WRC 第7戦サファリ・ラリー・ケニア デイ4 オジエが優勝、ロバンペラは総合2位を、エバンスは総合3位を獲得
TGR-WRTは二年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成

2023.6.26(月)- 2:30配信

6月25日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」の競技最終日デイ4が、ケニアのナイバシャを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が優勝。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合2位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位でフィニッシュしました。また、TGR WRCチャレンジプログラムのサポートにより出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位を獲得したことで、GR YARIS Rally1 HYBRIDは2年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成しました。

表彰式
表彰式

サファリ・ラリー・ケニアの最終日デイ4は、ナイバシャ湖近くのサービスパークを中心に、「マレワ」「オセリアン」「ヘルズゲート」という3本のグラベル(未舗装路)ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離74.38kmでした。ナイバシャ湖の周辺は全体的に雲が広がりながらも時々青空も見え、競技中に降雨はありませんでした。

前日のデイ3で首位を堅守したオジエは、デイ4オープニングのSS14で2番手タイムをマーク。総合2位のロバンペラが8.1秒差でベストタイムを記録した結果、ふたりの差は8.6秒に縮まりました。しかし続くSS15ではオジエが、2番手タイムのロバンペラに8.6秒差をつけるベストタイムを記録。差は17.2秒に拡がりました。ただし、このステージでオジエはリヤウイングとバックドア(リヤゲート)を失い、続くSS16もその状態で走行することに。オジエは3番手タイムだったロバンペラから3.6秒遅れの5番手タイムとなり、その結果、順位は変わらずも二人の差は13.6秒に縮まりました。

ミッドデイサービスを挟んで始まった午後の再走ステージでは、1本目のSS17でロバンペラがベストタイムを、オジエが0.6秒差の2番手タイムを記録。SS18では勝田が今大会2回目となるベストタイムを記録し、ロバンペラは3番手タイム、オジエは6番手タイムでした。その結果、最終のパワーステージを前に首位オジエと総合2位ロバンペラの差は9.2秒にまで縮まり、優勝争いはボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージへ。全長10.53kmのパワーステージ「ヘルズゲート2」をロバンペラは3番手タイムで、オジエは4番手タイムで走行。オジエが6.7秒差でロバンペラの猛追を抑え切り、2021年大会以来2回目となるサファリ・ラリー優勝、そして今シーズン3勝目を飾りました。なお、サファリ・ラリーにおいて6.7秒差は史上最小のタイム差となります。

一方、エバンスと勝田による総合3位争いは、勝田がSS14で3番手タイムを刻み差を11.4秒差に。勝田はさらにSS17でも3番手タイムを記録し、SS18ではベストタイムをマーク。しかし、エバンスも安定した走りを続けた結果、順位は変わらず。エバンスが25.3秒差で勝田を抑えて3位表彰台を獲得し、勝田は総合4位でフィニッシュしました。

トヨタは今回の勝利によりサファリ・ラリーでの通算優勝回数を11に増やし(うち10勝はWRC開催イベント)ました。そして、今年は1993年にセリカGT-FOUR(ST185)で初めてサファリ・ラリーで1-2-3-4フィニッシュを達成してから30年目にあたります。同一のWRCイベントで、同じマニュファクチャラーが1-2-3-4フィニッシュを3回獲得するのは史上初となります。

TGR-WRTは、オジエとロバンペラが獲得したポイントによりマニュファクチャラー選手権首位の座を守り、選手権2位のライバルチームに対するリードを23ポイントから42ポイントに拡大しました。また、ドライバー選手権ではロバンペラが首位の座を守り、選手権2位のライバルに対するリードを25ポイントから37ポイントに拡大。エバンスは選手権3位に順位を上げました。

<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
サファリ・ラリー復活以来3年連続の優勝、そして2年連続での1-2-3-4フィニッシュという素晴らしい結果で、今年もサファリを走り切ることができました。8人のドライバー達と、メカニック、エンジニアをはじめとしたすべてのチームメンバーに感謝いたします。チームのみんな、ありがとう!

クルマにとって厳しい環境も多いアフリカでは他の地域と違い「無事に生きて帰って来れる」ということが、クルマには強く求められています。そんなアフリカで4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDが無事に走り切り、TOYOTAの信頼性を示してくれたこと、本当に素晴らしいことだと思います。

ただ、実際のラリーを見ると、決してクルマの信頼性だけで実現された結果ではありません。ドライバーたちとメカニックたちの力が合わさって得られたものでした。優勝したセブは、金曜日にスペアタイヤ1本に減らして走るなど、リスクを取って勝ちにいく姿勢で走ってくれました。迎えるカッレも、そしてエルフィンも貴元も、セブに負けじとプッシュし、チーム全体で競い合うことで、みんなが全力を出しきってくれていたと思います。その結果、クルマが大きく傷んでサービスに戻ってくることもありました。

しかし、メカニックたちが、いつも通りの確実な仕事で元の通りに直し、クルマとドライバーを再びラリーに戻してくれていました。今回のサファリで示せた”クルマの信頼性”は、こうしたチーム全員の仕事の結果です。そして、我々は、この信頼性を勝利のためだけでなく、次は、市販車にも活かしていかないといけません。

TGR-WRTのみんなにはシーズン後半戦のさらなる勝利に向けた努力とともに、ベース車”GR Yaris”や開発中の”GR Yaris Rally2”などお客様にお届けする”もっといいクルマづくり”の仕事もお願いしたいと思います。シーズン後半も、みんなで”もっといいクルマづくり”をがんばっていきましょう!

