WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア デイ2 本格的なグラベルステージがスタート
オジエが総合2位に、ロバンペラが総合4位につける

2023.6.3(土)- 5:20配信

6月2日(金)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」の競技2日目デイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合6位につけました。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合5位につけています。

17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)

ラリー・イタリア サルディニアは、デイ2から本格的なグラベル(未舗装路)ステージでの戦いがスタート。オルビアに置かれるサービスエリアの南西エリアで3本のステージを各2回走行し、その合計距離は138.04kmと4日間で最長の一日でした。ステージは、午前中は概ねドライコンディションでしたが、一部には湿っていたり、ぬかるんでいたりする区間もあり、午後にはまとまった雨も降りました。

デイ1のスーパーSSで総合6位につけたオジエは、デイ2オープニングのSS2でベストタイムを記録し一気に首位に浮上。続くSS3は7番手タイムで総合2位に後退しましたが、今シーズンここまで最長となる49.90kmの「モンテ・レルノ」では、2番手タイムのエバンスに12.7秒差をつける圧巻のベストタイムを記録し、首位に返り咲きました。その時点で総合2位のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)に16.3秒差をつけていましたが、午後の再走ステージではややペースが上がらず、デイ2最終のSS7でラッピに逆転を許し総合2位に。しかし、ラッピと僅か0.1秒差につけています。

ドライバー選手権首位のロバンペラは、1番手スタートという不利な出走順により、午前中のステージで大きくタイムをロス。特に、最長ステージのモンテ・レルノの1回目の走行では、ベストタイムのオジエに40.2秒という大きな遅れをとり、総合8位で午前中を終えました。しかし、午後は降雨により路面が湿り、出走順1番手の不利が若干緩和されることに。ロバンペラは、1回目の走行で大きく遅れたモンテ・レルノの再走ステージでベストタイムを記録し、総合4位に順位を上げてデイ2を締めくくりました。

エバンスは、朝最初の2ステージでは9番手タイムでしたが、最長のモンテ・レルノではオジエに次ぐ2番手タイムを記録。総合4位に順位を上げました。さらに、午後のSS5では総合3位につけましたが、SS7の最後でタイヤから空気が抜けたことにより40秒程度をロス。総合6位に順位を下げました。

勝田は、SS2で4番手タイムを記録した後、SS3でベストタイムを記録。総合3位に順位を上げました。しかし、SS4ではコーナーを曲がりきれず20秒程度を失い、総合5位にダウン。午後はSS6で3番手タイムを刻むなど速さを見せ、総合4位ロバンペラと1.3秒差の、総合5位でデイ2を走りきりました。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
今日は前半、後半の二部構成の試合のようでした。午前中はチームとして非常に強く、予想以上の強さを発揮しました。しかし、午後はライバルが巻き返して強さを示しました。それでも、金曜日が終わった時点でこのような状況にあることにとても満足しています。セブのおかげで、首位と僅か0.1秒差と、優勝争いに向けて非常に良いポジションにつけています。カッレは出走順が1番手で路面をクリーニングしなければなりませんでしたが、終盤の滑りやすいコンディションでは今回もまた別格の速さを発揮し、表彰台を狙える位置につけています。エルフィンもいい仕事をしていたのですが、運悪く最後にパンクを喫し少しタイムを失ってしまいました。また、貴元がステージでベストタイムを記録し、総合5位につけているのは素晴らしいことです。

<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
全体的にはとても良い一日でした。今朝の最初の2ステージは悪くなかったと思います。路面は少し湿っていて、予想していたよりは路面の掃除が少なくて済み、タイムロスも抑えられました。しかし、モンテ・レルノの路面は結構乾いていて、タイムをかなり失ってしまい、多くのアクションもありました。午後は、2回目の走行だったにも関わらず依然トリッキーで、自分たちよりも前に走行した小さなクルマが刻んだ走行ラインが、全く合いませんでした。しかし、最後のモンテ・レルノで雨が降り出したので、懸命にプッシュし続けました。自分は雨やぬかるんだコンディションではいつも楽しんで走ることができているので、少しタイムを取り戻すことができました。明日はもっといい出走順で走れるので、さらにプッシュするつもりです。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
モンテ・レルノのステージに向けてクルマを良い状態に保つため、午前中は、石が多く転がっているようなトリッキーなステージではクリーンな走行を心がけました。結果的にモンテ・レルノでもクリーンに走ることができ、派手さはなかったですが、全てをうまくマネージメントすることができ、トラブルなく最後まで走りきり総合順位を上げることができました。午後は路面がかなり荒れていて非常に難しく、1本目のステージは問題なかったのですが、2本目でかなり遅れてしまいました。そして、残念ながら3本目のモンテ・レルノの終盤でパンクをしてしまい、タイムをかなり失いました。それでも、前方の選手たちとの差はそれほど大きくないですし、オィット(タナック)選手がすぐ後ろに迫っているので、まだまだ戦いは続きます。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
今日一日の自分の戦いと、順位に満足しています。今朝最初のステージとモンテ・レルノでは、自分と他の選手たちのタイム差に驚きましたが、クルマの調子が良く、タイヤの選択も正しかったので、午前中は速く走ることができたのだと思います。午後は少し苦労しましたが、それでも悪くはありませんでした。ドライビングには満足していますが、自分がサービスで下した判断には、やや不満が残ります。タイヤの選択とセットアップを少し見誤ってしまったからです。それでも、滑りやすいコンディションのなか、リスクを冒すことなく、特に大きな問題もなく走ることができました。まだ優勝争いができる位置につけていますし、タイム差も非常に小さいので、明日はまたプッシュするつもりです。

<<ラリー・イタリア サルディニア デイ2の結果>>
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1h31m48.8s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.1s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +18.6s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +46.1s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +47.4
6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m05.6s
7 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +1m09.8s
8 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン  (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m48.5s
9 アドリアン・フォルモ−/アレクサンドレ・コリア (フォード フィエスタ MkⅡRally2) +3m54.8s
10 エミル・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +4m01.6s
(現地時間6月2日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技3日目となる6月3日(土)のデイ3は、オルビアのサービスパークを中心に、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は133.62kmと、デイ2に匹敵する長い1日です。また、デイ2よりもさらに西側のエリアが主舞台となるため、リエゾン(移動区間)距離は426.80kmと長く、ステージとの合計走行距離は560.42kmに達します。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
セバスチャン・オジエ
セバスチャン・オジエ

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