9月8日(木)、2022年FIA世界ラリー選手権 (WRC) 第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」が開幕。オープニングステージとして首都アテネのオリンピック・スタジアムでSS1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車) が総合8位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組 (4号車) が総合10位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組 (33号車) が総合15位につけました。また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元は、総合18位でラリー初日を走り終えました。
昨年、8年ぶりにWRCの一戦として開催されたアクロポリス・ラリー・ギリシャは、数あるWRCイベントの中でも非常に長い歴史を誇るラリーです。戦いの主舞台は、中央ギリシャの山岳地帯に広がるグラベル(未舗装路)ステージ。ラリーのスタートを前に、サービスパークが置かれるラミアの北側エリアで全長3.62kmのシェイクダウンが行われ、ラッピがチーム内最上位となる5番手タイムを記録しました。その後、選手達はラミアの南東約200kmに位置する首都アテネへと移動。2004年に行なわれたアテネ・オリンピックで主会場となったオリンピック・スタジアム内で、SS1「オリンピック・スタジアム」として全長1.95kmのターマック(舗装路)ステージが行なわれました。オリンピック・スタジアムで最後にスーパーSSが行なわれたのは2007年の大会でしたが、久々に行なわれたスーパーSSには多くの観客が集まり、おおいに盛り上がりました。チーム内の最上位はロバンペラで8番手タイムでしたが、それでも首位と1.5秒差という僅差の戦いに。ラッピはコンクリートのバリアにクルマの側面が僅かに当たってしまいましたが、ロバンペラと0.3秒差の10番手タイムでオープニングステージを走りきりました。
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
オリンピック・スタジアムというアテネの象徴的な場所で、会場いっぱいの観客に見守られ、素晴らしい雰囲気の中でラリーをスタートすることができて本当に嬉しく思います。昨日はギリシャの首相をお乗せしてGR YARISでステージを走ったのですが、テクニカルなコーナーがありながら、道幅はそれほど狭くなかったので、走っていて楽しかったですし、ファンにとっても最高のショーになるだろうと思いました。ただし、明日から始まるグラベルステージに向けて、クルマをセットアップするのは簡単なことではありませんし、我々にとってはそれが今回の焦点です。明日のフルデイ初日は、チャレンジングな一日になると思います。特にルートラキのステージはルーズグラベルが多いので、出走順がトップのドライバーにとっては困難なステージになるでしょう。シェイクダウンが終わった後、我々はドライバー達のためにクルマのグリップレベルを改善しようと努力しました。今回の戦略はトラブルを避け、タイヤの摩耗を賢くコントロールすることがメインですが、それが奏功していい順位を得られることを願っています。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
このようなスタジアムの中で走るのは初めてだったので、オープニングステージは少し新鮮でした。正直なところ、とても難しくてあまりいい走りではありませんでしたが、大勢の観客が集まっていましたし、ラリーのスタートとしてはいい環境でした。明日からは荒れたコンディションのグラベルでの戦いが始まるので、とても対照的です。朝のシェイクダウンは、路面はかなりスムーズでしたがグリップが低く、少し苦労しました。そのため改善作業を進めましたが、それがシェイクダウンというものです。明日は昼間のサービスがなく、1回しか走らないステージが多いため、順出走順による路面コンディションの違いが大きな影響を及ぼすでしょう。金曜日はいい位置につけ、土曜日にしっかり戦えるようにしたいと思います。
<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
SS1はスタジアムが人で埋め尽くされ、凄い雰囲気でしたが、皆さんにとっては良いショーになったのではないかと思います。ドライビングはあまり楽しめませんでしたが、今までで最高にクールなステージのひとつでした。シェイクダウンでは、1回目に走行した時に難しく感じられ、明日同じようなコンディションの道を出走順トップで走るのは、想像していた以上に大変なことになると思いました。望んでいたようなグリップが得られなかったので、チームと一緒に最大限の努力をし、明日に向けて準備を進めました。明日は5本のステージを出走順トップで走行しなければならないので、タフな一日になるでしょう。路面が多くのルーズグラベルで覆われている、今回のラリーで最もトリッキーになりそうなステージもあります。とにかく長い一日になると思いますが、タイムロスを最小限に抑えるためにベストを尽くして戦います。
<<エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車)>>
スタジアムのステージは、以前から自分にとってあまり相性が良くなかったのですが、観客がたくさん集まり、いい雰囲気を味わうことができたので、ラリーのスタートとしては格好のステージだったと思います。ブリッジを越えた直後のブレーキングでホイールを完全にロックさせてしまいましたが、クルマは大丈夫でしたし、ダメージも外側だけだと思います。面白いイベントになりそうですし、自分にとってはきっと今シーズン最も大変なラリーになるでしょう。シェイクダウンのステージはとても滑りやすかったですし、明日は今回のラリーの中でも特にラフな一日になりそうです。ただし、実際のところ、このような低速でラフな路面のラリーとの相性は、これまで悪くありません。クルマのことも考えて走らなければならないので、いつもとは少し違う戦略をとる必要があると思います。
<<アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ1の結果>>
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1m58.4s
2 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +0.1s
3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.0s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.1s
5 エミール・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ ファビア Rally2 Evo) +1.2s
6 ガウラブ・ギル/ガブリエル・モラレス (シュコダ ファビア Rally2 Evo) +1.3s
7 セバスチャン・ローブ/イザベル・ガルミッシュ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1.3s
8 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.5s
9 ゲオルク・リンナマエ/ジェームズ・モルガン (フォルクスワーゲン Polo GTI Rally2)+1.6s
10 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1.8s
13 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.8s
(現地時間9月8日21時45分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる9月9日(金)は、いよいよグラベルステージでの戦いがスタート。アテネの西側に位置する美しいビーチリゾート「ルートラキ」を起点に、デイ2として6本のステージを走行し、その後ラミアのサービスで一日を終えます。1本のステージを2回走るのはSS2/4「ルートラキ」のみとなり、その他の4本のステージは1回のみの走行となります。また、デイ2は日中のミッドデイサービスが設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換および簡易整備作業のみで全ステージを走ることになります。6本のステージの合計距離は108.31km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は441.57kmとなります。
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