追伸1 ユハ・カンクネンさんへ
Hilux MHEVコンセプトのデモランをしていただき、どうもありがとうございました。昨年は欧州ベルギーで水素エンジンを、今回のアフリカではHEVを運転していただきました。カーボンニュートラルの実現に向けては、その土地その土地の環境に合わせて、”いま出来ること”を”すぐにでも”やっていくことが大切だと考えています。アフリカの地で”いま出来ること”はHEVを増やすこと…そのことを少しでも多くの人に知ってもらいたいと思い、誰もが知るレジェンドドライバーのユハさんに乗っていただきました。サファリ・ラリーはユハさんが初めてWRCで優勝したラリーだったと思います。その時のトヨタ車(セリカ ツインカム ターボ)に比べたら、今回お乗りいただいたトヨタ車は遥かにパワーが足りなかったと思いますが、運転を楽しんでいただけましたでしょうか?

追伸2 豊田通商のみなさん
今年も現地での熱い応援、そしてチームへのサポートをありがとうございました。特に、Hilux MHEVコンセプトのデモランに向けては、クルマの輸入手配などアフリカに精通している皆さんの努力無しには実現できませんでした。これからもアフリカで、トヨタが”まちいちばんのクルマ屋”になれるように、一緒に取り組んでいければと思っております。よろしくお願いします。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
チームとドライバー達が達成したこの結果をとても誇りに思います。最近は競争が激しくなっているので、今年ケニアに来た時は、再び1-2-3-4フィニッシュを達成できるとは思っていませんでした。それでも、二年連続でこのような結果を残せたのは偶然ではないと思います。このイベントのためにチームが準備を正しく進めてきたこと、選手達が素晴らしい仕事をしたことなど、全ての要素が揃ったからこそ、良い結果を得られたのです。このラリーでは、まず信頼性が高く、道からの厳しい罰に耐えられるクルマが必要で、その上でパフォーマンスを追求することになります。我々のチームが信じるこの哲学は間違いなく正しいアプローチであり、それが結果に表れています。今年は我々のドライバー間の競争も熾烈で、タイムが接近した時は緊張感が高まっていたとも思いますが、それはごく普通のことですし、我々は勝利への情熱を持ったドライバーを求めています。全員が同時に優勝することはできませんが、このリザルトがどれほど大きな成果であるかは、彼ら全員が理解しているはずです。

<<カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)>>
セブとのバトルは終盤かなり激しく、このように僅かな差で優勝を逃すと、ドライバーとしてはやはり最高の気分にはなれません。それでも、最終的にはチャンピオンシップのために多くのポイントを獲得することができました。終末を通して自分の計画通りに戦いを進め、いいペースで走ることができましたが、大きなリスクは冒しませんでした。だから、このような結果でラリーを走り切れたことはとても嬉しいです。最終日はクルマにとって本当にタフでした。特に、最後から2番目のステージは深い砂と轍(わだち)が多くありましたが、自分たちのクルマは強く、それを乗り越えて、チームがケニアで再び1-2-3-4フィニッシュを達成できたことは素晴らしいと思います。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)>>
今回は多くのチャレンジがあったので、4台がトップ4に入ったことをチームは誇りに思うべきです。この結果はGR YARIS Rally1 HYBRIDの速さと強さを示すものであり、そのドライバーであること、そしてチームの一員であることを誇りに思います。もちろん、個人的には総合3位という順位に心から満足することはできませんが、チームの結果としては満足していますし、3位表彰台を獲得したことによって、それなりの選手権ポイントを得ることはできました。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)>>
とてつもなく大変なラリーで、とてつもない戦いでした。自分としてはそれを楽しむことができましたが、もう少しアクシデントが少なければ、もっと楽な戦いになったはずです。ペースは非常に良かったですし、クルマはとてもドライブしやすく、フィーリングも良かったのですが、今日はバックドアを失ったり、フェシュフェシュの砂地で少しオーバーヒートしたりと、あちこちで小さなアクシデントに見舞われました。それでも、いい結果を持ち帰ることができて嬉しいです。チームの全員が獲得するに相応しい勝利と結果だと思いますので、みんなで喜びを分かち合いたいと思います。

<<サファリ・ラリー・ケニアの結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3h30m42.5s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6.7s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m58.5s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3m23.8s
5 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +5m05.4s
6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +9m14.4s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +16m15.7s
8 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +24m47.0s
9 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +26m33.4s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia Rally2 evo) +27m04.0s
(現地時間6月25日17時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、7月20日(木)から23日(日)にかけて、エストニアで行われる第8戦「ラリー・エストニア」です。2020年のWRC初開催から4年目を迎えるこのグラベル・ラリーのステージは、全体的にハイスピードですが、道幅が狭くツイスティなセクションも多くあります。また、同じようなステージの特徴を持つラリー・フィンランドと比べると路面が軟らかいため、同じステージを2回目に走行する際には深い轍(わだち)が刻まれることもあります。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
ヴァンサン・ランデ、セバスチャン・オジエ
ヴァンサン・ランデ、セバスチャン・オジエ

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