手くまとめることができていません。ですから、エストニアでの一番の目標は、クリーンでいいラリーを戦うことです。
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